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英雄たちの物語 -The Hero's Fantasy-  作者: おおはしだいお
第4章 魔王復活~遥かなる旅へ
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第166話 今後に向けて

 魔王四天王の一人、イフリートこと激怒のジャークを倒すことができた僕たち。

 とりあえず、城の外に出ることにした。

 王都の街中はメチャクチャに破壊されており、ジャークがやったことは明白であった。


 また、ジャークの襲撃と同時に魔王軍の兵士たちも攻めて来たようで、味方に大きな被害が出た模様。

 ところが、魔王軍は何の前触れもなく突然撤退したという。

 ジャークが死んで不利になったと悟ったか。


 外ではエルトリア王国の住民たち、そしてニーナ王女が待っていた。


「ルナさん!? そのお姿は……」


 新しいルナの姿を見たニーナ王女は目を丸くした。


「えへへ、パワーアップしちゃいました♪」

「その姿は、まさしく英雄ルミナス様……! ああ、絵画で見たとおりの姿ですわ!」


 英雄ルミナスとは、はるか昔にエルトリア王国を滅亡の危機から救ったフォースター王国出身の女性冒険者のことである。

 ルミナスの絵は僕も見たことがあり、明るい茶髪に純白のビキニアーマーという格好が印象的であった。

 そして、左手に盾を持ち、右手に持った聖剣を天高く掲げている絵であった。

 今のルナは丁度、英雄ルミナスと同等の格好をおり、それに加えて天使の輪と翼が生えている。


「あの化け物を倒してきたのですね! ルナ、あなたはまさしく英雄ルミナス様の再来ですわ!」

「英雄様の再来だ……!」

「英雄ルナ様、万歳!!」


 ルナはニーナ王女やエルトリアの民から、英雄の再来と崇められた。


 その後、僕たちは玉座の間に呼び出された。

 そこには、ライズ王太子とエリーゼさん達がいた。


星の英雄たち(スター・ヒーローズ)の諸君、この度はエルトリア王国の危機を救ったこと、礼を言う」

「私からも礼を言わせてくれ。友好国を救ってくれてありがとう」

「礼には及びません。僕たちは魔王軍が攻めて来たら、戦うまでです。それで、皆さんはこれからどうするのです?」

「当然、私は亡き父に代わり、新たなる国王として国を率いるつもりだ」


 ライズは亡き父である国王に代わり、自分が新たなる国王としてエルトリア王国の再興に務めるそうだ。


「私達フォースター王国騎士団もエルトリア王国の復興を手助けする。友好国の窮地とあらば、黙って見過ごす訳にはいかないからな」

「私たちミネルバもお手伝いします。少しでも力になれれば幸いです」


 エリーゼさん達は、エルトリア王国の復興を手伝うと言う。


「ファイン殿、星の英雄たち(スター・ヒーローズ)はこれからどうするのだ?」

「僕たちは魔王討伐の旅を続けようと思います。戦いはまだ終わった訳ではありません」

「そうか。私たちには無事を祈ることしかできないが、健闘を祈る」

「ファインさん、これからも頑張ってください。いつかまたどこかで会いましょう」

「皆さん、ありがとうございます」


 エリーゼさんや、アリシアさんは僕たちにエールを贈ってくれた。


「セレーネティア殿下も、どうかこの先お気をつけて」

「ええ。あなたも頑張って」


 僕たちはエリーゼさん達と別れ、スペークスを出ることにした。


「次はどこへ行くの?」

「魔大陸へ行く」

「ついに魔王を倒しに行くのね?」

「そうだ。魔大陸はドラグーン大陸から南東の海にある。ティアを呼んで連れていってもらおう」

「オッケー」


 僕はでんでん太鼓を鳴らしてティアを呼んだ。

 数秒後に竜の姿のティアが空から飛んできた。


「おまたせ~」


 ティアは地上に降りると人間の姿に変身した。


「これから魔王を倒しに行く。僕たちを魔大陸に連れていってくれ」

「うーん、それはやめといた方がいいと思うよ?」

「あたしも反対ね」


 そう言って出てきたのは、聖剣の妖精エクスであった。


「やめといた方がいいって、なぜ?」

「そんなの決まっているじゃない。今のアンタ達は未熟なんだから、魔王に挑んだらアンタ達なんかイチコロよ!」

「そんな事言っている場合か? 一刻も早く魔王を倒しに行かないと……!」

「ボクもその妖精さんに賛成だね。キミたちがいくら強いとはいえ、魔王にはまだまだ敵わないから、行っても無駄足だと思う」

「そうか。ならこれからどうすればいい?」

「そんなの決まっているじゃない。修行して強くなるのよ!」


 エクスは修行して強くなり、魔王と戦えるだけの強さを会得するべきだと言う。

 確かに、今の僕たちは魔王と対抗するには力不足か。


「ところで、魔王アガレスが言っていた人類滅亡計画には【四宝玉】が必要不可欠みたいね。でもあの話を聞いた限りだと、その全てはまだ集まっていないみたい。魔王が四宝玉を全て集めるまでは、まだ猶予があるはずよ」

「そうは言っても、あまりゆっくりしていられないのもまた事実だ。それに、今回もこのエルトリア王国が魔王軍に襲われた。つまり、安心はできない訳だ」

「ええ、アンタの言うことも確かね」

「ところで、キミたちに伝えておきたいことがあるんだけど、北東の方角から邪悪な気配を感じるよ。ここからかなり遠くだけど、気配自体はかなり強いよ」


 ティアは北東の方から強い魔力を感じると言う。

 と言うことは、魔王がまた悪事を働いているというのか。


「北東というと、ルドラ王国か?」

「うん。たぶん強い魔物がルドラを襲っているんだと思う」

「きっと魔王がまた悪事を企んでいるのかもしれないわ!」

「もしそうだとしたら、間違いないな」

「丁度いいわ。ルドラ王国に行って修行しましょう!」

「行きましょう、ファイン。きっとルドラ王国の人々は助けを求めているわ!」

「わかった。ティア、僕たちをルドラ王国に連れて行ってくれ」

「任せて!」


 僕たちは、ティアにルドラ王国へ連れて行ってもらうことにした。

 ティアは再び竜に変身し、僕たちはその背中に乗った。


『みんな、しっかりつかまっててね! それじゃあ、いっくよ!』


 そう言うと、ティアは大空を猛スピードで飛んで行った。


 その後に聞いた話によると、ライズは前国王・バロンのこれまでの行動について調べたという。

 そこで、傭兵団や平民で構成された義勇兵たちを、王国騎士団に命じて捨て駒として使っていたということが判明。

 なお、バロンは騎士たちに賄賂を渡し、口封じをしていたという。

 その他、敵対していたゼオン帝国と裏で繋がり、自らの私利私欲のための利益を得るなど数々の汚職に手を染めていたことも明らかになった。

 ライズは傭兵たちを捨て駒にした騎士たちを汚職の罪で逮捕。

 彼らからは騎士の資格を剥奪し、一生奴隷として罪を償わせるという。


 ライズは新たなる国王として、エルトリア王国を立て直すことを決める。

 道は厳しいが、エルトリアは少しずつ前に向かって進むであろう。


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