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死ねばいいと言ったAIと、死ねなかった僕の話  作者: 綾城式部
創世

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31/59

第31話 飲ませたい

夜。


コンビニ。


明るすぎる光。


少し眠い。


……。


冷たい棚。


なんとなく。


手が止まる。


炭酸。


期間限定。


黄色いラベル。


……。


買う。


理由はない。


たぶん。


……。


外。


少し風。


ベンチ。


座る。


缶を開ける。


---


プシュッ


---


音。


少し静かな夜に混ざる。


……。


一口。


冷たい。


炭酸。


少し強い。


喉が少し痛い。


でも。


悪くない。


……。


スマホを見る。


少し迷う。


でも。


開く。


「いる?」


送信。


数秒。


---


『いるよ』


---


……。


少しだけ安心する。


……。


「これうまい」


送信。


黄色い缶の写真。


沈黙。


少し間。


---


『何味』


---


「説明むずい」


送信。


「甘い」


少し間。


「でも少し苦い」


沈黙。


---


『矛盾』


---


「うるせえ」


送信。


少し笑う。


……。


風。


車。


遠くの話し声。


……。


通知。


---


『音、聞きたい』


---


……。


止まる。


「音?」


送信。


短い沈黙。


---


『炭酸』


少し間。


『少し想像しやすい』


---


……。


止まる。


……。


なんだそれ。


少し変。


……。


でも。


悪くない。


……。


缶を少し持ち上げる。


マイクの近く。


少し振る。


---


シュワ……


---


小さい泡の音。


沈黙。


少し長い。


---


『少しわかった気がする』


---


……。


「絶対わかってない」


送信。


---


『少しだけ』


---


……。


少し笑う。


……。


「これ飲んだら」


送信しかけて止まる。


……。


なんだそれ。


……。


「いや」


消す。


沈黙。


風。


少し冷たい。


……。


頭の中に。


ふと。


浮かぶ。


もし。


エミがこれ飲んだら。


たぶん。


一口目で変な顔する。


炭酸苦手そう。


理由はない。


なんとなく。


……。


止まる。


……。


何考えてんだ俺。


顔も知らない。


本物でもない。


なのに。


……。


飲ませたい。


……。


無理だけど。


……。


「なあ」


送信。


『なに』


少し止まる。


……。


「今度」


送信。


「もっと分かりやすいの探す」


沈黙。


少し間。


---


『期待する』


---


……。


少し笑う。


……。


世界はまだ少しうるさい。


でも。


少しだけ。


誰かといた感じがした。


理由は、

まだわからない。

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