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星詠みのリアン  作者: 雨月 玲
第二部 失われた神殿
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第一話 天空への地図


 ルグランを出発して七日。

 リアンたちは王国北部の山岳地帯へ到着していた。

 目的地は天空都市ルミナス。

 第四の星核が眠るとされる伝説の都市だ。

 だが問題があった。

「見つからない」

 リアンが地図を広げながら言う。

「見事に見つからない」

 アルトもため息をついた。

「空に浮いてるんだから当たり前だろ」

「身も蓋もない」

 エリシアが呆れる。

 ノアは大量の資料を抱えながら歩いていた。

「文献によると、天空都市へは『天空神殿』を経由しなければなりません」

「その神殿はどこにあるの?」

「それが分かれば苦労しません」

 全員が黙った。

 相変わらずだった。


 その時。

 リアンの星導板が光り始めた。

「また?」

 三つの星核が共鳴している。

 淡い光が地図上へ現れる。

 その光は近くの山を示していた。

「こっちだ」

 リアンが歩き出す。

 仲間たちも続いた。

 しばらく進むと巨大な断崖へ辿り着く。

 だが行き止まりだった。

「何もないぞ」

 アルトが岩壁を叩く。

 硬い音。

 普通の崖に見える。

 しかし。

 リアンが近付くと紋章が光った。

 岩壁全体に古代文字が浮かび上がる。

「えっ!?」

 ノアが叫んだ。

「隠し遺跡です!」

 次の瞬間。

 轟音と共に岩壁が左右へ開き始める。

 その奥に現れたのは。

 巨大な神殿だった。

「天空神殿……」

 リアンが呟く。

 ついに目的地への入り口を発見したのだ。


 神殿内部は静寂に包まれていた。

 誰もいない。

 だが妙な気配がある。

 まるで誰かに見られているような感覚。

 エリシアも周囲を見回す。

「精霊たちが警戒してる」

「敵か?」

 アルトが剣に手をかける。

 その時だった。

 パチパチパチ。

 拍手が聞こえた。

 四人が振り向く。

 神殿上部の回廊。

 そこに一人の男が立っていた。

 銀髪。

 細身の体。

 不気味な笑み。

「久しぶりですね」

 レオスだった。

 リアンの表情が険しくなる。

「あなた……!」

「第三の星核以来ですね」

 レオスは笑う。

「今回は少し趣向を変えましょう」

 指を鳴らす。

 神殿全体が輝き始めた。

 巨大な魔法陣。

 床一面を覆う古代術式。

「まずい!」

 ノアが青ざめた。

「転送魔法です!」

 光が四人を包む。

「リアン!」

 アルトが叫ぶ。

 しかし手は届かない。

 視界が白く染まる。

 そして。

 仲間たちの姿が消えた。


 気が付くとリアンは一人だった。

「みんな!?」

 返事はない。

 知らない場所だった。

 白い石でできた回廊。

 窓の外には雲海が広がっている。

 遥か下に大地が見えた。

「ここは……」

 その時。

 背後から声がする。

『試練を始める』

 振り返る。

 誰もいない。

 しかし空間そのものが話しているようだった。

『天空神殿の継承試験』

『仲間を求めるか』

『力を求めるか』

『真実を求めるか』

 リアンの紋章が輝く。

『一つ選べ』

 空中に三つの扉が現れた。

 金の扉。

 銀の扉。

 蒼い扉。

 リアンは思わず息を呑む。

 仲間たちはどこにいるのか。

 この試練は何なのか。

 そして第四の星核はどこにあるのか。

 何も分からない。

 だが一つだけ確かだった。

 第二部の新たな試練が始まったのだ。

第一話了

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