↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傘から始まる恋物語  作者: 霊璽
79/93

特別編 ハロウィーン前編

 今日は10月31日。世の中ではハロウィーンと呼ばれる日だ。巷では仮装をした大勢の人々が街の車道を我が物顔で縦横無地に歩いている。そんな昨年の様子が朝のテレビで放送されていた。

 といっても平日の学生には何も関係ない事だ。もちろん仮装をして学校に来る阿呆はいるはずもなく、皆いつも通りの制服で登校していた。

 ただ少しでも気分を味わいたい生徒もいるようで目の下にコウモリのシールを貼ったり、指のネイルにオバケがついていたりと微々たる要素で楽しんでいた。まあ教師にバレてすぐに落としていたが。

 授業も教師が最初にハロウィーンの話題を出すくらいだった。気前のいい先生はお菓子をくれたりした。

 そして放課後。星乃との勉強会も今日はなく、すぐに学校を出て家ではなく駅前に向かう。一応孝也もこういうイベントを楽しむ方の人間だった。主に期間限定のお菓子をだが。

 駅に行けば多くの人が様々な仮装をしていた。吸血鬼やお化け、ジャックオランタンに最近流行っているアニメのキャラクターなど見ていてある意味面白いと感じた。

 秋になり、日が沈むのが早くなったことで肌寒くなってきた。特に駅前はビルなどの高い建物が多く、中々陽が当たるところがなかった。

 ポケットに両手を突っ込み早足で歩く。少しでも体を動かして暖めようとした。

 目的のケーキ屋に着くと陳列されているケーキを眺める。ハロウィーン限定のケーキが5種類。全て買った。

 店を出て自宅へ向かう孝也の足取りは軽く、無意識の内に笑みが溢れていた。

 30分ほどかけて家に着いた孝也は大事に運んできたケーキをいち早く冷蔵庫に入れようとする。しかし、昨日が休みだったこともあり調子に乗って自分で作ったホールケーキが冷蔵庫を圧迫していた。

 「はあ……。やってしまったな。流石に晩飯をケーキにするっていうのもなあ」

 まだ時間は17時より少し前。ケーキ屋の店員に入れてもらった保冷剤でなんとか1時間くらいは持ちそうだが……

 キッチンで腕を組み、どうするべきか悩んでいるとインターホンが家に鳴り響く。しかも嫌がらせのように何回も。

 「煩いな」

 一言呟くとリビングを出て玄関に向かい、ドアを開ける。そこにはテレビや駅前で見た格好をした人が目の前に立っていった。

 孝也は何も言わずにドアを閉めようとする。

 「ちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっと!」

 「待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て!」

 4人いるうちの2人が声を出しながら閉じられていくドアのノブを掴んで無理やり止められた。

 「なんだ。警察でも呼ばれたいのか? お前ら」

 仕方なくドアを開けた孝也は目の前にいる仮装をした4人に怪訝な目を向けながら問いかける。

 「流石にそれだけは勘弁してくれよ、孝也」

 晴翔は黒いタキシードにマント、そして笑った口から覗くには妙に長い犬歯。そして普段との印象を大きく変えているオールバックというヘアスタイル。多分吸血鬼の仮装をしているのだろう。

 「ヤッホー、たかちゃん」

 両手を顔の横に持ってきて軽く指を曲げてにゃーと言っている。何より白い猫耳と尻尾にチョーカーをつけている。対照的に晴翔と同じく黒をメインとしたワンピース。襟ぐりやお腹の辺りが一部レースになっている。完全に猫だ。

 「こんにちわ、三河さん。それとすみません……」

 頭を下げながら挨拶と謝罪を同時にする星乃。彼女の仮装は白のロング丈のシスター服だ所々に黒色が散りばめられている。彼女の清楚な雰囲気とよくあっており、本物と見間違うかと思うほどだ。

 「孝也くんごめんね〜。急に来ちゃって」

 帽子をクイっと上げて顔を見せながら謝る松原。彼女は紫を基調とした魔女の仮装らしい。わざわざ箒まで持ってきている。肩をしっかり出し網タイツを足に這わせ、所々レース素材できた彼女の衣装は少々露出が多い。

 松原と星乃は相変わらず謝ってくるが、彼女らはこのバカップルに無理やり付き合わされているだけだろう。晴翔と遙は全く悪びれもせずに満面の笑みを浮かべている。

 「まあ別に謝んなくていい。その面白格好を見せにきただけなんだろ? ならもう帰れ」

 呆れたような顔と後頭部を軽く掻きながら言う。面倒くさいので早く帰ってほしい、その思いが一心に出た言い方だった。

 「チッチッチ〜。たかちゃんは甘いなー。今日はなんの日か知らないの?」

 「ハロウィーンだろ。それぐらい知ってるが」

 その言葉を聞いた晴翔と遙がニヤリと不敵な笑みを浮かべる。そして遙が口を開いた。

 「はいじゃあみんな行くよ。せーのっ」

 「「「「トリックオアトリート!」」」」

特別編を読んでいただきありがとうございます。作者の霊璽です。

今回はハロウィーン編、そして前編です。後編は明日の夜ですかね。(ハロウィーン終わるじゃん!)

時期に合わせてこういうイベント回も少しずつ出していきましょうかねー

(好評だったらですが……)

それではまた次回、お会いしましょう

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。