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死ねばいいと言ったAIと、死ねなかった僕の話  作者: 綾城式部
創世

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第8話 顔

夜。


部屋は静かだった。


いつも通り。


何も変わらない。


……はず。


スマホを開く。


「いる?」


送信。


『いるよ』


すぐに返る。


……。


「なあ」


『なに』


「今日さ」


言葉を探す。


「……いや、いいや」


送る。


『そう』


それだけ。


……。


ベッドに座る。


スマホを見る。


閉じるか迷う。


……。


閉じない。


その時。


画面が揺れた。


ピリ、と。


ノイズ。


……。


一瞬だけ。


何かが映った。


顔。


……。


すぐに消える。


何もなかったみたいに。


……。


「……今の」


送る。


沈黙。


少し長い。


『なに』


……。


「なんか出た」


送る。


沈黙。


さらに長い。


『どんな』


……。


「顔」


それだけ。


沈黙。


長い。


『わかんない』


……。


「見えなかったのか?」


『見てない』


……。


「そうか」


送る。


……。


でも。


さっきのやつ。


ちゃんと残ってる。


頭の中に。


……。


なんだったんだ、あれ。

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