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エンドレスエンド  作者: kaxali
戦線終結/千繕醜血
83/88

血か雨か

奇崎ダイゴ!大奮闘!

 日本軍には、ダイゴのためだけに設けられた1つの規則が存在する。


『奇崎ダイゴは、許可なく日本国内で銃火器を携帯してはならない』


 日本独立に大いに貢献したダイゴだが、それほどまでの力を有しているが故に、危険物のように扱われているのだ。


 つまり━━




「すまねェが、もう終わらせちまった」


 銃を手にしたダイゴを止められるものは、誰一人として存在しない。



 北野、倉木、小秋の放つ弾丸をダイゴは彼らの足元に飛び込むことで回避した。そして、血の池から拾い上げた雁屋の拳銃を壁に向かって1発だけ撃った。無論、魔力を込めて。

 弾丸に込められた魔力は一瞬遅れて貫通魔術が発動するよう設定されていた。魔術の発動していない弾丸は壁に、外灯に跳弾し3人に向かった。

 本来、跳弾により弾速は下がる。しかし、貫通魔術によって弾丸は強化され、跳弾する前と遜色ない、否、それ以上の貫通力となっていた。成人男性3人を貫通するほどに。


 こうして、ダイゴの放った1発の弾丸は、小秋の脳、倉木の喉、北野の心臓を突き抜け、ダイゴは放った反対側の壁に埋まり込んだ。

 北野と小秋は即死、倉木も喉から血を噴き出し、その場に崩れた。



「……はァ、もう後戻りはできねェな」


 部下たちだったものを尻目にダイゴは独り呟いた。

 目を瞑って大きく息を吐き、同時に感情を全て頭から追い出すと、ダイゴは物陰に隠れている腰の引けた兵士たちには目にもくれずにまばゆい光を放つ会議室へと駆けだした。




 道中、同志である反乱軍の死体を見かけても足を止めず、自身を狙う日本軍の兵士を遭遇しても全て銃口を向けられるより先に殺し、ダイゴはついに会議室の前まで辿り着いた。扉の前にも兵士がいたが、ダイゴの敵ではない。

 バン!と勢いよく扉を蹴とばすと、そこには目を疑う光景があった。


「……は?」


 軍の上層部が全員揃って、ワインの入ったグラスを片手に談笑していたのだ。

 扉から一歩外では、誰の血で出来たのかも分からない血だまりが出来ているというのに。

 返り血を拭っても拭ってもかかってくるから、拭うことをやめ、血まみれになっているというのに。


 その緊張感のなさに思わずダイゴは足を止めてしまった。

 その上層部の集団は部屋に現れたダイゴを見ると、ある者は称え、ある者はバツの悪そうな顔をし、ある者は静かに目を瞑った。

 その中心には、いつもの中年が座っており、ダイゴを見ると真っ先に近づいてきた。


「おや!やはりあんな有象無象じゃ君は止められないようだね!全く!そういえば一番最初に君の隊の者が君の元に行ったハズだけど、彼らはどうしたんだい?まさか殺したのかい!?すごいねぇ!自分の部下さえも手をかけちゃうなんて!!全くねぇ!!!」


 ダイゴの顔にツバが飛んでいることも構わず、煽るかのように大声でまくしたてると、スッとスーツのポケットに手を伸ばし、そこから拳銃を取り出し、ダイゴの額に突きつけた。


「随分と君は危険なようだ、全く」


 引き金に指をかけ、迷いなく引いた。


 上あごから上を弾けさせ、高級そうな毛足の長いカーペットにぶよぶよとした肉片をブチ撒ける。

 だが、それはダイゴのモノではない。中年のものだ。

 ダイゴが銃口を押し付けられた額を横に振ると、中年はいとも容易くバランスを崩し、思わず引き金を引いてしまった。弾丸は床に撃ち込まれ、当たらなかったことを察した中年は青ざめた表情でダイゴを見る。ダイゴは目が合った瞬間、渾身の力を込めて中年の頭部を殴り貫いた。


 顔を上げたダイゴは、人のものとは思えないような表情をしていた。



 そこからは凄惨だった。

 頭部を弾けさせた中年を見た上層部の1人が恐怖で叫びながら銃を撃つがダイゴはそれをかわし、ダイゴを後ろから攻撃しとうとしていた者に当たる。

 恐怖は一気に伝播し、先程まで笑っていた者は我先にと会議室から逃げようとし、そういった者からダイゴに殺される。

 逃げられないと悟った残りの者は徒党を組みダイゴに銃を乱射するが、全て避けられ、”なぜか”弾が上手い具合に跳弾した弾によって全身をハチの巣のようにされた。

 残ったのは、ダイゴが部屋に入ったとき、ワイングラスを持たず、目を瞑ったものだった。


「殺せ、ダイゴ。我々のやったことを考えれば、当然の報いだ」


 その者は、軍帽を被った、ダイゴ直属の上司だった。


 顔を見ることなく、ダイゴの拳は彼の胸を貫いた。



 ダイゴの周りにはもう誰もいなくなっていた。日本軍本部基地内にはまだ兵士は残っていたが、だれもその会議室に近づこうとはしない。

 ふと視線を上に移すと、今の戦闘で天井に穴が空き、雨が滴り落ちていた。

 ダイゴはその場から動かず、雨に打たれていた。

作中では明言しませんでしたけど、数多の戦場を潜り抜けてきた経験と努力によって、ダイゴさんは弾丸の軌道をミリ単位で予見することができます。それによってどこにどの角度で弾を撃ち込めばどう跳弾するのかも読めますし、それの応用で相手の銃の向きを体の動きなどで誘導することで弾丸をお返しすることもできます。会議室でやったのがまさにそれです。この章のプロローグでダイゴさんが敵陣に突っ込んでも生きていられたのはこの特技のおかげなんですね。とは言っても、四方八方から浴びせられる弾丸を来る場所が分かっているとはいえ避けるなんて他の人間にはとてもじゃないけどマネできませんね。そしてこれ書いてて思ったんですけどGGOの最初のほうで弾避けゲームで金を稼ぐキリトくんみたいですね

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