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転生したらレベルアップが止まらない  作者: とま坊
学園入学編

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【第20話】新入生対抗武闘大会 

目立たず、騒がず、平穏に。


それが、前世の記憶を持って異世界に転生した少年、ミナモ・アステルの目標だった。


しかし、日常生活を送るだけでレベルが上がり、十歳の適性鑑定では全職業適性あり。能力値も規格外だったミナモは、バーデンセリア学園に首席で入学することに。


さらに、幼なじみのダンマ、カミル、フォートと共に始まる学園生活。個性豊かな生徒たちや厳しい授業、実技訓練が待ち受ける中、ミナモの固有能力【日常成長】は、本人の意思に反して彼をどんどん強くしていく。


「頼むから、普通に成長させてくれ……!」


果たしてミナモは、憧れの平穏な学園生活を送れるのか?


これは、村人Bを目指す少年が、望まぬ成長と周囲の期待に振り回されながら、普通の日常を守ろうと奮闘する物語。

大会当日。


朝、目を覚ました俺は、窓から差し込む光を眺めながら小さく息を吐いた。

――ついに大会の日が来てしまったらしい…


学園長から参加を頼まれてから一か月。

剣術や魔術の授業を受けたりと普段どおりの学園生活を送っていた。

その間にも【日常成長(ルーティン・グロウ)】によって経験値は溜まっていく。

気づけばレベルも35から40に上がっていた。


大会のために特別な訓練を積んできたわけではない。

剣と魔法を組み合わせる方法を試したり、

【観察眼(アナライズ)】の使い方を練習したりはしているが積極的に強くなろうとはしていない。


でも大会に参加する以上適当に戦うわけにもいかないだろう。

(相手にも失礼だしな…)


かといって、全力を出して周囲から注目されるのも避けたい。

それにどれだけ安全対策がされていても、

実際に剣を交える以上、怪我をする可能性はある。

俺だって、わざわざ痛い思いをしたくはないのだ。


できるだけ目立たず、自分も怪我をせずに終わらせる。

それが今の俺の目標だった。


「――まぁ、相手次第だな…」


考えていても答えは出ない。

俺は身支度を整え指定された大会会場へ向かうことにした。


学園の中央にある闘技場へ近づくにつれて、生徒たちの声が大きくなっていく。

会場の周囲には多くの新入生が集まり、

勝敗の予想をしたり、これまでの練習について話したりしている。


待機場は普段の授業で使う訓練場とは比べものにならないほど広い。

中央には試合用の舞台が設けられ、

その周囲を観客席が取り囲んでいる。新入生だけでなく、上級生や教職員の姿もあった。


――これだけ人が集まっていると、

どうやっても目立ってしまいそうだ…


俺はなるべく人の少ない場所を選び、

会場の様子を眺めながら開会を待った。


やがて、開始を告げる鐘が鳴り響いた。

ざわめきが少しずつ静まり、舞台の中央に一人の男性が姿を現す。


学園長だ。


「新入生、並びに上級生諸君…

本日は新入生対抗武闘大会に集まってくれてありがとう。」


学園長の声が闘技場全体に響く。

特別な魔道具でも使っているのか、

広い会場の後方にいてもはっきりと聞こえた。


「この大会は、日頃の鍛錬の成果を披露する場であると同時に、互いの実力を知り、

これからの成長につなげるための機会でもあるのだ。

勝敗だけにこだわるのではなく、

自分に何が出来るのか、

そして何が足りないのかを見つけてほしい。」


学園長は一度言葉を切り、

集まった新入生たちを見渡した。


「そして、試合では審判の指示に従うこと。危険な行為があった場合や、

戦闘続行が難しいと判断された場合は直ちに試合を止める。

諸君は実力を競うためにここにいるのだ。

その事を忘れるでない!」


その言葉を聞いて、俺は少しだけ安心した。


試合を止める仕組みがあるなら、

無茶をしなければ大丈夫だろう。

勿論、絶対に怪我をしないという保証はない。相手の実力を見極めながら、慎重に戦う必要はありそうだ。


「それでは、これより新入生対抗武闘大会の開始を宣言する!」


学園長の宣言と同時に、

会場から大きな歓声が上がった。


その後、教員によって大会の進行方法が説明された。試合は決められた組み合わせに従って行われ、審判の判断によって勝敗が決まる。細かな規則についても説明があったが、基本的には授業で行う模擬戦と大きく変わらないようだ。


やがて、対戦組み合わせが発表され始めた。


名前を呼ばれた新入生たちが、それぞれ緊張した表情で指定された場所へ移動していく。会場では、自分の対戦相手を確認する声や、友人を応援する声が飛び交っていた。


俺も掲示された組み合わせを確認する。


初戦の相手は、まだ知らない生徒だった。

名前とクラスは分かったが実力までは分からない。


【観察眼(アナライズ)】を使えば、相手のレベルや能力値を確認できるだろう。戦い方の癖を分析することも可能だ。

但し、今からわざわざ調べる必要はない。

相手の情報を知ったところで、実際に戦ってみなければ分からないこともある。


俺は対戦表から視線を外した。

さて、初戦までにできる準備はしておこう。


――そう言えば未使用ポイントがまだ残っていたな…


ステータス画面を呼び出すと、俺の目の前の空間に情報が表示される。

勿論この画面が見えているのは俺だけだ。


名前:ミナモ・アステル

年齢: 10歳

レベル 40

――――――――――――

体力  72 魔力  68

筋力  63 俊敏性 69

知力  78 器用さ 67


固有能力:【日常成長(ルーティン・グロウ)】【観察眼(アナライズ)】

未使用ポイント:102


「――折角だ、少しステータスに振っておくか…」


これまでポイントの使い道を決めかねていたこともあり、未使用ポイントはかなり残っていた。だが、今日は武闘大会だ。

自分が怪我をする可能性を少しでも減らす為にも、能力を強化しておいて損はないだろう。


俺は能力値を見比べた。


一つの能力に集中して振る方法もあるが、

今回はバランスよく強化しておこう。

剣術だけでなく魔法も使う可能性があるし、どんな相手と戦うことになるかも分からない。


そうして俺は、六つの能力値にそれぞれ10ポイントずつ振り分けた。


目の前の表示が更新される。


レベル 40


体力  82  魔力  78

筋力  73  俊敏性 79

知力  88】 器用さ 77


未使用ポイント:42


「よし、まぁこんなもんか…」


全体的に能力が上がった。

これなら、多少は余裕を持って戦えるだろう。


俺はステータス画面を閉じ、会場を見渡した。

既に最初の試合に向けた案内が始まっているみたいだ。


俺の初戦もそう遠くはない。


「――さて、どうなる事やら…」


小さく呟き、

俺は対戦相手の待機場所へ向かった。

読んでくださりありがとうございました。

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