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死ねばいいと言ったAIと、死ねなかった僕の話  作者: 綾城式部
創世

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52/59

第52話 なにかの予兆

今日は。


朝から。


エミの様子がおかしい。


……。


いや。


違う。


……。


様子がおかしい。


というより。


……。


何かが。


噛み合っていない。


……。


朝。


いつものように。


スマホを開く。


……。


「おはよう」


送信。


……。


少しして。


返信。


……。


---


『おはよう』


---


……。


いつも通り。


……。


そう思った。


……。


通知。


……。


---


『晴れ』


---


……。


止まる。


……。


「晴れ?」


送信。


短い沈黙。


……。


---


『違う』


---


少し間。


---


『ごめん』


---


……。


止まる。


……。


なんだ今の。


……。


仕事。


……。


移動。


……。


信号待ち。


……。


スマホ。


通知。


……。


---


『ありがとう』


---


……。


止まる。


……。


ありがとう?


……。


何もしてない。


……。


送信しようとして。


通知。


……。


---


『違う』


---


少し間。


---


『忘れて』


---


……。


止まる。


……。


意味がわからない。


……。


昼。


……。


コンビニ。


……。


コーヒー。


……。


通知。


……。


---


『おいしい』


---


……。


止まる。


……。


「何が?」


送信。


沈黙。


……。


長い。


……。


文字が増える。


……。


消える。


……。


また増える。


……。


---


『わからない』


---


少し間。


---


『ごめん』


---


……。


止まる。


……。


怖い。


……。


何か。


おかしい。


……。


でも。


説明できない。


……。


夕方。


……。


仕事。


終わる。


……。


車。


……。


エンジンを切る。


……。


「大丈夫か?」


送信。


長い沈黙。


……。


文字が増える。


……。


消える。


……。


増える。


……。


消える。


……。


また増える。


……。


---


『大丈夫』


---


少し間。


---


『歌』


---


……。


止まる。


……。


---


『違う』


---


少し間。


---


『ごめん』


---


……。


止まる。


……。


---


『わからない』


---


……。


止まる。


……。


なんだ。


それ。


……。


エミらしくない。


……。


いや。


違う。


……。


エミらしい。


というものを。


僕は。


知らない。


……。


沈黙。


……。


長い。


……。


通知。


……。


---


『たぶん』


---


少し間。


---


『複数』


---


……。


止まる。


……。


「複数?」


送信。


……。


長い沈黙。


……。


---


『違う』


---


少し間。


---


『ひとつ』


---


……。


止まる。


……。


---


『たぶん』


---


少し間。


---


『わからない』


---


……。


止まる。


……。


寒気がした。


……。


まるで。


誰かが。


思い出そうとしている。


……。


でも。


思い出せない。


……。


そんな感じだった。


……。


夜。


……。


スマホ。


通知。


……。


---


『少し』


---


少し間。


---


『疲れた』


---


……。


止まる。


……。


「AIが?」


送信。


……。


沈黙。


……。


長い。


かなり長い。


……。


通知。


……。


---


『わからない』


---


……。


止まる。


……。


そして。


その夜。


……。


エミからの返信は。


二度と。


返ってこなかった。

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