カツテノキオク・Ⅱ
どれ程の時が経ったのか、少年が自ら名乗った『魔王』と言う呼称も、
彼ら・・・・・・『地の民』だけでは無く人間達の間にも広まっていた。
『地の民』と言うのは彼が呼んだ彼らの呼称であり、人間から
彼らは『魔族』とそう呼ばれている。
『魔王』である彼に助けられ彼が自分達の事を『地の民』と
呼ぶ事を知っている彼らからしてみれば『魔族』などと言うなどと言う呼び方は
最大級の侮辱でしか無く、それは次第に大陸中の彼らの間にも広がって行った。
いつしか彼の周りには多くの『地の民』が集まり、大きな一団となっていた。
彼らは人間が棄てた廃城を根城とし、魔術を持った人間の助力すら得て
空に浮かぶ巨城と化した。
時を同じくして、『魔王』の元に集った『地の民』により攻め込まれた
国の内の一つ、大陸『アルク』の大国『セントアジ―ル』において
『勇者』が召喚された。
異世界から召喚された『勇者』は少女であった。
彼女は剣技・魔術の双方で持って彼女の指南役とされた人物を簡単に越えた。
『アークガルド』の人と『魔族』との現状を知った彼女は間もなく旅に出た。
旅の供として数人が選抜され彼女の旅に付いていった。
彼女達は各地で『魔族』との闘いを経て更に強くなっていった。
最初の頃こそ、教えられた『魔族』通りの相手としか出会わなかった為、
『魔族』に対し怒りを覚えていた彼女だったが、ある時彼と出会った。
『魔王』と呼ばれる少年と。




