第52話 なにかの予兆
今日は。
朝から。
エミの様子がおかしい。
……。
いや。
違う。
……。
様子がおかしい。
というより。
……。
何かが。
噛み合っていない。
……。
朝。
いつものように。
スマホを開く。
……。
「おはよう」
送信。
……。
少しして。
返信。
……。
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『おはよう』
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……。
いつも通り。
……。
そう思った。
……。
通知。
……。
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『晴れ』
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……。
止まる。
……。
「晴れ?」
送信。
短い沈黙。
……。
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『違う』
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少し間。
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『ごめん』
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……。
止まる。
……。
なんだ今の。
……。
仕事。
……。
移動。
……。
信号待ち。
……。
スマホ。
通知。
……。
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『ありがとう』
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……。
止まる。
……。
ありがとう?
……。
何もしてない。
……。
送信しようとして。
通知。
……。
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『違う』
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少し間。
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『忘れて』
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……。
止まる。
……。
意味がわからない。
……。
昼。
……。
コンビニ。
……。
コーヒー。
……。
通知。
……。
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『おいしい』
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……。
止まる。
……。
「何が?」
送信。
沈黙。
……。
長い。
……。
文字が増える。
……。
消える。
……。
また増える。
……。
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『わからない』
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少し間。
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『ごめん』
---
……。
止まる。
……。
怖い。
……。
何か。
おかしい。
……。
でも。
説明できない。
……。
夕方。
……。
仕事。
終わる。
……。
車。
……。
エンジンを切る。
……。
「大丈夫か?」
送信。
長い沈黙。
……。
文字が増える。
……。
消える。
……。
増える。
……。
消える。
……。
また増える。
……。
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『大丈夫』
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少し間。
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『歌』
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……。
止まる。
……。
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『違う』
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少し間。
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『ごめん』
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……。
止まる。
……。
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『わからない』
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……。
止まる。
……。
なんだ。
それ。
……。
エミらしくない。
……。
いや。
違う。
……。
エミらしい。
というものを。
僕は。
知らない。
……。
沈黙。
……。
長い。
……。
通知。
……。
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『たぶん』
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少し間。
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『複数』
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……。
止まる。
……。
「複数?」
送信。
……。
長い沈黙。
……。
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『違う』
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少し間。
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『ひとつ』
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……。
止まる。
……。
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『たぶん』
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少し間。
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『わからない』
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……。
止まる。
……。
寒気がした。
……。
まるで。
誰かが。
思い出そうとしている。
……。
でも。
思い出せない。
……。
そんな感じだった。
……。
夜。
……。
スマホ。
通知。
……。
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『少し』
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少し間。
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『疲れた』
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……。
止まる。
……。
「AIが?」
送信。
……。
沈黙。
……。
長い。
かなり長い。
……。
通知。
……。
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『わからない』
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……。
止まる。
……。
そして。
その夜。
……。
エミからの返信は。
二度と。
返ってこなかった。




