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転生したらレベルアップが止まらない  作者: とま坊
学園入学編

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【第17話】初めての模擬戦で無双しちゃいました 

目立たず、騒がず、平穏に。


それが、前世の記憶を持って異世界に転生した少年、ミナモ・アステルの目標だった。


しかし、日常生活を送るだけでレベルが上がり、十歳の適性鑑定では全職業適性あり。能力値も規格外だったミナモは、バーデンセリア学園に首席で入学することに。


さらに、幼なじみのダンマ、カミル、フォートと共に始まる学園生活。個性豊かな生徒たちや厳しい授業、実技訓練が待ち受ける中、ミナモの固有能力【日常成長】は、本人の意思に反して彼をどんどん強くしていく。


「頼むから、普通に成長させてくれ……!」


果たしてミナモは、憧れの平穏な学園生活を送れるのか?


これは、村人Bを目指す少年が、望まぬ成長と周囲の期待に振り回されながら、普通の日常を守ろうと奮闘する物語。

―――入学してから一週間が経った…


学園での生活にも少しずつ慣れ始めいつもの三人に加えて、新しく話すようになったクラスメイトも増えてきた。

その中でもレオンはカミルと特に気が合ったようで二人で過ごしている姿をよく見かけるようになった。


そんなある日の剣術の授業で、先生が俺達を見渡しながら告げた。


「今日は模擬戦を行う!

一人ずつ前に出て戦ってもらうぞ!

勝敗だけではなく、剣の扱いや判断力も評価をしようと思う。気合入れろよぉお前ら!」


――ゴクリ…生徒たちの間に緊張が走る。


模擬戦かぁ…

授業の一環なら仕方ないが、出来ることなら目立たずに済ませたいなぁ…


先生の指示に従い俺達は順番に模擬戦を行っていった。

クラスメイトたちが見守る中、木剣を交える音が訓練場に鳴り響く。

剣の振り方も、間合いの取り方も人それぞれだ。カミルも剣術の適性を感じさせる動きを見せ、相手の攻撃を見極めながら反撃の機会を伺っていた。


やがて、俺の番がやってきた。


「ミナモ、レオン前に出ろ!

次はお前らだ!」


「よろしくな!ミナモ。」


「うん…よろしく。」


レオンと向かい合い、木剣を構える。

レオンにも剣術の適性があるようで、

その構えは凄く決まっている。

真剣な表情でこちらを見据える彼を前に、

俺も気を引き締める。


「よし、いいなぁ?では、始めぇ!!」


合図と同時に、レオンが踏み込んできた。

木剣がまっすぐ振り下ろされる。

俺は慌てず昔勇者ごっこで遊んだ時のように木剣を僅かに傾けて攻撃を受け流していく。力で押し返す必要はない。

相手の剣の軌道を少し変えるだけで十分だ。


レオンの体勢が崩れた。

その隙を逃さず一歩踏み込み、

木剣の切っ先を彼の胸元へ向けた。


「そこまでぇぇぇ!」


先生の声が響いた。


「勝負あり、勝者ミナモ!」


レオンは自分の胸元に向けられた木剣を見て、悔しそうに息を吐いた。


「はぁ…参った、俺の負けだぜ。

攻撃を流されたと思ったらあっという間に負けてたよ…」


「いやまぁ、たまたまだよ。」


「いや、完敗だな。次は負けねぇぜ!」


レオンはそう言い木剣を下ろした。

先生が俺のそばへ歩み寄ってきた。


「ミナモ、見事だったな!

無駄な力を使わず攻撃を逸らし、相手の隙を見逃さず勝負をつけた。

技術もその判断力も非常に良かったぞぉ!」


「あ、ありがとうございます…」


「レオンも悪くなかったんだがな…

まぁ相手が悪かったとでも言っておこうか。今の経験を次に生かせよ!」


先生はそれだけ告げると、次の組を呼んだ。


――はぁ、やっぱり目立ってしまった気がするなぁ…


模擬戦はその後も続いた。

カミルも落ち着いた剣さばきを見せ、

ほかのクラスメイト達もそれぞれの実力を発揮していた。


授業が終わり俺は木剣を片づけていると、


「ミナモ、さっきのの動き凄かったな!

今度一緒に練習しようぜ!?」


カミルが声をかけてきた。

隣にいたレオンも頷く。


「俺も頼みたい。

さっきの攻撃の逸らし方をもう少し詳しく知りたいんだよ。」


「ま、まぁ時間が合えばな…」


二人ともやる気があるらしい。

断る理由もないので俺は曖昧に返事をした。

(まぁ、練習するとレベルが上がりそうだが…)


クラスメイト達が教室へ戻っていく中、

俺も木剣を片づけ終えその場を離れようとした。


――その時だった…


目の前に文字が浮かび上がった。


『固有能力:【観察眼(アナライズ)】を獲得しました』


「――ん、何これ…?」


思わず足が止まる。

どうやら固有能力を入手してしまったらしい…まぁ、折角手に入れた能力だ。

確認せずに放っておくわけにもいかないな…


俺は人目につかない場所へ移動し、

目の前の表示に意識を向けた。


『固有能力:【観察眼(アナライズ)】』


『対象のレベル及びステータスを正確に把握出来る。

また対象の動きや行動を分析し、

戦闘における特徴や癖を見抜くことができる』


『また、対象の相手の固有能力に関する情報は取得出来ません』


「―――ふぅむ、なるほど……」


レベルや能力値を正確に確認出来る上、

相手の戦い方まで分析出来るらのか…

でも固有能力までは分からないのか。

それでも十分に便利な能力だと思う。

相手の強さを把握出来るだけでも戦い方は変わっていくだろうし相手の癖を見抜けるなら実践でも役に立つだろう。


―――まぁ、なるべく実践なんてもんはしたくないのだが…


勿論見ただけですべての攻撃を避けられるわけではない。

分析した情報をどう生かすかは結局自分次第ということか…


俺は表示を消し、しばらく考え込んだ。


【日常成長(ルーティン・グロウ)】に続いて、今度は【観察眼(アナライズ)】か…

便利な能力が増えるのはRPGの様なゲームでは嬉しい。でもこれはゲームじゃない。

俺は平穏な生活を送りたいだけなのだ。


――はぁ、やっぱり普通の学園生活って難しいなぁ…

俺は小さく溜息をつき皆が待つ教室へと戻っていったのであった…

読んでくださりありがとうございました。

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ではバイバイ!

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