第伍拾参話 「全人類の究極」
我々人類は猿から進化し、高等生物としてこの地球に君臨している。まさにこの世界を支配し、今や向かうところ敵無しの生物として進化を極めたのだ。
これが神の御業なのか、自然のなせる御業なのかは分からないが、これがまさに私がここに存在するという意義でもあるのだ。
私は神の祝福を受けてこの世に生を受けた。
まさに人類の至宝、人類進化の最高到達点である私は、神の子と言われ、皆から祝福を受けた。
生きるために必要なことは、幼稚園を卒園するまでにすべて学んだ。初等学校では知識のすべてを学び取った。中等学校ではそれを応用し、高等学校では新たな知識を人類にもたらした。
私は天才の名を欲しいままにした。
もちろん、社会人になってからも、その勢いは衰えを知らない。
私は、地域社会の問題点を学生時代から数多く解決してきた。その経験を活かして、大学を出るとすぐに会社を興した。そう、コンサルト会社だ。
私の所に持ち込まれる案件は、すべてが難解で、解決不能と盥回しされてきた案件ばかりで、他の会社が匙を投げたものばかりだ。
しかし、それを私はいとも簡単に解決していく。
評判が評判を呼び、私の会社はドンドン規模を大きくしていくのだ。
私はその資金力を持って、人類のためになるものを数多く発明していく。ちょっとした日常の不便を解消するものから、社会問題を解決するようなものまで、私の発明は世界中に受け入れられるのだ。
私は、更に名を挙げ、世界中の問題解決に乗り出す。
歴史や文化、習慣、風習が異なる人々が抱える様々な問題は、私にとっても難問中の難問だった。しかし、これを解決することに私は生き甲斐を感じ、世界中の人々から感謝されるのだ。
なにせ、私は天才であり、人類の至宝なのだから。
「あなた、この子の名前はエイペックスにしましょうよ。」
「いや、マグナスが最高にクールだと思うよ。」
私はベビーベッドに横たわりながら、これからの人生に夢を抱いていた。




