表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄たちの物語 -The Hero's Fantasy-  作者: おおはしだいお
第4章 魔王復活~遥かなる旅へ
166/174

第165話 覚醒、そして……

 魔王四天王の一人である激怒のジャークが、エルトリア王国に攻めて来た。

 そして、ジャークはイフリートに変身し、現在はこれと交戦中。

 しかし、イフリートの纏う炎のオーラを前に、僕たちの攻撃は妨げられていた。

 すでに城内はボロボロであった。


「これでも食らえ!!」


 イフリートは、火炎爆弾(フレイムボム)を放つ。

 セレーネが結界(バリアー)で防御する。


「チクショー、オレたちの攻撃が通じないなんてよぉ! 一体どうすりゃあいいんだよ!?」


 僕はダメ元で、イフリートに向けて風斬刃(ウィンドブレイド)を放つ。

 すると、僅かだが炎のオーラに亀裂が入ったのが見えた。

 しかし、その亀裂はすぐに閉じた。

 もしかしたら……。


「どうやら、風の魔法で炎のオーラに僅かだが亀裂を入れることができるようだ。ルナ、僕が風斬刃(ウィンドブレイド)でヤツの炎に亀裂を入れる。その隙に君の氷の槍(アイス・ジャベリン)をぶち込め!」

「でも、炎の熱で溶けちゃうよ!?」

「最大の魔力を込めろ。そうすれば、君の魔力なら溶けないはずだ!」

「わかったわ!」


 僕はルナと連携して、イフリートに攻撃することにした。


風斬刃(ウィンドブレイド)!」


 まず、僕が手筈通りに風斬刃(ウィンドブレイド)を放つ。

 すると、イフリートが纏う炎に再び亀裂が入った。


「今だ! ルナ、やれ!!」

氷の槍(アイス・ジャベリン)!」


 僕の合図で、ルナが氷の槍(アイス・ジャベリン)をイフリートに向けて放った。

 しかし、炎の熱で槍が徐々に溶けはじめた。


「いっけええええええええっ!!」


 ルナの放った氷の槍(アイス・ジャベリン)は、なんとかイフリートの胴体に突き刺さる。


「グオオオオオオオオオッ!!! 下等なムシケラどもが……よ、よくも、このオレに……!!」


 大ダメージを受けたイフリートは激怒する。


「ここまでオレを怒らせたのは、テメェらが初めてだぜ。星の英雄たち(スター・ヒーローズ)、もうテメェらには容赦しねぇぜ!! インフェルノモード!!」


 激怒したイフリートの炎はさらに激しくなった。

 同時に、胴体の傷も塞がってしまった。

 こいつ、やはり再生するのか。


「こいつはヤバそうだぜ……!」

「これでお前らを容赦なく皆殺しにできるぜ。さあ、パワーアップしたオレの力、テメェらに存分に見せてやるぜ!!」


 イフリートは火炎爆弾(フレイムボム)を六発撃ってきた。


結界(バリアー)!」


 セレーネが結界を張って防御する。

 火炎爆弾(フレイムボム)は大爆発を起こした。

 何とか防ぎきれたものの、結界にはヒビが入った。


「アトミックフレア!」


 イフリートは次に、アトミックフレアを放ってきた。

 炎の精霊サラマンダーの魔法だ。

 しかし、イフリートは精霊と契約せずとも、この魔法を使うことができるようだ。


「オレが防御するぜ、聖盾!」

「よせ、ヒューイ!!」


 ヒューイが盾で僕たちを庇った。

 僕はそんな彼を制止したが、すでに遅かった。


「ぐおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」


 ヒューイは大爆発を防御しきれずに、大ダメージを受けてしまった。


「ヒューイさん! 今回復を……!」


 ところが、ヒューイを回復しようとしたセレーネが、イフリートの火球ファイアボールを受けて負傷してしまった。


「きゃああああっ!!」

「ヒューイ! セレーネ!!」

「これで、後はお前ら二人だけだな」

「くそっ、風斬刃(ウィンドブレイド)!」


 僕は風斬刃(ウィンドブレイド)をイフリートに向けて放つ。

 しかし、炎のオーラには全く傷がつかなかった。


「くっ、やはりダメだ! さっきよりも、防御力が上がっている!」

「当然だろう! もはやお前らの攻撃など、一切効かないぜ!」


 イフリートはそう言うと、右手を前に出して次の攻撃を行おうとした。


「インフェルノ!!」


 激しい炎がこちらに迫ってきた。

 そこで、僕は急いで結界(バリアー)を張った。

 炎はなんとか防ぐことができた。

 しかし、イフリートが纏う炎のオーラを突破することはより困難になった。

 そのため、圧倒的な火力を誇るイフリートを前に、僕たちは防戦一方となった。


「さあ、ここらで引導を渡してやろう!」


 そして、イフリートは口から激しい炎を吐き出した。


「うおおおおッ!?」


 僕はエクスカリバーを前に構え、せめてもの防御を行った。

 すると、炎が聖剣の宝石に吸い込まれた。


「なにぃ!?」

「一体、何が起きたんだ?」

「それはあたしのお陰ね!」

「誰だ!?」


 声がして、僕は辺りを見回した。


「ちょっと、どこ見てんのよ? こっちよ、こっち!」


 上を見ると、金髪ポニーテールの小さな妖精がそこにいた。


「妖精!?」

「えっ、なになに? あっ、かわいい妖精さん!」

「あたしはエクスカリバーよ。見ての通り、聖剣に宿る妖精よ。ようやく出ることができたわ。やっぱり、あたしの見込み通りだったわ。アンタを選んで正解ね!」

「僕を選んだ?」


 妖精の言葉に、僕は引っ掛かった。


「ええ、そうよ。アンタを見たとき、何て言うか、ビビッと来たのよ! アンタなら、あたしの力を存分に使いこなせるってね」

「なるほど、道理で僕にしか聖剣は抜けなかった訳だ」

「ええ、そうよ。そこのデカイのはともかくとして、そっちの女騎士のほうも、いろんな意味でまだまだ未熟ね」

「そんなぁ……」

「そういうワケで、ファインを選んだってワケ。あっ、そうそう。あたしの事は【エクス】って呼んでね! あんたのお陰であたしも成長できたみたいね。感謝するわ。そのお礼と言っては何だけど、成長したあたしの力を使えば、アイツと対等に戦えるはずよ。とはいえ、あたしもまだ本調子じゃないから、過信は禁物よ!」


 エクスと名乗る彼女は、聖剣に宿る妖精だという。

 

「おしゃべりはそこまでだぜ。いずれにせよ、お前らにはもう勝ち目はねぇぜ!」

「さあ、ファイン! あたしの力を使って!」

「わかった。風斬刃(ウィンドブレイド)!」


 僕はパワーアップした聖剣の力を使い、もう一度剣技を放つ。

 風の刃は炎のオーラを貫通し、イフリートに到達した。


「グオオオオオオオオオッ!!」


 今の叫び声から察するに、イフリートにダメージを与えることが出来たようだ。

 それに加えて、炎のオーラは先程よりも弱まった。


「すごい、一撃でダメージを……」

「やったわ! やっぱりあたしの見込んだ通り、アンタは凄いヤツね!」

「よくも……よくもこのオレにィーッ!! もう許さねぇッ!!」


 イフリートはプロミネンスを放った。


「ファイン、聖剣をかざして防御するのよ!」

「ああ!」


 僕はエクスに言われた通り、聖剣を前に出して防御した。

 聖剣にはめ込まれた赤い宝石が、プロミネンスの炎を吸収した。


氷結剣アイスブランド!」


 僕は聖剣を振り下ろして剣技を放った。

 氷の刃がイフリートを襲う。


「グオオオオオオオオッ!!」


 イフリートは苦しそうな叫び声をあげた。

 効果は抜群だ。


「今よ! アイツにトドメを刺すのよ!」

「ああ!」


 僕は聖剣を天高く掲げた。

 天井付近に雷雲が現れた。


稲妻斬撃サンダースラッシュ!」


 雷雲から、巨大な稲妻の剣がイフリートを直撃した。

 激しい稲光により、一瞬視界が遮られた。

 ところが、イフリートはまだ生きていた。

 それどころか、今の攻撃でダメージを受けた素振りは見せていない。


「なにッ!?」

「そんな! あたしの力を最大限使ったのに、どうして!?」


 よく見ると、イフリートは炎のオーラを復活させて防御していた。

 そして、今までの攻撃による傷もすでに回復していた。


「お前ら……今の攻撃で本当にオレを倒せると思っていたのか? 残念だったな。そんな訳ねぇだろうがッ!!」


 イフリートはそう言うと、口から炎のブレスを吐いた。

 ルナは僕を庇い、激しい炎に飲み込まれた。


「ルナ!!」


 ところが、彼女はやられていなかった。


「エンジェルフォーム、解放(リミットオフ)!」


 ルナの服装は純白のビキニアーマーに変わり、開放的な格好となった。

 髪は金色がかった明るい茶色になり、髪型もウェーブのかかったロングヘアーに変わっていた。

 また、背中には天使の翼を生やしており、頭上には輪っかも出ている。

 そして、神々しい程に光輝くオーラを纏っていた。


「ルナ、その姿は……!?」

「よくわかんないけど、私の新しい力みたい! 力がみなぎってくるわ!」

「おしゃべりはそこまでだ。これで終わりにしてやる! インフェルノ!」


 イフリートはインフェルノを放った。


天使の結界(エンジェル・バリアー)!」


 ルナは翼から無数の羽を散らした。

 そして、イフリートの放った炎を完全に防御した。


「なにぃ!?」


 イフリートは予想外の出来事に驚愕していた。


「すごい……イフリートの炎を完全に防御したぞ!」

「まだだ! 今度こそ、コイツでトドメを刺してやるぜ!!」


 イフリートは次なる攻撃を仕掛けようとしていた。

 そんなイフリートをよそに、ルナは周囲に展開していた天使の羽をイフリートに向けて発射した。


天使の羽(エンジェル・フェザー)!」

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」


 イフリートはけたたましい断末魔の悲鳴をあげ、瞬く間に浄化された。

 これで、ついに魔王四天王の一人である激怒のジャークを倒すことに成功した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ