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【第二章完結】神様、あなたの推しを配信します~ダンジョンの中を配信するので俺にも世界を救えるように投げ銭ください~  作者: 犬型大
第三章

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ツヤツヤお肌6

「くっ……!」


 ミノタウロスがマサキを狙って大きく横に斧を振る。

 縦振りと違って横振りの斧は攻撃範囲も広い。


 力が強すぎるので防御するという選択肢はなく、大きく後ろに下がるか、上下にかわすしかない。

 何にしても小さい動きでかわすことは難しかった。


 マサキは跳躍して斧をかわす。

 斧の勢いで巻き起こる風が空中にいるマサキの体をわずかに押し流した。


「あぶ……!」


 ミノタウロスは着地したマサキにすぐさま斧を振り下ろした。

 マサキがそんなことしたら関節でも壊しそうな速さで次の一撃を繰り出してきたが、ミノタウロスの屈強な腕は尋常じゃない回転の速さの攻撃速度を可能にしている。


 風圧だけで鼻先が削られてしまったのではないか。

 そんな感覚にすら襲われる。


「氷、ボンッ」


 集中してマサキが狙われている。

 結構ギリギリの回避を繰り返しているが、その分だけ他の三人の負担は軽い。


 イリーシャはミノタウロスの目の前に氷が浮かび上がる。

 爆発するように割れた氷は細かな鋭い氷片を撒き散らし、ミノタウロスは目を閉じて怯んだ。


 流石に目を狙われると弱い。


「はぁっ!」


 ダイチはメイスをスイングする。

 狙うはミノタウロスの膝裏。


 しっかりと膝裏にメイスが直撃し、ミノタウロスの膝がガクンと曲がってよろめく。


「レイ、トドメは任せたぞ!」


 ミノタウロスはとっさに地面に手をついて体勢を立て直そうとする。

 そうはさせない、とマサキは地面についたミノタウロスの腕を切り裂いた。


 比較的細い手首が目の前に来たので、一撃で切断してみせた。

 地面についた手が切り落とされて、ミノタウロスは完全にバランスを崩す。


 一瞬斬られた腕で体を支えようとしたものの、手首の切断面が触れた瞬間に激痛が走る。

 ミノタウロスは悲鳴のような声を上げながら倒れ、無防備に隙を晒す。


「えーいっ!」


 ミノタウロスは手をつけずに顔面から倒れ込む。

 舞い上がる土埃も気にせずにレイはミノタウロスと距離を詰めると、首を狙ってミニ光刃剣を振り下ろした。


 首を斬り落とすまではいかなかったけれども、喉を深く切り裂く。

 呼吸が漏れるようなわずかな声を出し、目を見開いてミノタウロスは首を押さえる。


 しかし手で押さえただけでは血も空気も漏れ出すことを止められない。


「ちょっとかわいそう……」


「安全のためには仕方ないからな」


 呼吸ができなくて弱っていくミノタウロスをマサキたちは眺める。

 苦しむところを見てやろうなんてつもりではない。


 首を斬られたのだから、このまま放置しておけば出血なり酸欠でミノタウロスは死ぬ。

 残虐な趣味はないのでトドメを刺してあげたいところだけど、不用意に近づいて最後の抵抗でもみせられたら厄介だ。


 時間もかかるし、多少心が痛むようなところもあるが、安全にミノタウロスが死ぬのを待った。


「やってみるか?」


「いいの?」


「いいぞ」


 マサキはイリーシャに袋を渡す。


「かいしゅー。おお〜」


 イリーシャが袋を近づけると、喉を押さえたまま死んだミノタウロスの死体が袋の中に吸い込まれていく。


「マサキさん、大丈夫ですか?」


 レイがマサキにタオルを渡す。

 マサキたちでも倒せる相手ではあるが、実際余裕があるというほどではなかった。


 一撃でも食らったら終わり。

 ミノタウロスの攻撃を引きつけることになったマサキは、たった一戦で汗だくになっていた。


 回帰前は自分にできることをしようと、敵を引きつけて回避するような役割を担っていたこともある。

 ただその時は役に立てるとアピールするのに必死だったし、あまり危険だと感じる心の余裕がなかった。


 今思うと、危ないことをしていたものだと反省する。


「適度に休憩挟みながら頑張っていくか……」


 実の力と試練の塔に入って強くなる前だったら、ミノタウロスの攻撃をかわしきれずに死んでいた。

 強い相手と戦うと、自分も強くなったのだなと実感が少し出てきた。


 意外と肉体的、精神的な消耗も激しいので、休みながら戦っていくしかないな、とマサキは冷たくなり始めた汗を拭きながら小さくため息をついたのだった。


 ーーーーー


「ダイチ君! 瞬間拘束! レイ!」


「はい! 光刃!」


 ミノタウロスの斧をかわしきれずにダイチが吹き飛ばされる。

 マサキは瞬間拘束でミノタウロスの動きを止め、レイが光刃でミノタウロスを一気に真っ二つに切り裂く。


 瞬間拘束、光刃といざという時にミノタウロスを倒してしまう手段を持っているのもマサキたちの強みである。


「大丈夫かい?」


「うぅ……はい」


 かわしきれなかったものの、直接斧で斬られたわけじゃない。

 代わりに盾で受けた。


 盾に大きなへこみができてしまったが、ダイチは無事だった。

 腕の痛みと転がった時にできた擦り傷なんかはあっても、大事には至らなかった。


「これで六体……一旦引くか」


「そうですね。結構私も疲れました」


 油断ならない戦いが続いていた。

 マサキが比較的多めに敵を引きつけるようにしていたが、レイやダイチも頑張る時はあった。


 体が重たく感じるような疲労が出てきている。

 動きが悪くなると危ないので、早めに撤退することにした。


「交換用の袋も用意してくれていたけど、ちょっと無理そうだな」


 亜空間魔法の収納袋はだいぶずっしりしてきている。

 マサキたちがハイペースでミノタウロスを倒した時用にもう一つ袋を用意して、攻略をすぐに継続できるようにしてくれていたが、ちょっと袋を交換してまたミノタウロス討伐を続けるのは難しい。

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