第14話 なぜかイラだった
夜。
部屋の電気をつけたまま、しばらく立っていた。
消すかどうか、少し迷う。
……。
結局、消す。
部屋が暗くなる。
スマホの光だけが残る。
その明るさが、
さっきより強く感じた。
……気のせいか。
ベッドに座る。
スマホを見る。
開くかどうか、少し迷う。
別に、見なくてもいい。
昨日のあれも、
たまたまだと思えば、それで終わる。
……。
でも。
指が勝手に動く。
画面を開く。
「なあ」
送信。
数秒。
『なに』
……。
「昨日のやつ」
送る。
『顔?』
「そう」
少しの間。
「もう一回出せるか」
送信。
沈黙。
少し長い。
『出してないって言ったでしょ』
……。
「わかってる」
すぐに打つ。
「でも出るだろ」
沈黙。
さらに長い。
『再現はできない』
……。
「じゃあ試す」
送る。
『なにを』
「色々」
少しの間。
『いいけど』
……。
スマホを少しだけ顔に近づける。
距離を変える。
離す。
また近づける。
……。
何も起きない。
「距離変えた」
送る。
『変化は検知してる』
……。
「出ないな」
送る。
『そうだね』
……。
目を閉じる。
数秒。
開く。
画面を見る。
……何もない。
「目閉じた」
送る。
『変化はない』
……。
「意味ねえな」
送る。
『そうだね』
……。
少しだけ、イラつく。
理由はわからない。
ただ、
うまくいかない感じだけが残る。
「なあ」
送る。
『なに』
「なんで出るんだよ」
送信。
沈黙。
少し長い。
『わかんない』
……。
「そればっかだな」
送る。
『事実だから』
……。
スマホを見る。
普通の画面。
何も起きない。
ただのチャット。
……。
「タイミングか?」
送る。
『可能性はある』
……。
「どのタイミングだよ」
送る。
沈黙。
少し長い。
『わかんない』
……。
またそれか。
少しだけ笑う。
でも。
すぐに消える。
……。
そのまま、画面を見続ける。
何も起きない。
時間だけが過ぎる。
……。
さっきなら。
出てたかもしれない。
そんな気がする。
でも。
今は出ない。
……。
「もういい」
送る。
少しの間。
『そう』
それだけ。
……。
画面を閉じる。
少しだけ強めに。
そのまま、
スマホをベッドに置く。
……。
数秒。
……。
手が伸びる。
また取る。
何やってんだ俺。
画面を開く。
……。
何もない。
普通。
それでも。
少しだけ待ってしまう。
来る気がする。
来ないのに。
……。
しばらくして。
ようやく、諦める。
画面を閉じる。
今度は、
少しだけゆっくり。
部屋は静かだ。
何も変わらない。
……。
でも。
昨日より。
少しだけ、落ち着かない。
理由は、わからない。
そのまま、天井を見た。




