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英雄たちの物語 -The Hero's Fantasy-  作者: おおはしだいお
第4章 魔王復活~遥かなる旅へ
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第163話 激怒の襲撃

 ファインたちは独断行動を取ったことにより、ライズから国家反逆罪で逮捕される。

 その後、エルトリア軍一行は王都に帰還した。

 星の英雄たち(スター・ヒーローズ)のメンバーは牢屋に閉じ込められた。


「後日、君たちを裁判にかける。それまではこの地下牢にて大人しくしているのだな。ちなみに、この牢には脱走防止用の魔法がかけられている。脱走をしようとは考えんことだな」


 ライズはファインたちにそう告げると、地下牢を後にした。


「みんな、すまない。僕のためにこんな目に遭うなんて……」

「気にしないで、ファイン。私たち、覚悟できていたから!」

「私も同様です」

「気にすんなよ、ファイン! 困ったときはお互い様だぜ!」

「そうか。みんな、ありがとう」

「どういたしまして!」


 その後、ライズは玉座の前へと足を運んだ。

 そこで、国王にして父親であるバロン・フォン・エルトリアに問う。


「父上、お聞きしたいことがあります」

「何だ?」

「単刀直入に聞きます。ゼオン帝国との戦いで、騎士団が傭兵団を捨て駒にしたと聞きました。その指示を出したのは、父上ですか?」

「そのような指示を出した覚えはない。もし本当に騎士団が傭兵団を捨て駒にしたと言うのならば、責任は騎士団長であるお前にあるのではないか? 余は常に我が国の事を(・・・・・・・・)第一に考えておる(・・・・・・・・)。お前はその事について、何か異を唱えるというのか?」

「いいえ」

「他に質問が無いと言うのならば、お前も騎士団を率い、国のことを第一に考えよ」

「はっ。失礼いたします」


 ライズは玉座の間を後にした。


「わかっている。俺は未来のエルトリア王国を継ぐ男だ。俺とて国民を第一に考えて行動しているさ」


 ライズは自分に言い聞かせるようにそう呟いた。


■■■■■


 その頃、魔王城にて。

 拘束室では、依然として激怒のジャークが拘束されていた。


「ファイン・セヴェンス……!! ウオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」


 ジャークは突然けたたましい雄叫びを上げる。

 そして、ジャークは力ずくで拘束魔法(バインド)を解いた。

 その両腕も即座に復元した。


「感じるぞ、ヤツの居場所が……ファイン・セヴェンスめ、今度こそヤツをぶっ殺してやる!! このオレをこんな目に合わせたヤツは絶対に許さん!!」


 ジャークはそう言って、魔王城を飛び出した。

 そして、飛行魔法で空を飛び、物凄いスピードでどこかへと向かった。


 それから数分後、玉座の間に魔族の兵士が一人、慌てた様子で入ってきた。


「魔王様! 緊急事態です!! 激怒のジャーク様が拘束を破り、魔王城を飛び出しました!!」

「わかっている。行き先はファイン・セヴェンスのもとか?」

「はっ、恐らくそうだと思われます!」

「チッ。ジャークめ、勝手な事を……私の計画に狂いが生じるではないか」


 魔王は少しばかりの苛立ちを見せた。

 その横には、妖艶のフウンが立っている。


「ウフフ、こうなる事は予想できてたんじゃないの? 魔王様♥」

「まあよい、後の事はヤツに任せる。それから、一千の兵を集めろ。ジャークの出撃に乗じて、私の転移門(ゲート)で敵地に送り込む」

「はっ、仰せのままに!」


 魔王に対し、兵士は敬礼すると玉座の間を出て行った。


「それじゃあ魔王様、アタイは引き続きサガ大陸の侵略を続けるわよ♥」

「ああ。頼むぞ、フウン」


 妖艶のフウンは転移ワープで玉座の間から消え去った。


(クックックッ、ジャークもいよいよ潮時だな。暴走したヤツは、最早俺の手では抑えられん。だが、俺の捨て駒を始末する手間が省けるというもの。あるいは、星の英雄たち(スター・ヒーローズ)を倒してくるか。どちらにせよ、俺の最終的な目的は変わらぬ)


 魔王城を飛び出した激怒のジャークは、飛行魔法を使い超高速かつ一直線に飛んでいく。

 そんなジャークのもとに、魔王から通信が入った。


『ジャークよ。星の英雄たち(スター・ヒーローズ)は今、エルトリア王国の王都にいる。思う存分に暴れてくるがいい!』

「待ってろよ、ファイン・セヴェンス! テメェはこの激怒のジャークが必ずぶっ殺してやるぜ!!」


 ジャークは魔王の言葉に構わず、飛行を続ける。

 目標はエルトリア王国の王都である。

 自身を傷つけたファインに対して復讐しようというのだ。


 そして、エルトリア王都では突如強い衝撃と共に瓦礫が吹き飛んだ。


「な、何だ!?」


 当然、街中の人々はその光景に驚いていた。

 魔王城を出てからたったの一時間足らずで、ジャークはエルトリア王都に到着した。

 そして、ジャークはすぐに魔法で攻撃を開始した。


「ファイン・セヴェンス……ウオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」


 ジャークは口から光線のようなものを吐き出す。

 攻撃は近くにあった建物に着弾した。


「うわああああああああああああああッ!!!」


 王都に住んでいる人々は一斉に逃げ出す。

 ジャークは王都にて暴れまわった。

 街は破壊され、多くの人々が犠牲になった。


「ファイン・セヴェンス! どこだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」


 ジャークはファインの魔力を感じるものの、正確な居場所までは掴めなかった。

 そのため、街中で暴れまわり、無差別攻撃をかけた。

 王都の建物は次々に破壊され、街中メチャクチャになった。


 王都で警護していたエルトリア軍の兵士たちは、ジャークに対して一斉に応戦し出す。


「ザコ共が、引っ込んでいろ!!」


 ジャークは炎魔法を放ち、兵士たちを一気になぎ倒す。


「「うわああああああああああああああ!!!」」


 ジャークの圧倒的な力量差を前に、兵士たちはなすすべがなかった。


 ジャークが王都に到着してからしばらくして、上空に転移門が開いた。

 そこから、一千の魔族兵たちが竜に乗って現れた。


 偶然、街を警護していたエリーゼたちは直ちに応戦する。


「怯むな! 何としても死守するのだ!!」


 エリーゼは剣と盾を構え、エルトリア兵たちに発破をかける。

 そんな彼女のもとに、三体の魔族兵たちが接近する。


風斬刃(ウィンドブレイド)!」


 エリーゼの放った風の刃により、魔族兵たちの首が切断された。

 アリシアは三本の弓矢を構え、マルチショットを放つ。

 矢は魔族たちの眉間に刺さった。


 魔導弓(シューター)を構えるエリシアは、引き金に手を引いて弾を乱射した。

 光線状の弾は魔族たちに当たった。

 しかし、心臓や脳には直撃していないため、致命傷には至らなかった。


「くっ! こいつら、数が多すぎるわ!」


 そんなエリシアのもとに、背後から一体の魔族が接近する。

 しかし、エリーゼが盾でエリシアを守った。

 そして、ミーナが短剣で魔族の首を斬った。


「ドリルブラスト!」


 フランの必殺技で、魔族三体の心臓に風穴が空いた。

 魔族たちはこの攻撃によって絶命した。

 エルトリア兵たちは、魔王軍との戦いを続ける。


 そんな中、ライズは激怒のジャークに挑む。


「これ以上好きにはさせん! 今度は私が相手だ!」

「ザコが……テメェじゃ相手になんねぇよ!!」


 ジャークはそう言うと、口から炎を吐いた。

 一方のライズはひらりと身をかわし、剣を構えて前進した。


「うおおおおおおおおッ!!」


 ライズは雄叫びをあげながら、ジャークに向かって走った。

 そして、剣による斬撃を放つ。

 しかし、ライズの剣はジャークには届かなかった。


「これは……結界(バリアー)!?」

「つまらねぇな」


 ジャークはそう言うと、ライズに対して拳で反撃する。

 咄嗟に剣で受け止めるものの、ジャークの余りある力によりライズは吹き飛ばされた。


「ごふっ!!」


 ライズは口から血を吐き、瀕死の重傷を負ってしまう。

 そして、ジャークは背中から悪魔の羽を生やして空へ飛んだ。


「どこへ行く!?」


 ジャークは城に目をつけると、一気に城へと飛んでいく。


「まずいッ! あっちの方は……!!」


 瀕死のライズでは最早追い付けなかった。

 ジャークは壁を強引に破壊し、一気に場内へと入った。

 入った場所は玉座の間であった。

 そこには、国王バロンと王女ニーナがいた。

 そのほか、数名の近衛兵が警護していた。


「な、何者だ!?」


 兵士たちはすぐに警戒体勢に入る。

 しかし、ジャークは構わず攻撃を開始した。

 圧倒的な力を前に、近衛兵たちはなすすべもなくやられて行った。

 そして、ジャークは右手を前に出し、ニーナへ火球(ファイアボール)を放った。

 バロンは咄嗟に玉座から立ち上がり、ニーナを庇った。


「お父様!?」

「に、逃げろ……ニー……ナ……」


 バロンは血を吐き、その場に倒れた。


「お、お父様……!? いやああああああああああっ!!!!」


 ニーナは父・バロンの体を揺さぶるものの、反応はなかった。

 玉座の間には、ニーナの叫び声が響き渡る。

 国王バロンは殺されてしまった。

 しかし、ジャークは構わずニーナを標的にする。


「ニーナ殿下、お逃げください!」


 生き残った近衛兵たちが囮となった。

 ニーナはすぐに玉座の間から逃げ出した。

 しかし、兵士たちなすすべもなく、ジャークの攻撃を受けて死んでしまった。

 そして、ジャークはすぐにニーナの後を追った。


「誰か助けてっ!!」


 ジャークの魔の手から、逃げ惑うニーナ。

 一方、ファインたちは地下牢にてじっとしていた。


「外が騒がしいな。とりあえず脱出しよう」

「ここはオレに任せな! ふん! ぬおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!」


 ヒューイは鉄格子を両手で掴み、そのまま力任せに折り曲げた。

 ファインたちは地下牢を脱出し、城の一階に出た。

 そこで、激怒のジャークに襲われそうになっているニーナを発見した。

 ジャークは口から炎を吐いて攻撃した。

 炎の着弾寸前、セレーネが結界(バリアー)を張ってニーナを守った。


「お前は、激怒のジャーク!」

「ファイン・セヴェンス……ようやくお出ましか。会いたかったぜ」

「ここから先は、お前の好きにはさせないぞ。ジャーク!」


 牢屋を脱出したファインたちは、ついに激怒のジャークと対峙することになった。

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