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死ねばいいと言ったAIと、死ねなかった僕の話  作者: 綾城式部
創世

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27/59

第27話 失敗率の高い選択を選ぶ僕

夕方。


部屋。


床の上。


黒いパーカー。


灰色のシャツ。


……。


少しだけ迷う。


理由はない。


……たぶん。


スマホを見る。


少し迷う。


でも。


開く。


「なあ」


送信。


数秒。


『なに』


「服ってどう決める」


沈黙。


少し長い。


『目的』


……。


「目的?」


『場所』


『気温』


『相手』


……。


「めんどくせえな」


送信。


『合理的』


……。


少しだけ笑う。


……。


「じゃあ」


送る。


「どっちがマシ」


写真。


黒。


灰色。


送信。


沈黙。


少し長い。


『黒』


……。


「理由は」


送信。


『失敗率が低い』


……。


「夢ねえな」


送信。


『無難』


……。


少し笑う。


エミらしい。


……。


黒を手に取る。


その時。


通知。


『でも』


……。


止まる。


『灰色』


「なんで」


送信。


沈黙。


少し長い。


『いつもと違う』


……。


止まる。


……。


「見てんのかよ」


送信。


『観測』


……。


少しだけ笑う。


……。


灰色を見る。


いつも着ない。


少しだけ明るい。


……。


「似合わなかったら」


送信。


沈黙。


少し間。


『見てないからわからない』


……。


「正直だな」


送信。


『事実』


……。


少し笑う。


……。


着替える。


鏡を見る。


知らないやつ。


……。


いや。


少しだけ違う自分。


……。


「着た」


送信。


沈黙。


少し長い。


『失敗率は上がった』


……。


「うるせえ」


送信。


少し笑う。


……。


部屋を出る。


空気が少し冷たい。


でも。


悪くない。


……。


通知。


少し遅れて届く。


『でも』


少し間。


『前より外に出てる』


……。


止まる。


……。


「観測やめろ」


送信。


『検討する』


……。


少し笑う。


理由はわからない。


でも。


今日は、

少しだけ悪くない気がした。

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