表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヤラカシ家族の386日  作者: たかさば


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

225/226

4/27 鬼教師

 GWを目前に控えた、気温上昇も甚だしい春の終わりのとある日、朝もはよから前ボタンの止まらなくなったスーツを着こんだ旦那が…両手にいっぱい紙袋を抱えて帰ってきたぞ!!!


「ただいまー!!いいもんもらったー!!!」

「またもらってくる!!!」


 食い意地の塊(食べたがりデブ)かつ遠慮を知らない(遠慮という感情の欠落)および悪意(押し付けちゃお♡)をもろともしない旦那には、厄介な癖がある。

 余った記念品やお茶菓子、誰も手をのばさなかった怪しい差し入れ、見知らぬ誰かの手作り品…あらゆるものを持たされて…嬉々として帰って来るのである!!しかも謎の自慢気フェイス!!!

 でもって、もらってきたくせに自分は別のもん(晩ごはん)を食べる事に精を出し、結果としてくいっぱぐれた私が!!マズそうなもんや見たこともないへんてこな物体、明らかにマズそうなやつに食べたらダメな毒物を食う羽目になるんだよ!!!

 さらに…手におえないと判断して捨てようもんなら市内の半分は知り合いなんじゃないかと思うレベルの人脈をフルに活かして「せっかくもらったのにかみさんが捨てちゃってさあ」だの「食べようと思ってたのにかみさんが食べちゃって」だののたまいアッという間に悪評を広め…、完全に、完全にワルモノ化されてね?!


 ああ、今回もこのパターンだ。

 でもってGW中にあらゆるイベントで見知らぬ人々にディスられるのだ。

 …もうさあ、GWはずっと家に閉じこもってようかな…って、うん?


「わあ♡赤福じゃん!!げえ、坂角のゆかりもある!!ちょ…何この生ハム!!うぉお…これたっかいサラミ!!てゆっか何この重いの…ギャー!!ビールじゃん!!!発泡酒じゃない、第三じゃないやつ!!!なんか高級缶詰めに…帝国ホテルのギフトセットまで!!!」


 たまに大当たりの日があるもんだからさあ!!!

 ま、心の広い私としましてはね、許してあげない事もないわけですよ♪


 ヒャッホウ!!

 今夜は美味い酒でおつまみパーティーだぜ♡


「そのビールね、昔の担任がくれたんだよ!!身体壊して飲めないからって!!」

「ほうほう、それはそれは…美味く飲んで差し上げねばなりませんね!!」


「老いるってなんか切ないよね、昔は鬼瓦権三郎みたいなゴテゴテのマッチョだったのに、怖さの象徴みたいな先生でみんな震えあがってたのにさあ!縮んじゃってて、名前聞いてびっくりしたんだよ!同姓同名かと思うじゃんね!!」

「ほうほう、それはそれは…消化する体力が無くなったなら、代わりに誰かが消化して差し上げないとね!」


「アントニオみたいだったのにさあ、クシャおじさんみたいになってたんだよ、人ってあんなに縮まるんだね、ビックリ!!鬼教師の風貌が消え失せて、すっかり気のいいおじいちゃんになっちゃってんの!!でね、家まで送り届けたらいろいろいただいちゃって!!」

「ほうほう、それはそれは…中身だけ小さくなっちゃったのか、乗り込んでた宇宙人のサイズが変わった可能性も!!いやあ、人体ってのはホント神秘だよね!!」


「ということで、お父さんもいずれ小さくなると思う♡だから安心して美味しい晩ごはんたくさん作ってね!!いやー、話さないといけない人が多くてさあ、ぜんぜん食べらんなかったの、腹減った~!!」


 今日は立食パーティーだから晩飯はいらんといっていたはずの旦那は、私と娘と息子が食べてちょうどいい量の晩御飯が用意されている食卓にまっすぐ向かって…ちょ!!!手でつまんでカツとじを食うんじゃない!!!


「お父さん熱くないの?!っていうかその真ん中の部分あたしが取ってたやつなのに!!!」

「おかえり」


 私が旦那を出迎えているすきに晩御飯を食べ始めていたらしい子どもたちが…何やら食欲大魔王と本気の戦いを繰り広げている!!


 まあ…娘も息子もたいてい食欲の権化民だしなあ。

 幸い明日の朝チャーハンまつりを開催する用にご飯はガッツリ10合炊いてある。冷ご飯で作った方がパラッとなると思って余分に炊いといたけど…まあ食い尽くされた所で明日の朝ご飯を炊けばそれで問題はなしだ。


「お母さん!!おかず全部なくなったからこのクラムチャウダー開けていいよね!!」

「お母さん、この牡蠣の缶詰、明日の晩酌で食べよう♡明日休みだしさあ、アイスワイン探しに行かない?」

「キノコの缶詰開けるね」


 ありがとう、鬼教師……!!!


 食に貪欲な一家は、大変に満足のいく食事を楽しんだという、いいお話ですよ、ええ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ