憂鬱
どうもおはこんばんにちは!
海街真衣です!
11月ですね…!
私はマフラーを大切な人に買ってもらい、ホクホクしております(笑)
皆さんも体調に気をつけてください!
「いってきまーす。」
俺は宮崎俊輔。
海山高校に今年入学した。
サッカー部に入るはずが、あまりの弱さに幻滅して今、吹奏楽部にいる。
(はぁ…行きたくないなぁ…。)
正直ほとんど毎日憂鬱だ。
唯一普通の学校生活があるのが救いだ。
先輩も同輩もほとんど女子だし、そもそも一致する話題がない。
少なからず男子はいるけど、よく話すってわけでもない。
しかも俺はフルートパートだ。
俺以外に男子がいない。
毎日そうでは無いかもしれないけど、省かれているような気がする。
でも入ったからには、やり切らなきゃいけない。
憂鬱を押さえ込んで、朝練へ向かった。
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私は播由紀子。高1。
親がどうしても私をプロの奏者にしたいらしく、小学生の頃からサックスに触れさせられていた。
友達が遊んでいる時も、ずっとサックスを吹いていた。
みんなが友達の家で遊んでいる時、私はプロの奏者に会ったり、海外で名を馳せているバンドの演奏を聞いたり。
近くのおば様やお母さんたちからは羨望の目で見られるが、私はプロになるつもりはない。
音大付属の学校に行っていないのが、僅かな私の抵抗の成果だ。
音楽なんて、つまんないじゃん。
ただ座って、ぴーひゃら吹いているだけ。
「運動部よりも大変っ!吹部なめるな!」
とかいう投稿もSNSでよく見かける。
いやいや。運動部の方が大変に決まってるでしょ。
(あ、数学の課題やってない。)
また私は暗い考えに耽りながら学校へ向かう。
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「はい。今日も1日宜しくお願いします。」
先生達の朝礼が終わった。
俺は高2の数学を教えている。
嬉しいことに今日は模試の日だから、俺の役目はなしだ。
暇な時はいつも行く屋上へコーヒーを持って向かい、腰を下ろした。
古臭い高校生のようだが、高いところで風に当たると静かに考え事ができる。
「ふぅ…」
最近、吹奏楽部は何か悪い方向に進んでいる気がした。
1人1人のやる気や態度に差が見られるのだ。
もちろんそれぞれ個性もあるし、全く同じ出なければならない訳ではない。
しかし、部活に対する気持ちが揃わなければ、新人戦もアンサンブルコンテストも結果が出ないのは当然のこと。
(表沙汰になるまでは様子を見るか…)
譜読みの続きをするために職員室へ戻った。
放課後。
「今日からフルートには新しい基礎練をやってもらう。」
「何ですか?」
フルートパートリーダーの築比地 瑠奈が首をかしげて聞いてきた。
「ハーモニクスだ。」
ハーモニクスは、1つの運指で複数の音を出す練習だ。
曲で実践、という訳では無いが、狙って音を出すのにはなかなか難しい。
息のスピードや角度で音程や音がコロコロ変わってしまうからだ。
これをスムーズに出来るようになると早いパッセージや大きな跳躍があっても音程、ハーモニーを崩さずに音を変えることができる。
ハーモニクスの趣旨を伝えると、それぞれ納得したように頷いた。
「じゃあ頼むよ。少しずつでいいから、確実にできるようにしてくれ。」
((はい))
そう返事して準備室を出ていった。
「…はぁ…」
3年生がいなくなってまだ数日。
たった短い時間でここまで雰囲気が酷くなるとは思わなかった。
俺も一応教師だ。
集中して話を聞いているか、否かは見ただけで分かる。
特に俊輔。
顔の方向はこっちに向いていたが、目はどこか虚空を見つめていた。
3年生が去り、今まで見えなかった悪い所が全て浮き彫りになっていた。
「どうしたもんかな…」
家に帰り、大好きなりんごジュースを片手に1人夕御飯を食べていた。
もちろん俺は独身だ。
親には結婚しろしろうるさいが、きっと結婚することは無いだろう。
バラエティー番組を見ながら吹奏楽のことを考える。
最近少しずつ部活に行くことが憂鬱になってきた。
子どもっぽいが、どうも皆のギスギスした空気が苦手だった。
自分で作ったオムライスを頬張りながらため息をついた。
こんな時、他の学校の顧問の先生はどんなことをするんだろう。
無視を決め込むのか、介入するのか。
やる気の問題だってそうだ。
バカでかい声で叱責したってやる気なんて一欠片も出やしない。
(まー…なんとかなるか…)
そう思い、食器を片付けた。
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「ただーいまー。」
「おかーえりー。」
私は芦田 鈴羽。
ホルンパートの2年生。
父と母は仕事の都合上、海外に住んでいる。
だから私とお姉ちゃんの二人暮らしだ。
お姉ちゃんはとある有名な企業にて働いている。
私と違って出来る子だったから、特になにかすることも無くするっと内定をもらっていた。
「あれ、お姉ちゃん今日は早いね?」
「飲み会バックれたからねー。」
「えぇ、いーの?」
「いーのっ!」
お姉ちゃんは仕事外は本当に不真面目だ。
いつも私が朝起こしてるし、彼氏さんとのデートの服とかも私が選んでいる。
その間ずーっとうちでかっている猫と戯れている。
…可愛いと思っているのはないしょのこと。
「はいはい。夕飯食べたー?」
「まだー!」
「今作るから待ってて!」
「まてぇい!」
突然大きな声を出すものだから、体がびくっと反応してしまった。
「な、なに…?」
「今日の夕飯、お姉ちゃんに任せなさいっ!」
「…はぁ?」
「だーかーら、お姉ちゃんに任せてはやくお風呂に入った入った!」
「わっ!」
脱衣所に無理やり押し込められた私は今日の夕飯が炭になることを覚悟した。
衣服を脱ぐと、割れた腹筋が見えた。
「うっ…女の子としてこれはいいの…?」
少ししょんぼりしてお風呂へ入った。
湯船に浸かると、今日あったこと、嫌なこと優先で頭の中にふわふわ浮かんでくる。
最近、同じパートで同学年の紅音 桃華とチグハグしている。
(1年生の頃は、仲良かったのになぁ…)
ぼーっと頭の中を回っていたら、扉を叩く音が聞こえた。
「できたよーっ!はやくはやくっ!」
「はーいっ!」
急いで洗って、お姉ちゃんのいる居間へ飛び出た。
「わっ!鈴羽、なんで泣いてんの?」
「えっ?私、泣いてる?」
「うん、目、赤いし。」
「まじかぁ…」
自分自身涙を流したことに気付かなかった。
不安なことばかり考えていたからだろうか。
その時、お姉ちゃんの暖かい胸と腕が私を包んだ。
「だぁーいじょうぶだよ!何があったとか知らないけど、きっと鈴羽ならやれる!」
「…っ!うん!」
今度こそ本当に泣いてしまった。
そんな2人を、窓から除く星々が暖かく見守っていた。




