第043話 スマホは壊さないでー
フィリアが下着を購入すると、その後は服を買いにいった。
普段着る物とパジャマを何着か購入し、時計やアクセサリーなんかも購入した。
なお、時計やアクセサリーは俺が買ってあげた。
ナイスガイだね!
その後はクーラーボックスを購入したり、向こうで使えそうなものを見たりしながら買い物をすると、昼になったのでレストランで昼食をとった。
午後になると、スーパーのコーナーで食料と酒を大量に購入し、大荷物を持ってタクシーで帰宅した。
家に帰ると、フィリアは俺の部屋で買った服に着替えてきた。
多分、さっき買った下着も着けていることだろう。
「ねえねえ、洗濯ってどうやるの?」
リビングに戻ってきたフィリアがさっきまで着ていた母親の服を持って聞いてくる。
洗濯機に放り込んでおけと言おうと思ったが、もし、フィリアが家に残った場合のことを考え、やり方を教えることにした。
その後も乾燥機の使い方など、電化製品の使い方を教えていく。
大抵のものを教え終わった時にはすでに夕方の6時を過ぎていた。
俺達は酒を飲みながら買ってきた食料でご飯を食べ始める。
「今日はありがとうねー」
フィリアが酒を飲みながらお礼を言ってきた。
買い物に付き合ったことか、蛇のことか……ま、両方か。
「気にしない、気にしなーい」
色々と知れたし。
「明日の朝には帰る? 私はもうちょっとゆっくりしたいけど」
今日は買い物がメインだったしなー。
正直、俺も明日はゆっくりしたい。
「お前の部屋で2日もこもりきりか?」
「あー、さすがに不審かー。ご飯も食べずにこもりきりはマズいね」
多分、部屋にいないってことがバレると思う。
「俺ももうちょっとゆっくりしたいが……」
「その辺を考えないとねー」
宿屋の俺の部屋も一緒だろうなー。
いっそ大森林で転移するか?
でも、あそこはちょっと怖いな。
戻ったらモンスターや冒険者と遭遇する可能性もゼロではない。
「お前、ヘイゼルと会ってないか?」
「ヘイゼルさん? あー、昨日、何か借家のことを聞かれたね」
やはりフィリアを頼ったか……
他に頼めそうな人もいないし、同性で教会の修道女は安心だろうしな。
「それだな」
「ヘイゼルさんが借りた部屋で転移するってこと?」
「俺はあいつに魔法を教わる予定だし、お前はヘイゼルの家に遊びに行ってることにすればいい」
それなら2、3日家から出なくても不審ではない。
「こっちの世界のことをヘイゼルさんに説明するの?」
「どっちみち、あいつには運び屋になってもらう予定なんだよ。今日、クーラーボックスを買っただろ? あれに氷を入れて、あいつの収納魔法で運ぶ」
今日買ったのは大きめのサイズのやつだし、普段はヘイゼルの家に置いておき、売る時に持っていこう。
「なるほどねー。でも、ヘイゼルさんがうんって言うかな?」
「大丈夫。あいつのことは任せておけ」
多分、断らないと思うし、最悪、あいつは秒で騙せる。
「うーん、あの人もここに呼ぶことにならない?」
「呼んだら居座りそうだなー……」
でも、絶対に連れていけって言いそうだ。
もしくは、羨ましそうにこっちを見る。
ヘイゼルは庇護欲がすごいのだ。
「魔法使いは研究者だから基本的に好奇心旺盛なんだよね」
これは連れていけだな。
「問題はこのアプリが3人も転移できるかだな……」
「私は置いてけぼりは嫌だよ」
でしょうねー。
「やはり色々と検証が必要だな」
前から考えていたことだ。
「具体的には?」
「まず、俺がこれを使えるのは確定している。それにフィリアを連れていける。あとはフィリア1人で使えるかということと、フィリアを連れていける原因だな。触れているからか、アプリを見ているからか……」
その辺はわからない。
「あのね、その検証はやめた方がいいと思う。あれからちょっと考えたんだけど、怖いのは私がそのスマホを操作し、リヒトさんだけが転移した場合だよ。リヒトさんはスマホを持っていないから帰れない。私はスマホを持ってるけど、もし、このアプリのキーがリヒトさんだった場合、私だけでは使えないから転移できない。このケースがある。そうなったら最悪」
俺はこっちに帰れない。
フィリアはここで永遠に一人……
きついな……
「あっちで使ってみるとか?」
そうすれば、最悪、お互いに元の世界に戻るだけだ。
「それ、本気で言ってる?」
「いや、それはない。言ってみただけ」
目がこえーよ。
「検証はやめるか……」
「そうして。ヘイゼルさんを入れた3人で転移できるか。これは検証してもいいと思う」
何人まで転移できるんだろう?
多分、制限はない気がする。
「あとはスマホの充電と損失に注意か……」
たとえ、スマホを失くしても俺の占いで探せる。
ポータブル充電器も買った。
だが、壊れたらどうなるんだろ?
寿命が来る前に引き継ぐか……いや、そんなことができるのか?
そして、衝撃で壊れたりすることもあるし、急に故障することもある。
最悪、俺がこっちに帰れないか、フィリアが向こうに帰れないか……
「壊れるならこっちで壊れてほしいねー」
未練はないのか?
そんなに酒とご飯とベッドと風呂がいいか?
「そん時は娶ってやるよ」
こっちの世界でフィリアを放り出すわけにはいかない。
戸籍をどうしよ?
ってか、母親はどうしたんだろ?
「メイスとかハンマーない?」
フィリアが笑いながら聞いてくる。
「ねーよ。壊すな」
まあ、最悪、あっちでもこっちでもどうにかなるか。
俺がやることは詐欺と占いと除霊だし、それはどっちの世界でもできる。
それに俺の両親がそうであるように、異世界でも幸せにはなれるだろうし、幸せにしてやることもできるだろう。
俺、今、めっちゃかっこいいことを言ったね。
この言葉を口に出すのは後々に取っておこう!
まあ、ぶっちゃけて言うと、ママかパパが何とかしてくれると思う。
だって、あいつら、こっちの世界に転移してるし、普段から行動が怪しいんだもん。
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