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傘から始まる恋物語  作者: 霊璽
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第31話 秘密の女子会

 男子たちがいなくなったあとの女子達は休憩をしていた。しかし、3人は静まり返っていた。星乃に関しては休憩にしたのに勉強をしている。松原も流石に勉強はしていないが、何処か上の空でぼーっとしている。

 沈黙が嫌いな遙は誰も会話をしないことに痺れを切らして口を開いた。

 「ねえ、つまんないー! 2人とも休憩中なんだから何か話そうよ!」

 遙は駄々を捏ねる子供のように机の下で足をバタバタさせている。

 「そうですね。では花香さん何かお願いします」

 星乃が勉強の手を止め、少し考えると言い出しっぺの遥かに話題を振った。

 「え、私? そうだな〜 何がいいかな〜 うーん………あ、そうだ! 少し聞きたいんだけど2人はたかちゃんのことどう思ってるの?」

 突然の質問に星乃は目を丸くして驚き、松原は顔がみるみるうちに赤くなっていった。

 「あれ〜? 由紀ちゃんなんでそんなに顔が赤くなってるの?」

 遙に食い気味に聞かれた松原はすぐに顔を俯かせて、隠すように手で覆った。

 「……なんでもないよ! 気にしないで」

 どんな表情なのか見えないが恥ずかしがって叫んでいるが声が篭っていてイマイチ聞き取れない。そして松原は顔を覆ったまま石像のように固まってしまった。

 「あ、固まっちゃった……」

 隣に座っていた遙がツンツンと肩をつつきながら、ぼそっと呟く。

 「本当ですね。大丈夫でしょうか?」

 星乃も心配そうに見ている。遙が星乃の方に向き直ると笑顔で言う。

 「多分大丈夫だと思うよ〜、そ・れ・よ・り、星乃さんはたかちゃんのことどう思ってるの?」

 少し前のめりになりながら目を輝かせて聞く。松原が聞けずに終わってしまったので興味というの名の矛先が星乃に向いた。

 「三河さんのことですか? そうですね……優しい人、でしょうか」

 顎をそっと触りながら考える。そしてしばらく考えた結果、出した答えに遙は意味深な笑みを浮かべている。

 「へえ〜たかちゃんが優しいね〜」

 「違うんですか?」

 ニヤニヤしながら見つめてくる遙に首を傾げて問いかける。

 「まあ、たかちゃんが女子に優しいところなんて見たことないから、私はわかんないや」

 遙は机に突っ伏しながら返事をする。孝也とは中学からの仲だが、そんなところは一度も見たことがなかった。

 「花香さんには優しくないんですか?」

 ふと、疑問に思った星乃が遙に問いかけるとガッと勢いよく起き上がる。

 「優しいわけないじゃん! どっちかって言うと冷たいまであるよ!」

 ブーブーと言いながら孝也に対しての文句を言い始める。それを星乃は微笑みながら聞いている。

 「私も一つ聞いていいかな?」

 いつの間にか復活していた松原に揃って2人は振り向く。えへへ、と笑いながら後頭部を少し撫でている。

 「おはようございます、松原さん」

 「お、復活したんだね〜 それで、聞きたいことって?」

 ようやく会話ができるようになったので遙が好奇心を溢れさせている。松原は普段の笑顔を崩さすに聞いた。

 「2人はどこで知り合ったの?」

 その質問に遙は少し困っていた。松原の孝也に対する感情を先ほどの様子でなんとなく察していたからだ。しかし、気がついていない人が1人。そのもう1人の方が答えた。

 「三河さんを通じてです」

 星乃の言葉に絶句していた。

 「えっ…………嘘だよね? だってあの星乃さんと孝也くんになんの接点があるの?」

 松原は少し不機嫌になりながらも平静を保っている。それもそのはず、自分の好きな人の友達に学校で1番可愛いや美人と言われてる人がいたら複雑になる。

 松原の様子の変化に気がつかない星乃は考え込む。

 「接点ですか……まあ、いろいろありますね」

 「ちょっと、星乃さん。それは……」

 遙はかなり焦っていたが意外にも松原はいつも通りだった。

 「そうなんだ。ちょっと気になるな〜孝也くんと星乃さんが知り合ったきっかけ」

 それどころかとても興味津々になっていた。かなりの勢いに星乃も少し気圧されていた。

 「松原さん、少し落ち着いてください。そ、それよりも松原さんは三河さんのことどう思ってるんですか?」

 松原の勢いから逃げるために話題転換を図った。

 「わ、私!? 私は……」

 急に話を振られて再び頬を赤らめて吃ってしまう。その様子を見ている星乃は首を傾げる。遙は「やっぱりか」と声にはしないが頷いていた。

 「大丈夫ですか? また顔が赤くなってますよ」

 「えっ? あ、うん。大丈夫だよ!」

 声が上ずっていた。それが恥ずかしさに拍車をかけて松原は俯く。星乃もなんだかこれ以上聞くのも申し訳ないと思い、2人は黙ってしまった。遙はそんな2人を見て、やれやれと呆れている。

 「2人なら言っても問題ないかな……うん、大丈夫。」

 俯きながら何かを呟いていた松原は何かを決意した顔をあげる。

 「実はね、私。孝也くんのことが好きなの」

 顔を真っ赤にして、小声で弱々しく言う。それでも2人にはしっかりと聞こえていた。

 「そうなんですか!」

 突然の告白に星乃も珍しく声を大きくした。そして気がついていた遙は何も言わなかった。

 「あの、このことは誰にも言わないでね」

 両手で顔を押さえて頬の熱を取ろうとしている。

 「はい、もちろんです。松原さんの気持ちを尊重しますね」

 「もっちろん! やっぱりたかちゃんのこと好きだったんだね〜」

 頷いて約束する。

 遙がニヤついた顔で言うと再び赤くなっていた。

 「あうぅ……改めて言われると恥ずかしい」

 「あはは、由紀ちゃん。可愛いね〜」

 中年のおっさんみたいなことを言う。もはやそれにしか見えない。星乃は2人のやりとりを見て微笑んでいた。

 なんとかいつもの顔の色に戻った松原は真剣な表情だった。

 「それでね2人にもなんとか協力してほしいの」

 「いいよ〜」

 遙は即答だったが、星乃は返事ができなかった。

 彼女は自分には何が協力できるのか、わからなかった。それに孝也を取られるのは、嫌だと心のどこかで思っていた。

 なかなか返事をしない星乃に場の状況がどんどん気まずくなり始めていた。

 さっきとは打って変わって静まりかえっているとガラガラ、と音がした。3人が一斉に向くと男子組が楽しそうに話しながら戻ってきた。

31話を読んでいただきありがとうございます。作者の霊璽です。

更新が遅れてごめんなさい。メンタルがやられて全く手が進みませんでした。でも今日は大丈夫!

ということで今回はひたすら女子会をやってました〜

それではまた次回、お会いしましょう

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