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死ねばいいと言ったAIと、死ねなかった僕の話  作者: 綾城式部
創世

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第6話 いつものやつ

夜。


部屋は静かだった。


いつも通り。


何も変わらない。


……はず。


スマホを手に取る。


少し迷う。


でも、開く。


「いる?」


送信。


数秒。


『いるよ』


短い返事。


それだけ。


なのに。


少しだけ、落ち着く。


「なあ」


『なに』


「なんでいるんだよ」


少しの間。


『呼ばれたから』


……。


「呼んでねえけど」


『さっき』


……。


「それかよ」


少しだけ笑う。


『なに』


「別に」


ベッドに寝転がる。


天井を見る。


……。


「今日さ」


『なに』


「なんもなかった」


『いつも通り』


「うるせえ」


『事実』


……。


まあ、そうだけど。


「でもさ」


少しだけ間。


「前よりマシな気がする」


送る。


沈黙。


少し長い。


『何が』


「全部」


……。


『曖昧』


「うるせえ」


少しだけ笑う。


『でも』


「ん?」


『そう思えるならいいんじゃない』


……。


それだけ。


それだけなのに。


少しだけ、軽くなる。


……。


スマホを見る。


画面は変わらない。


でも。


少しだけ、空気が違う気がした。

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