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転生したらレベルアップが止まらない  作者: とま坊
深淵迷宮編

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【第33話】迷宮実習

目立たず、騒がず、平穏に。 


それが、前世の記憶を持って異世界に転生した少年、ミナモ・アステルの目標だった。


しかし、日常生活を送るだけでレベルが上がり、十歳の適性鑑定では全職業適性あり。能力値も規格外だったミナモは、バーデンセリア学園に首席で入学することに。




さらに、幼なじみのダンマ、カミル、フォートと共に始まる学園生活。個性豊かな生徒たちや厳しい授業、実技訓練が待ち受ける中、ミナモの固有能力【日常成長】は、本人の意思に反して彼をどんどん強くしていく。


「頼むから、普通に成長させてくれ……!」


果たしてミナモは、憧れの平穏な学園生活を送れるのか?


これは、村人Bを目指す少年が、望まぬ成長と周囲の期待に振り回されながら、普通の日常を守ろうと奮闘する物語。

――翌日…


ミナモはいつも通り友人達と教室へ向かっていた。


「なぁミナモ、今日の授業って何だっけ?」


隣を歩くダンマが聞いてきた。


「午前は魔法学の授業だったと思うよ。

午後は実技じゃなかったかな…」


「そっか…

そろそろ実技も増えてくる頃だよな。」


「僕は実技の方が楽しみだけどね!」


フォートが嬉しそうに口を挟む。

魔法使いとしての適性を持つ彼にとって、

実際に魔法を使う授業は楽しみらしい。


「俺は剣術の授業が待ち遠しいな。

レオンとも一緒に練習できるし!」


カミルも笑顔で答えた。


「――皆、元気だね……」


ミナモは苦笑した。


友人達はそれぞれ自分の得意分野を伸ばそうと張り切っている。

ミナモも練習をのんびりと続けている。

折角、究極能力(アルティメットスキル)を入手したのだ。

少しくらいは使えるようになりたい。


そんなことを考えながら教室に入ると、

既に何人かの生徒が席についていた。


授業開始の鐘が鳴り教師が教室へ入ってくる。


「それでは授業を始めるぞー。

そして今日は皆に伝えておきたい事がある。」


いつもより少し改まった様子の教師に、

生徒たちは顔を上げた。


「近々、学外実習を行うことになった。

今回の実習場所は迷宮(ダンジョン)だ!」


「え、迷宮(ダンジョン)!?」


その言葉に、教室が一気にざわめいた。


「おいおい…

本物の迷宮(ダンジョン)に行けるのか!」


「魔物と戦えるの?楽しみ!!」


「どんな魔物がいるんだろうな……」


生徒たちの反応は様々だったが、

期待に満ちた声が多い。


一方、ミナモは少しだけ眉を寄せた。


――迷宮(ダンジョン)か…

授業で行くなら安全対策はされていると思うけど大丈夫かな…


迷宮(ダンジョン)には魔物が出現する。

浅い階層であっても、

油断すれば怪我をする可能性は十分にある。


出来ることなら何事もなく終わってほしい…


「静かにしろ!まだ説明は終わっていない。」


教師が声を張ると、

生徒たちは徐々に口を閉じた。


「今回の実習では迷宮(ダンジョン)で活動する為に必要な基礎知識と判断力を身につけてもらう。単に魔物を倒す事が目的ではないからな!」


教師は教室を見渡しながら説明を続けた。


「実習で学んで欲しい事は五つある!」


「まず一つ目!

魔物の特徴と行動の観察だ。

迷宮(ダンジョン)には様々な種類の魔物が生息している。

それぞれ外見や習性、攻撃方法が異なり弱点も違うのは座学で勉強しただろう!

相手の特徴を知らずに戦えば、

思わぬ危険を招くことになるからな!」


「二つ目は魔物との戦闘方法だ。

相手との距離を保ち、動きを見極め、

自分達にとって有利な状況で戦う事を学ぶ。無理に攻撃する必要はないからな!

勝てない相手だと判断したら、

撤退することも重要だ!分かってるな!」


生徒たちは真剣な表情で話を聞いている。


「三つ目は、迷宮(ダンジョン)の探索方法だ。

通路の形状や分かれ道を確認し、

必要に応じて目印を残す。

魔物の痕跡や罠にも注意を払わなければならない。

道に迷えばそれだけで危険が増すからな!」


「四つ目は、班での連携だ。

前衛と後衛の役割を理解し、互いの位置や

状況を把握しながら行動してもらう!

周囲への警戒を怠らず、仲間と声を掛け合う事が大切だ!」


そして、教師は最後に少し声を強めた。


「そして最後!危険への対処だ。

魔物の群れに遭遇した場合や、

仲間が負傷した場合にどう行動するか…

状況に応じた判断が求められる。

どれほど強い者であっても、

迷宮(ダンジョン)の中では一瞬の油断が命取りになる。

『命大事に』肝に銘じておけよ!」


――ん?何か懐かしい響きだな…


「今回の実習では教師が複数同行し、

皆の安全を確保はする。

活動するのは浅い階層までだ。

強力な魔物と戦う必要もない。

だが、教師の指示に従い勝手な行動は絶対にするなよ!」


「先生ー、もし強い魔物が出てきたら

どうするんですか?」


生徒の一人が手を挙げて尋ねた。


「その場合は教師陣が対応する。

君たちは自分たちの安全を確保し、

指示に従って行動しろ!」


「はーい。分かりました!」


「また、実習では班を組んで行動する。

班分けや持ち物については後日説明するからそれまでは各自、授業で学んだ内容を復習しておくように!」


説明が終わると、

教室には再び小さな話し声が広がった。


「迷宮(ダンジョン)か…!楽しみだな!」


ダンマが目を輝かせている。


「僕もだ!

どんな魔物がいるのか気になるな!」


フォートも興奮を隠せない様子だった。


「俺は実際に戦えるかもしれないのか!

楽しみだ!」


カミルもやる気十分らしい。


「ミナモ、どう思う?」


レオンがこちらを向いて尋ねてきた。


「うーん、そうだな…

魔物の観察や探索の仕方を学べるのは、

良い経験になりそうだね。」


「だよな!

大会とは違って本物の魔物が相手になるんだ。良い経験にはなると思うぜ。」


レオンは楽しそうに笑った。


――本物の魔物、か…


ミナモは考える。


大会では相手が同年代の生徒だったため、

ある程度は状況を予測できた。

しかし魔物となれば話は別だろう。

種類によって動きも能力も違うし、

何をしてくるのか分からない相手もいる。


観察眼(アナライズ)があれば相手の動きを分析する助けにはなるだろう。

更に魔剣双流(デュアル・フロー)も実戦で役立つかもしれない。


ただ、実習で大切なのは魔物を倒す事だけではない。

仲間と協力し、周囲を警戒しながら安全に行動する事…

危険な状況では無理をせず、

引き返す判断も必要になる。


――臨機応変に対応しろって事だな…


「ミナモ、なんだか真剣な顔をしてるな…」


ダンマに声をかけられ、

ミナモは我に返った。


「いや、そりゃそうだろ。

もしかしたら死ぬ可能性もあるからな。」


「そうだな!俺達も頑張ろうぜ!」


友人たちの声を聞きながら、

ミナモは窓の外へ目を向けた。

迷宮(ダンジョン)実習…

学園に入ってから初めての

本格的な学外活動になる。


魔物の観察、探索、戦闘、

そして仲間との連携。学ぶ事は多そうだ。


そんなことを考えながら

ミナモは次の授業の準備を始めた。

読んでくださりありがとうございました。

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