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【第二章完結】神様、あなたの推しを配信します~ダンジョンの中を配信するので俺にも世界を救えるように投げ銭ください~  作者: 犬型大
第三章

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ツヤツヤお肌5

「…………どうやら当たりどころが悪かったみたいだな」


 マサキがミノタウロスの顔を覗き込む。

 白目を剥いて、舌を出したミノタウロスはどう見ても死んでいた。


 ダイチの一撃、ではなくイリーシャの一撃がミノタウロスの頭深くに刺さり、そのまま倒してしまったようだ。


「えっへん」


 イリーシャは誇らしげに胸を張る。


「楽にいきましたね」


「良い魔法だったぞ」


 たまたまではあるものの、それでも上手くいったのだからそれでいい。

 イリーシャが頭を差し出してきたので、マサキはイリーシャの頭を撫でてやる。


 目を細めて嬉しそうにするイリーシャを見ていると、小さい動物のようにも見えるのだった。


「……これ、本当に入るんですか?」


 イリーシャのおかげでミノタウロスもこれ以上ないほど綺麗な死体で手に入った。

 今はミノタウロスの死体を持ち帰るところまでが仕事である。


 普通なら解体して持っていくとか、力のある覚醒者がいるなら引きずっていくとか、工夫を凝らしながら持っていく必要がある。

 ただ今回、マサキには亜空間魔法の収納袋があった。


 袋の中は魔法で広い空間になっていて、大きなものでも入る。

 けれどもミノタウロスはあまりに大きく、袋の口には頭のツノの先ぐらいしか入らない。


 どうやったら袋の中にミノタウロスを入れられるのか、ダイチにはイメージができなかった。


「難しいことはないよ」


 マサキは袋を取り出して、軽く口を開いてミノタウロスに近づける。


「これを入れるって思いながら近づければそれでいいんだ」


「わっ!?」


「吸い込まれた……」


「本当に入っちゃった」


 袋の口を近づけると、ミノタウロスの大きな体が袋の中にギュンと吸い込まれてしまった。

 なんとも摩訶不思議な光景にマサキ以外の三人は驚きを隠せない。


「なっ、入ったろ?」


 マサキは袋を軽く揺らす。

 中に何か入っている感覚もなく、重さも変わらない。


 魔法の中でもかなり不思議なものであるかもしれないとマサキも感じる。


「どのぐらい入るのかは分からないけど……結構入りそうだ」


 容量が限界に近づくと、袋も重たくなってくるので分かる。

 まだ全然袋が重たくならないのでミノタウロス一体ぐらいなら余裕であるようだった。


「最初はラッキーだったな。次からしっかりと気を引き締めていくぞ」


 魔法が毎回頭に当たる保証もないし、氷を剣の形にするのはまだイリーシャの負担も大きい。

 威力高めの氷の剣が頭に突き刺さってしまったのは、あくまでも運が良かったからだ。


 これでミノタウロスが簡単に倒せると考えるのは危険である。

 ただ最低限のミノタウロスを確保はできた。


 綺麗に倒せた個体なので文句をつけられることもない。

 あとは少し気楽に戦うことができる。


「ちょうど次もいるな」


 離れたところにもう一体ミノタウロスがいる。

 良いタイミングである。


「今度は正面から戦おう」


 マサキたちは気づかれていないので、また後ろに回り込むこともできる。

 しかし体力的な余裕があるうちに、どんな相手なのかと知っておくことも大事なことである。


「正面から見ると結構な迫力がありますね」


 マサキたちに気づいたミノタウロスは、上を向いて雄叫びをあげる。

 改めて正対してみるとミノタウロスのムキムキの体は、かなりの威圧感をダイチに与えていた。


 ミノタウロスはどこから持ってきたのか謎の斧を、両手で振り上げる。

 天をつくほどに高く持ち上げた斧を一気に振り下ろす。


「やっぱり無理です!」


 受け切ることは無理だろうとダイチも分かっていた。

 だから盾で受けつつ力を上手く受け流せないか試そうと思っていたのだけど、振り下ろされる斧の圧力にダイチは横に跳ぶ。


 斧が地面をえぐり、小石が弾丸のように飛んでくる。


「ミニ光刃!」


 レイもさらなる技を見せる。

 光刃は一撃必殺の大技であり、連発できない弱点がある。


 しかし回帰前のレイだってただ光刃のみを放つマシーンではない。

 剣に魔力をまとって攻撃力を上げ、剣を保護するのは多くの人がやる。


 回帰前のレイは剣をまとう魔力を光刃に変え、剣そのものを小さい光刃化して戦っていた。

 マサキは回帰前のレイの戦い方を上手くアイデアを思いついたかのように伝えて、レイの戦いの幅を広げていた。


「てりゃー!」


 繊細な魔力コントロールを必要とするらしくて、ミニ光刃を扱うのにも苦労していた。

 ひとまず実戦でも使えるレベルにはなったので、レイはミニ光刃でミノタウロスの足を斬りつける。


 今レイが手にしているのは、試練の塔で手に入れた剣だ。

 意外とポイントを使って買った剣は、普通にお店で売っているものよりもはるかに質が良い。


 光刃をまとった刃は筋肉質なミノタウロスの太ももをスパッと斬り裂いた。


「レイ、頭を下げろ!」


「ひゃっ!?」


 決して浅くはない切り傷だったように見えたが、ミノタウロスはダメージを無視するように斧を真横に振りながら体を反転させる。

 マサキの声に反応したレイの頭の上ギリギリを斧が通り過ぎた。


「ダメージに対する反応は鈍めだ! 攻撃した後も油断するな!」


 ダメージを与えると相手が怯む。

 慣れてくるとこうした反応も織り込んで戦うようになる。


 しかしダメージに対し鈍い相手や全く気にしないようなことも時にはある。

 攻撃成功したから怯むだろう、と思い込むことも危険なのだった。

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