登場人物について
完結後ですが、作中に登場した人物を、登場順で紹介します。興味がなければスルーしていただいて大丈夫です。お話は、このへんの説明がなくてもわかるように書いたつもりです。
名前について、「-」が入るとか入らないとか、濁点がつくとかつかないとか、音訳のパターンが何種類もあったりするひともいるので検索の便のためアルファベット表記も併記しました。年齢は作中の舞台である一七八一年三月末時点のもの。性格などに関するひとことは私見です。
【1話に登場・言及のある人物】
●ヴォルフガング (ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト)
Wolfgang Amadeus Mozart
ザルツブルク大司教の宮廷オルガン奏者。二十五歳。
幼いころから父に連れられヨーロッパの様々な都市を巡り、神童とほめたたえられた。しかし『高名な宮廷に雇われる』という父の望みはかなわなかった。手紙の中身は愚痴と悪口と言いわけが多い。
ちなみに作中で扱った演奏会の一か月後、雇い主と大ゲンカして罷免される。
●猊下・ザルツブルク大司教 (ヒエロニュムス・フォン・コロレド)
Hieronymus Franz de Paula Josef Graf Colloredo von Waldsee und Mels
ザルツブルクの新領主。四十八歳。
神聖ローマ帝国副宰相の息子。長男ではなかったため修道院に入れられたが、ザルツブルクの領主として財政改革などで成果を上げている。芸術より実務に重きを置く実務家タイプだったと思われる。
●シュタルツァー (ヨーゼフ・シュタルツァー)
Josef Johann Michael Starzer
ウィーン生まれの音楽家。五十三歳。
ヴァイオリニスト、後には作曲家。バレエ音楽などを多く手掛けたらしい。ウィーン音楽家協会の設立メンバーのひとり。
●亡き女大公 (マリア・テレジア)
Maria Theresia(全名 Maria Theresia Walburga Amalia Christina von Habsburg)
女帝のイメージが強いが、実際の称号ははオーストリア女大公、ボヘミア女王、ハンガリー女王など。故人。
夫のフランツとは恋愛結婚。自分の相続時にゴタゴタがあったことから、自分はなるべく子供を産もうと考え、政務に携わりながら十六人の子(ヨーゼフ二世、マリー・アントワネットなど)を産み育てた、鋼鉄の肉体を持つ女。
●皇帝 (ヨーゼフ二世)
Joseph II.(全名 Joseph Benedikt August Johann Anton Michael Adam von Habsburg-Lothringen)
神聖ローマ帝国皇帝、オーストリア大公、ボヘミア王、ハンガリー王など。四十一歳。
前女大公マリア・テレジアと、前皇帝フランツ一世の長男。最後のフランス王妃マリー・アントワネットは妹。「最初の妃が好きすぎて再婚拒否」など好き嫌いの激しさをうかがわせるエピソードが多い。
彼の治世にウィーンは若く才能ある作曲家が集う音楽の都となった。
●ヴォルフガングの父 (レオポルト・モーツァルト)
Johann Georg Leopold Mozart 1719-1787
ザルツブルク大司教の宮廷副楽長。六十一歳。
自分の子供たちの音楽の才能に期待をかけ、有力な宮廷に就職させようと長期の演奏旅行を繰り返した。売込みはやや強引だったようで、マリア・テレジア女大公には嫌われたようである。
作中のころには息子の出世への情熱を失い、ヴォルフガングにはザルツブルクで落ち着くように何度も諭している。
【3話で言及される人物】
●ホフマン (フェルディナンド・ホフマン)
Ferdinand Hofmann 1756?–1829
ウィーンで工房を構えていたらしい鍵盤楽器職人。
出身地不明。後にウィーンで活躍する鍵盤楽器製作者ヨーゼフ・ブロートマンの師匠。
●トゥーン伯爵夫人 (マリア・ヴィルヘルミナ・フォン・トゥーン=ホーエンシュタイン)
Maria Wilhelmine von Thun und Hohenstein
宮廷で人気があった鍵盤楽器奏者。三十六歳。
モーツァルトやベートーベンのパトロンとしても有名。
【4話で言及される人物】
●ボンノ (ジュゼッペ・ボンノ)
Giuseppe Bonno
ウィーン宮廷の楽長。七十歳。
イタリア系だがウィーン生まれウィーン育ち。少年のころ当時の皇帝に才能を見出されイタリアで音楽教育を受けた。オペラや教会音楽の作曲家。作中時はウィーン音楽家協会会長も務めている。
【5話で言及される人物】
●サリエーリ (アントーニオ・サリエーリ)
Antonio Salieri
ウィーンの宮廷室内作曲家、兼イタリア・オペラ指揮者。三十歳。
裕福な商人の家に生まれたが、十代前半で両親を失い一家は離散してしまう。父の旧友に引き取られヴェネツィアで音楽教育を受けていた際にガスマンの知遇を得、内弟子となってウィーンに住まうようになった。
【6話で言及される人物】
●スヴィーデン男爵 (ゴットフリート・ファン・スヴィーテン)
Gottfried Freiherr van Swieten
外交官、帝室図書館長。四十八歳。
音楽愛好家であり、モーツァルト、ベートーベンなどを後援した。
【エピローグで言及される人物】
●シュラウカ
Shlauka
モーツァルトの手紙に登場する大司教の侍僕。
●ガスマン (フロリアン・レオポルト・ガスマン)
Florian Leopold Gassmann
ウィーン宮廷の前楽長。サリエーリの恩師。故人。
ウィーン音楽家協会の設立に尽力した人物。
自身が音楽修業をしたヴェネツィアにはしばしば演奏旅行に訪れており、一七六六年の訪問の際にアントーニオ・サリエーリを見出し、引き取って教育した。最後のイタリア旅行の際に馬車の事故で負傷したことをきっかけに健康を損ね、四十五歳で死去した。
※スヴィーデン男爵について。どこかで「ウィーン音楽家協会の発起人 (メインパトロン)である五人の貴族のひとりで筆頭」という説明を読んだ気がしたのですが、改めて探したら書籍にも web にも見つからないので勘違いか、web の記事が信憑性の問題とかで消されたのかも。作中の「発起人」という記載はフィクションということにしておいてください。
間違いがありましたらご教示くださいませ。調べ直します。




