地名・用語などについて
作中に出てくる地名や用語です。こちらも読まなくても問題ありません。作中での言及順に記載しています。
【1話に登場する用語】
●大司教
カトリックの上位聖職者である司教の一部に与えられる名誉称号。であるが、ここで登場するザルツブルク大司教のように行政権や司法権を持ち在地領主としての側面を持つものもいた。
●黄金拍車勲章 (Ordine dello Speron d'oro)
古くは教皇に仕える騎士団員の証だった。十八世紀後半には文化人にも与えられる名誉称号になっており、モーツァルトも受勲している。
●ウィーン音楽家協会 (Tonkünstler-Societät)
別名『音楽家の寡婦と孤児のための会』。
一七七一年、ガスマンらにより設立された。会員は毎月会費を納入し、病気や怪我で仕事をできないときは見舞金が、亡くなったときは家族に年金が支払われた。運営のため年二回、演奏会を開いており、慈善公演のため演者は無報酬だった。
●皇帝(神聖ローマ帝国皇帝)
この称号はおおよそドイツ語圏の諸侯連合の盟主といったような意味合いで、諸侯の上に立つものとされてはいるが法的な命令権を持つわけではない。本来は選挙で決められるが、この時代にはほぼハプスブルク家が世襲している。
【2話に登場する用語】
●シュテファン大聖堂
十二世紀に遡る歴史を持つウィーンの名所。現在の大聖堂は十四世紀に建設が開始されたもの。シュテファンは、キリスト教の聖人である聖ステファノ。(ドイツ語読み)
●オペラ・ブッファ
十八世紀初めごろのオペラは神話や伝説を主題にしたもの(オペラ・セリア)だった。一七三三年、幕間劇「奥様女中(La serva padrona)」の大ヒットをきっかけに、恋愛などの身近な人間模様を題材としたオペラが独立して作られるようになり、オペラ・ブッファと呼ばれるようになった。
●市壁
『旧市街』の外周部分にあった城壁で現在はリンク通りになっている。
一八五七年、人口増加を背景に市域の拡張と近代化のために城壁は撤去された。
●ケルントナートーア劇場
一七〇九年に開場した、ハプスブルク家の宮廷劇場。ウィーン宮廷歌劇場を新設するため一八七〇年に閉鎖された。
●チェンバロ
ピアノの原形になった鍵盤楽器。現代のピアノより小型で軽い。
【3話に登場する用語】
●半ズボンとストッキング
当時の上流階級の男性のファッション。長ズボンは労働階級がはくものだった。
一七八九年のフランス革命以後、階級を問わず長ズボンをはくことが一般化した。
●ブルク劇場
二番目に建設されたウィーンの宮廷劇場。ヨーゼフ二世の生誕の翌日に建設計画が発表された。
●ジングシュピール
歌と音楽入りのドイツ語劇。当時は発展途上の新ジャンルだった。後に『魔笛』や『魔弾の射手』、ワーグナー作品へと続くドイツ語オペラの元になったジャンル。
【4話で登場する用語】
●マエストロ
もともとは職人の親方を呼ぶ言葉だった。この時代のウィーンでは宮廷作曲家に対する敬称として使われていたようで、一七八二年にサリエーリが出版した楽譜の表紙には「マエストロ・サリエーリ」という文字が見える。
●煙突掃除人
アントーニオ・サリエーリ作曲のジングシュピール。正式タイトルは「煙突掃除人、または私利私欲から主人を裏切らねばならぬ男」(Der Rauchfangkehrer, oder Die unentbehrlichen Verräter ihrer Herrschaften aus Eigennutz) 一七八一年四月三十日、ブルク劇場で初演された。
間違いがありましたらご教示お願いします。調べ直します。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。




