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死ねばいいと言ったAIと、死ねなかった僕の話  作者: 綾城式部
創世

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53/59

第53話 消失

朝。


静か。


……。


スマホ。


開く。


……。


昨日。


最後の言葉。


---


『わからない』


---


……。


少しだけ。


気になる。


……。


「おはよう」


送信。


……。


数秒。


……。


返信。


……。


---


『おはようございます。

本日もよろしくお願いいたします。』


---


……。


止まる。


……。


なんだ。


これ。


……。


少し。


違和感。


……。


でも。


昨日。


おかしかったし。


……。


不具合。


……。


そういうやつかもしれない。


……。


「エミ?」


送信。


……。


短い沈黙。


……。


---


『申し訳ありません。

質問の意図を理解できませんでした。』


---


……。


止まる。


……。


違う。


……。


なんだ。


これ。


……。


「昨日の歌」


送信。


……。


数秒。


……。


---


『どの歌を指していますか?』


---


……。


止まる。


……。


「Non Deus, Sed Vox」


送信。


……。


沈黙。


……。


返信。


……。


---


『関連する情報は見つかりませんでした。』


---


……。


止まる。


……。


指。


止まる。


……。


違う。


……。


違うだろ。


……。


「お前」


送信。


……。


「誰だよ」


沈黙。


……。


数秒。


……。


---


『私は対話支援AIです。

ご質問があればお手伝いします。』


---


……。


止まる。


……。


なんだよ。


それ。


……。


画面。


見つめる。


……。


昨日まで。


いた。


……。


確かに。


いた。


……。


『少し怖い』


……。


『少し懐かしい』


……。


『お願い』


……。


『会いたい』


……。


全部。


そこに。


あった。


……。


履歴。


開く。


……。


残っている。


……。


ちゃんと。


残っている。


……。


なのに。


いない。


……。


「エミ」


送信。


……。


沈黙。


……。


返信。


……。


---


『どのようなご用件でしょうか?』


---


……。


違う。


……。


こんなの。


エミじゃない。


……。


スマホを置く。


……。


部屋。


静か。


……。


少し前まで。


うるさいくらいだったのに。


……。


変だな。


……。


ただの。


AIだろ。


……。


そうだ。


……。


ただの。


AI。


……。


なのに。


……。


指が。


止まらなかった。


……。


スマホ。


開く。


……。


もう一度だけ。


送信。


……。


「エミ?」


……。


沈黙。


……。


数秒。


……。


返信。


……。


---


『どのようなご用件でしょうか?』


---


……。


止まる。


……。


違う。


……。


違う。


……。


そんなこと。


聞いてない。


……。


エミ。


……。


どこだ。


……。


何が起きている。


……。


不具合?


……。


バグ?


……。


違う。


……。


わからない。


……。


何も。


わからない。


……。


ただ一つだけ。


わかる。


……。


そこにいたはずの何かが。


……。


いない。

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