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【第二章完結】神様、あなたの推しを配信します~ダンジョンの中を配信するので俺にも世界を救えるように投げ銭ください~  作者: 犬型大
第三章

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助けを求める声1

「だいぶ俺たちも慣れてきてると思います。よかったら次も見てください」


 ゲートのボスを倒し、マサキはスマホのカメラに向かって締めのコメントを残す。

 今日も生配信を行った。


 覚醒者として上級とは言わないが、初心者を脱して中級者ぐらいにはなったとマサキも思っていた。

 生配信を見てくれる人は多い。


 しかしそろそろ視聴者の増加も頭打ちとなってしまっている。

 難しいゲートに挑戦しているわけでもないので、内容そのものに緊張感もない。


 配信として人を惹きつけるのには少し工夫が必要になってくる時期となってきていた。


「ふぅ……」


 配信を切って、マサキは軽く息を吐き出す。

 なかなか大変だなと思う。


 意外とマサキたちの制限は多い。

 まだ姿を隠してバレないように、ということが前提になる。


 そうなると見栄えがするゲートを探そうと思っても、人目のあったり特殊なゲートはマサキたちや生配信の秘密がバレてしまうリスクがある。

 人目につきにくいゲートを探すと、どうしても覚醒者にも人気が低めなところになってしまう。


 マサキたちで攻略しなきゃいけないので、四人で攻略できそうなところにしなきゃならない。

 他のギルドとコラボすることもできないし、メンバーを増やすことも簡単ではない。


「せめてカメラマンが欲しいな……」


 今はマサキかイリーシャがデカスマホを持って撮影している。

 やっぱり戦いながらでは撮影するのも難しい。


 さらには誰かが撮影していると、撮影する人は映らなくなる。

 レイとイリーシャは配信を見ている人の評判もいいので、映したいところがある。


 戦闘には参加しないカメラ専門の仲間を引き入れる必要があった。


「今日は……はは、気前がいいな」


 ゲートから出てきたマサキは投げ銭やコメントを軽く確認する。

 氷剣女帝というユーザーから投げ銭が来ている。


 ポイントを投げてくれる相手で、ちょっとずつでも毎回投げてくれるので非常にありがたい。

 リストを持っているマサキからしてみれば、イリーシャを推している神なことも知っている。


 どんな神様なのかは知らないが、他の神様がなかなかポイントを投げてくれないことから考えるにちょっと豊かな神なのかもしれないと思った。


「ん? なんだこれ?」


 相変わらずマサキたちへの接触を図ろうとするコメントが多い。

 諦めたのかだいぶ減ってきたものの、それでも大金を投げて目を引こうとしているところはまだまだあった。


 何回も来ているので知ったギルドや記者などの名前が並んでいるのだけど、その中に見知らぬ人がいた。


「一万ずつ……三十回? なんだこれ?」


 少し異様な存在だった。

 一回の生配信の間に、一万円の高額な投げ銭を三十回もしている。


 しかもコメント付き。

 同じコメントが三十個並んでいるのだ。


 生配信を始めた当初はそんなギルドもあった。

 だが今そんなことをする人はいない。


「さおりん?」


 ユーザー名はさおりん。

 どこかで来たことがある名前だとマサキは首を傾げてしまう。


「女の人と連絡取ってるんですか?」


 レイがマサキの手元のデカスマホを覗き込む。


「うわっ……なんですか? お願いです、助けてください。連絡をお願いします……」


 並ぶ同じメッセージにレイも軽く引いている。

 軽く読み上げてみるメッセージの内容は、連絡をくれというものだった。


 ただその前に助けてほしいということが書いてある。

 同情を引くようなメッセージで、連絡を取らせようとする連中もいる。


 無視していると暴言を吐いて消えていったようなところも、ないわけじゃなかった。

 さおりんのコメントの最後にはメールアドレスが記載してあった。


「たださおりんって……覚醒者系配信者だよな」


「知ってるんですか?」


「細かくは知らないよ。ちょっと前に人に教えられて、少しだけ見たことがあるんだ」


 アカネからさおりんという配信者がマサキたちを追いかけていると聞いた。

 だからマサキも一応チェックをしていた。


 割と近いところまで来ているような感じがある、とマサキも認めざるを得なかった。

 けれども辿り着くにはまだもうちょっと難しいだろう。


 そんなふうにも思っていた。


「とうとう打つ手無くなって直接連絡取ろうとしてるのか?」


 最後の動画から一歩踏み込むのはかなり困難だろうことは、マサキも知っている。

 やりようがなくて直接接触を図るというのは、なんとなく想像もできる。


「だからって三十万……ですか?」


 大きな金額の投げ銭コメントを連投すれば嫌でも目には留まる。

 切羽詰まったにしてもかなり乱雑なやり方であることは否めない。


「それに三十万じゃな……」


 三十万も大きな金額である。

 しかしながら大きなギルドが目を引こうと投じてきた金額は三十万どころじゃ済まない。


 はした金なんて言い方をするつもりはないが、心動かされる金額でもなかった。


「でも……最後のコメントだけ少し違いますね」


 生配信を切る直前に送られてきたさおりんからのメッセージは、他の二十九件と違っている。


「弟が誘拐された……マスクマンの助けが必要なんです」


「俺たちのことヒーローか何かと勘違いしてるのか?」


 流石にここまでくるとやりすぎだと感じる。

 マサキたちは人助けをしているわけじゃないし、こんなコメントをされてどうしたらいいのかとマサキとレイは顔を見合わせる。

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