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転生したらレベルアップが止まらない  作者: とま坊
学園入学編

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【第28話】新たな真実 

目立たず、騒がず、平穏に。 


それが、前世の記憶を持って異世界に転生した少年、ミナモ・アステルの目標だった。


しかし、日常生活を送るだけでレベルが上がり、十歳の適性鑑定では全職業適性あり。能力値も規格外だったミナモは、バーデンセリア学園に首席で入学することに。


さらに、幼なじみのダンマ、カミル、フォートと共に始まる学園生活。個性豊かな生徒たちや厳しい授業、実技訓練が待ち受ける中、ミナモの固有能力【日常成長】は、本人の意思に反して彼をどんどん強くしていく。


「頼むから、普通に成長させてくれ……!」


果たしてミナモは、憧れの平穏な学園生活を送れるのか?


これは、村人Bを目指す少年が、望まぬ成長と周囲の期待に振り回されながら、普通の日常を守ろうと奮闘する物語。

決勝戦を終えた会場には、

まだ興奮の余韻が残っていた。

観客席からはミナモの名前を呼ぶ声が聞こえる。

生徒や教師達も先程の決勝戦について熱心に語り合っている。


しばらくすると、闘技場の中央に設けられた壇上に学園長が姿を現した。


「…これより

新入生対抗武闘大会、表彰式を行う!」


――学園長の声が響き、観客席が静まる…


「準優勝、シェー・アストレア!」


名前を呼ばれたアストレアが壇上へ上がる。観客席から大きな拍手が送られた。


「幼い頃から磨いてきた剣術は実に見事なものだった。今後の成長が楽しみだな。」


「ありがとうございます!」


アストレアは頭を下げ、

学園長から表彰状と記念品を受け取った。


「優勝、ミナモ・アステル!」


――大きな拍手と歓声に包まれた…


ミナモは内心で溜息をつきながら壇上へ向かった。

出来ることならもう少し静かに終わって欲しかったのだが今更どうしようもない…


「ミナモ。

剣術だけでなく魔法も巧みに使い、

見事な戦いを見せてくれた。

特に決勝戦での戦い方は、我々教師陣にとっても大きな驚きだった。実に興味深い。」


学園長がそう告げると、

観客席から再び歓声が上がった。


「その力をこれからも磨き、

学園の生徒達に良い刺激を与えてくれることを期待している。」


「あ、ありがとうございます。」


ミナモは頭を下げ、表彰状と記念品を受け取った。


――「期待」か…


期待してもらえるのは有難いし嬉しい。

でもあまり期待されすぎると、

これからの学園生活が落ち着かなくなりそうだ。


そんなことを考えていると、

学園長が再び口を開いた。


「さて、表彰式は以上だが

その前に諸君に伝えておきたい事がある。」


生徒たちの視線が学園長に集まる。


「今年の夏も、

王都学園対抗戦が開催される予定だ。」


その言葉に会場がざわついた。


「――王都学園対抗戦……!」


「あっそうか。今年もそんな季節か。」


「他の学園には、

どんな生徒がいるんだろうな。」


期待に満ちた声が、あちこちから聞こえてくる。


「この国には、我がバーデンセリア学園を含め四つの学園があるのは知っているだろう。

王都学園対抗戦では、それぞれの学園から選ばれた代表者たちが集い競い合う、

「武」の対抗戦だ。」


学園長は一度言葉を切り、壇上に立つ二人へ視線を向けた。


「そして我が学園では毎年、

新入生対抗武闘大会の優勝者と準優勝者に、王都学園対抗戦へ出場してもらうことになっているのだ。」


――…ん?


ミナモは、その言葉を聞いて嫌な予感を覚えた。


「今年はミナモ・アステルとシェー・アストレアの二人が、我が学園の代表として出場することになる!」


会場が大きな歓声に包まれた。


「代表か…。頑張るしかないね。」


アストレアは目を輝かせ、

嬉しそうに拳を握った。


その様子を見て、学園長も満足そうに頷いた。


「うむ、その意気だ。

対抗戦は夏に開催される。

それまでにしっかりと準備をしておくように。

詳しい日程や規則については、後日改めて説明する!」


「はい!」


力強く返事をするアストレアの隣で、ミナモは複雑な表情を浮かべていた。


――え?毎年そういう決まりなの…?


つまり決勝に進出した時点で決まっていたのか。


今回の大会ですら、

これだけ注目を集めてしまったのだ。

四つの学園が参加する対抗戦となれば、

観客もさらに増えるだろう。


出来ればこれ以上目立つのは避けたい…

とは言っても今さら壇上で断るわけにもいかないな…


ミナモは何とか表情を取り繕い、

学園長に頭を下げた。


「……分かりました。」


こうして表彰式は終わり、新入生対抗武闘大会は幕を閉じた…


壇上を下りたミナモが観客席へ向かうと、

ダンマ、カミル、フォートの三人が待っていた。


「ミナモー!優勝おめでとう!」


真っ先に声をかけてきたのはダンマだ。


「決勝戦、凄かったな!

剣だけじゃなくて魔法まで使うなんて、

あんなの見たことねぇよ!」


「僕も驚いたよ。

アストレアの剣術は隙がほとんどなかったのにそれを崩して勝つなんてね…」


フォートも興奮した様子で話す。


「アストレアも相当な腕前だったな。

あの技術は見ていて勉強になったよ。」


カミルもうなずいた。


「ありがとう。

皆が応援してくれたおかげだよ。」


ミナモは笑顔で答えた。


「それにしても、王都学園対抗戦か…

もう既に楽しみだよ!」


「うん、俺も楽しみだ。

どこまで勝ち上がれるか楽しみだね!」


「他の学園に『魔術師』と『豪鬼』と呼ばれる生徒がいると聞いたことがあるけど出場するのかな…?」


フォートはすでに対抗戦に興味を持っているようだった。


「で、ミナモはどうなんだ?

他の学園の奴らと戦うの楽しみじゃないのか?」


ダンマに尋ねられ、

ミナモは少しだけ言葉に詰まった。


「まぁ、良い経験にはなると思うよ。」


――嘘ではない。

他の学園の生徒と戦えば、

自分の知らない技術や戦い方を学べるかもしれないからな…


ただ、それ以上に気になる事がある。


今回の大会ですら、

これだけ注目を集めてしまったのだ。

四つの学園が参加する対抗戦となれば、

更に大勢の人に見られることになるだろう。


出来ることなら静かに過ごしたいのだけれどね…


そんなミナモの心情など知るはずもなく、

ダンマたちは対抗戦の話で盛り上がっていた。


会場を出ようとしたとき、近くにいた観客たちの会話が耳に入ってくる。


「今年の王都学園対抗戦は楽しみだな。

ミナモとアストレアが出るんだろう?」


「決勝を見たろ?

剣術の天才と呼ばれるアストレアに勝ったんだ。他の学園の代表とどんな戦いをするのか気になるね。」


――もう対抗戦の話で持ちきりなのか…


夏まではまだ時間がある。

それまでに準備を整える必要があるのは分かっているが、せめて今くらいは大会のことを忘れるとしよう…


ミナモは友人たちとともに帰路についた。


優勝した喜びを味わう間もなく、

次の大会への出場が決まってしまった。


まぁ、ひとまず今は無事に大会を終えられたことを喜んでおこう。

そう自分に言い聞かせながら、ミナモは友人達と歩いていった…

読んでくださりありがとうございました。

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