真の赤い糸の力…発動!!!
お読みくださった皆様。
拙い『たぬきの恩返し』をここまでお付き合い下さり熱く御礼申し上げます。
本当に楽しくこの作品を書かせて頂きました。
まだ、他の作品も頑張って参ります。
また、何処かでお読みくだされば幸いです。
心より感謝を込めて…ちかず
ーある魔族の独白ー
我々は、必ずや勝利を収める。
そうでなくば、戦いなどやらぬ方がマシだ。
もちろん、巨人族で撤退を余儀なくされたゴミは処分した。
あんなモノは、魔族では無い。
ふぅ、人間如きに負けるとは…、
しかし、奴はオカシナ事を言っていたな。
確か…パパラヌがどうのこうのと…。
フッ。
そんな戯言など忘れて今は蹂躪に専念せねば。
退屈凌ぎと言われた人間界への侵略は最終段階に入った。
妖精族の終わりを見学しようと、皆で出掛けようとしたその時!!
先遣隊が尻尾を巻いて戻って来たのだ。
「妖精族を救うモノあり。魔法使いとパパラヌなり」
こんな恥ずかしい報告など許されるはずもなく、全員が空の彼方へと飛んでゆく。
しかも、我らの王の覇気にやられただけだ。
王の覇気に当てられたモノは魔族と言えど無事に済まない。
「くだらん。
退屈凌ぎももうやめだ!!
総攻撃して帰るぞ!!!!
飽きたわ…」
怒気を含む言葉に弱い魔族などは、防御壁を張って辛うじて耐えていた。
うーむ。
消えたモノたちもいたか…ま、どうでもいいが。
その先の光景は、予測外のモノとなる。
荒野にしたはずの森が、前より美しく魔力も更に多く蓄えているではないか!!
それにだ。
目の前の人間?
マジで人間か??
まさか…王の怒りの一撃を見たこともない衣装で防いでいた。
金色のマントか?
ヒラリと躱されたと思えば首元の何かあたり一面に魔力のバリアが張られた!!
しかし、それが悪かったのだ。
まさかの我が王が本気になったのだから。
恐らく、攻撃を避けられると思っていなかったのだろう。
王から強力な覇気が襲う。
この後一堂
それを背負って立つ奴らが哀れになる。
一瞬で灰になる…だけだろうに。
あまりの展開の早さに我らは後ろへ後退しつつその様を見学するに留めた。邪魔をすれば我が身が危うい。
『我を怒らせる輩がこの世におるとは。長く生きてみるモノだな…喰らえ!!!』
まるで全てを舐めるように、焔が辺りを埋め尽くす。『煉獄の焔』はまだ、前座。
次はアレだな…ん?
「オヤジ!!
さすがだな。袈裟は嫉妬を躱すには一番!!
ほら、闘牛士の様で押しかけ嫁も一目惚れだぞーー!!」
何故…だ。
『煉獄の焔』は、一緒で大地を灰に帰す火魔法最大のモノ。
人間如きに避けられるハズも…
『凍土の大地』『毒の絶壁』『斬刹の竜巻』
。。。
次々と繰り広げられる技にこの世界を焦土とする気だと我らも焦りを覚えた。
コレでは、被害が我らにも及ぶと思えたのだが…コレは?
ーたぬき視点ー
オヤジってばマジになってる?!
そんなにカリカリしなくても…いや。
そんなに嫁を護りたいと望むのならば、今こそ恩返し最大のチャンスだ!!
ふふふ。
相手を諦めさせる手がちゃんとあるし!!
前に城で拾った光る石!!
集めて作りましたよ…『魔法の鏡』
真実の姿。
それは嫉妬に駆られた醜いモノだろ?
それを押し寄せたライバル達に使えば。。。
あ!!!
でも、次から次へと押し寄せる魔法にオヤジも疲れが見えてる?!
温泉の元を入れたお風呂に入れたいけど、暇ないし…うーん。。
ん?
土壁???
突然出来た土壁に驚いていたら、あの時のコスプレーヤー?!
あ!!
次は頭に棒つけたコスプレーヤーも?
もう、大量にコスプレーヤーを呼んだのか?
そうか…もう招待状を出してたんだな。
オヤジの本気を俺は見た!!!!
じゃあ、たぬきの本気を見せるぞーー!!!
集まれ〜仲間たち。
演奏会の時間だぞーーーー!!!
鏡に真実の姿を暴かれ、心に染み入る演奏を聞かされライバル達がとうとう…。
全員、変化して可愛い女の子に?!
うぉ!!!
オヤジ…。
さぞや興奮して…ないなぁ。
ほら、ライバルはオヤジに惚れて偽巨乳よりも本格的に女子になったよ?
ーオヤジ視点ー
もう、忘れる事はないだろう。
が、忘れたい。。。
魔族との戦いに耐えれる我が装備は、タヌキのお陰で。
更に『真実の鏡』で攻撃全てを跳ね返して敵方が弱り出したのだ。
そこへ…だ。
ドワーフ。
鬼族。
魚人族等々…。
あの時城から逃れたモノ達が加勢に来てくれたのだ。
人間の俺…にだ。
口々に「恩返し」を繰り返す輩は、魔族へ向かって攻撃を仕掛け始めた。
やめろ!!
敵わないのに、無茶だーーー!!!!
叫び虚しく、敵方も総攻撃と押し寄せて来た…あ。。タヌキ?!
大量のパパラヌによる腹太鼓。
音が響くたびに、『真実の鏡』から光が放たれ辺りを埋め尽くす。
誰も一緒、目を閉じた。
それほど、眩しかったのだ。
だが目を開ければ衝撃の光景が!!!!
魔族の消滅。
いや、人間達の新たな誕生…か?
しかも、何故が女性へ??
戦いの終了だ。
呆気ない最後に、加勢に来た面々も唖然とするばかり。
タヌキだけが興奮していて「選り取りだ!!!」と叫んでいる。
もう。
言うしかない。
タヌキに真実を告げねば。
「タヌキ。
嫁は要らない。
お前だけでいいんだ…」
目をしっかり見つめて言えば、何故照れる??
つ、通じたのか??
「熱烈な愛の告白とは…。
オヤジの癖にやるな。
。。。
心が少年のオヤジには、まだ嫁は早いかぁ。」
ぶつぶつ言いながら、タヌキが「コレからも末長く宜しくお願いします」と手を掴んだその瞬間!!!!!
二人の手首に真っ赤な紐が見えた??
『真の赤い糸が発動された。
お前たちの真実の愛が勝利したのだ!!』
この声。聞いた気がする…。
わぁ!!!!!!
気づけば…家の前。
タヌキと手を繋いで…。
『ダラ』は?
カラ達は?
妖精族やドワーフ達は?
そして女性になった元魔族は?
「お帰り。
お前さん達の帰る場所だろ?ココは…」
師匠の出迎え。
「全世界に、あのシーンが流れたのだよ。
魔族の最後。そしてお前の熱い告白だよ。
幸せにおなり」
タヌキーーーー!!!!!
お前の仕業か?
まさかの全世界発信は?
タヌキはそんな俺に構わず、毛布へ一直線だ。そして。
「オヤジよ。
俺たちの家に帰れて良かったな」と。
。。。。。
そうだ。
タヌキとはこう言う奴だった。
ま、いいか。
俺たちが家族である事に変わりはないのだから。
「ただいま、タヌキ!!」万感の想いを込めてそう言えば。
「オヤジ!!
そろそろ名前をつけて呼んでくれ!!
いつまでも種族名じゃな?」
???
タヌキ…それが名前だぞ。
ーたぬき視点ー
無事家の毛布に包まれて、やっとホッとした。
急な展開だけど、オヤジだしな。
だけど、俺は今日こそ言ってやった。
種族名=名前じゃない!!と。
そしたら「タヌキ…それが名前だ」と。
ええーーーーー!!!!!
ぷっ。
オヤジのセンスってば!!!
『タヌキ』
いい名前かも…。
ま、俺もオヤジ呼びだしな。
オヤジ!!
これからも宜しくな!!




