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遊頁譚  作者: 劉白雨


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第伍拾壱話 「死んでもなお残り続ける傷跡」


 俺の背中には大きな傷跡がある。肩から腰に掛けて斜めに切られた傷跡だ。

 背中の傷は戦士の恥である。そう教えられた俺にはこの傷跡自体が羞恥の極みではある。だが、この傷跡こそが俺の生きる原動力ではある。

 戦場では仲間との連携は欠かせない。背中を預けることができる仲間の存在というものは、自分の命を生きながらえさせ、敵を一人でも多く切り捨てることが出来るからだ。

 だが、しかし、その仲間に裏切られた。俺が背中を預けたのは敵の間者だったのだ。裏切られたのではなく、元々仲間ではなかったのだ。

 俺は、この傷跡が教訓となり、仲間を心から信頼することはなくなった。背中は誰にも預けない。結局、自分を守るのは自分しか居ないのだ。


「おい、お前だよ、お前、呼んでるのが聞こえないのかよ。」

 誰かが俺を呼んでいた。俺はいつの間にか意識の底へと沈んでいたようだ。

「なんだ、何か用か。」

「何か用かじゃねぇよ。俺たちバディーになったんだ、よろしく頼むぜ。」

 バディーか。今回の戦場はこの男に背中を預けるのか。まあ、どのみち、自分で守ることにはなるのだろうからな。

「ああ、よろしく頼む。」

 俺は心にもない返事をした。


 戦場へと向かう輸送機の中で、俺たちは互いに出来ることを確認した。だが、すべては明かさない。切り札は隠して置くからこそ切り札になるのだ。たとえそれが味方であってもだ。

 降下ポイントに着いた俺たちは、ヘイロージャンプを決行。敵地へと潜入した。今回の目標は敵の最新兵器に関する情報を盗み出すことである。単独潜入でないのがこの任務の大きな問題点ではあるのだが、そんなことは百も承知で任務に参加した。この任務を熟さなければ、次にいけないからだ。


 俺たちは、順調に敵地を進んだ。だがしかし、後もう一歩で情報に辿り着ける兵器工廠の手前で敵に囲まれた。やはり、潜入がバレていたのだ。そして、バディだった男もやはり敵の間者だった。

 俺は、持てる能力をフルに発揮し、この窮地を潜り抜けようと、必死で戦った。だが、結局多勢に無勢。俺は死を覚悟したのだ。


〔GAMEOVER〕


 俺の目の前には、赤い文字が大きく点滅していた。



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