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第47話 アルティメットブレイジングコンプリートニュートリショナルフードスシドライバー④

前回のあらすじ:

スシドライバー3on3対決は一億二ポイント差で鳥路さんが勝った。


◆◆◆


 飛び散った轟さんの寿司の残骸はかき集められて美味しそうなちらし寿司になった。床にはしっかりラップが敷かれ衛生面にも考慮されており、こうなる事は最初から想定されていたようだ。


「ヤダヤダヤダ! こんなのスシドライバーじゃない! なんだよ太巻き三連続って!! 禁止だ禁止!! 運営は何やってんだよぉ!?」


 床で駄々をこねる轟さん。み、見苦しい……!

 鳥路さんは轟さんのちらし寿司を食べながら憐れむような目で轟さんを見ている。太巻き三個も食べたのによくお腹に入るなぁ。


「……結局何が目的だったの金星さん?」


 司先生がこの惨状の責任を金星さんに問う。


「鳥路さんに勝てそうな案を試しただけですわ。まぁ、結果はこのザマでしたが……それなりに面白いものを見せて貰えたので私的にはオールOKですわね!」


 金星さんは享楽主義者なところがある。スシバトル部と鳥路さんのスシバトルを見たいだけでここまでやる人だ、ある意味一番恐ろしい。


「それだけのために用意したの? これ」


 賀集さんの目線の先にはスシマシンと片付けられたレーン。この一発ネタのために用意したのかと思うと正気とは思えない。


「折角ならホビーとして面白そうなら商品企画に出しても良いとは思ったのですが、ちょっとルールに問題がありそうですわね。あと衛生面とコストも課題ね」


 金星さんのスシドライバー評に頷く鳥路さん。スシドライバーを陳腐化させたのは多分鳥路さんのせいなんだけど……言わなくても良いか。


「男の子ってこういうホビーが好きなのでしょう? 山本さんはどう思います?」


「え!? 俺!? そういうのは卒業してるんだけど……でもそうだなぁ、ぶつけ合って負けたらバラバラになる感じはホビー適性が高いような……バラバラになるのが寿司だから色んな意味でダメだけど」


 金星さんが相槌を打つと、隣のメイドさんがメモを取り始める。本気で商品化する気?


「鳥路さんはどうでしたの?」


「スシマシンに載せる寿司が重い方が絶対に勝つから重いスシマシンにデメリットを与えるとか、軽いスシマシンにメリットを与えないと今日みたいな事になる。カスタムできるのもほぼ寿司だけなのもイマイチ。そもそも寿司を載せても重さ以外で性能に差が出ないし、もっとこうフレーバーだけじゃなくて使う寿司ネタで効果が出るような変化が欲しい。根本的な話になるけど誰もが寿司を握れるわけじゃないから寿司の形をしたプラパーツとかで代用しても良いのかも。ただ、相手のスシマシンを破壊する楽しさはあるのでそこは変えない方が良いと思う」


 めっちゃ語る鳥路さん。

 金星さんもちょっと驚いてるじゃん。


「えっと……結構楽しんでましたの?」


「楽しんでない」


「そ、そう……」


 鳥路さんが何故こんなアホみたいなスシバトルでキレなかったのか……もしかして結構好きなのでは!? この手のホビー!! 

 そうか! シャコの時に身に付けていた鳥路さんのエプロンは確かドラゴンのやつだった! スッシーも一応首長竜でドラゴンみたいなものだし、鳥路さんが本当に好きなのはドラゴンとかのかっこいいやつでは!? ドラゴンは言わばホビーの代名詞! 思春期にドラゴンに触れるとすると漫画とかアニメと連動するホビー! 

 つ、繋がった! この名推理……この場で今すぐ口にしたい!


「ふっふっふ……私にはわかるぞ鳥路英莉! 君はその心に熱いスシドライバー魂を宿している! じゃなきゃ私が全敗するはずがない! それに初めてなのに的確に強いマシンを選出する知識……他のホビーを嗜んでいないと簡単には出てこないはずだ!」


 轟さんも俺と同じようなところに思考が着地したようだ。寿司も結構握れてたし、意外と実力者なのかもしれない。


「君は寿司同好会などに収まる人間じゃない! 私と一緒にスシバトル、いや、寿司ドライバーで全国を狙うべきだ!」


 あるのか全国大会。というかまだ流行ってすらいないだろ。

 ちゃっかりスシバトル部に勧誘してるし……油断できない子だな、轟さん。


 鳥路さんはゆっくりと轟さんの方に歩み寄り、両手で轟さんの肩を掴む。


「おお! わかってくれたか鳥路英莉! さぁ、共にスシドライバーで」


「二度と寿司《食べ物》で遊ぶな。わかったか?」


 鳥路さんの両手に力が込められ、轟さんの肩の肉に食い込む!

 やはりキレていた! スシドライバー勝負が終わった今、鳥路さんに残っているのは寿司を冒涜した奴への怒りのみ! 名推理を口にしなくて良かったな! 俺!


「いだだだだ!? 痛い痛い! 何!? なんで!?」


 鳥路さんの身体能力で握られた肩が痛くないはずもなく悲鳴を上げる轟さん!

 物凄い圧で轟さんを睨み続ける鳥路さん! 鬼気迫るという表現が一番似合っている! 正直怖い!


「わかったか?」


「ひゃ、ひゃい……」


 轟さんのスカートの奥から尊厳が破壊された音が聞こえた。



◇◇◇

アルティメットブレイジングコンプリートニュートリショナルフードスシドライバー おわり

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◇◇◇

こちらの作品はカクヨムからの転載版です。

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