変化点、その3
なんか3日連続で午前中から起きてるので暇なんですよね、なので書いちゃいました。今後も続けていきたいですね
「奇崎隊長、なんでです?なんでこんなことに……!」
「雁屋、もうその人と話すな。もうその人は隊長じゃない、裏切者の奇崎ダイゴ、元中佐だ」
深夜1時、サイレンの鳴り響く日本軍本部、中央広場。そこで、ダイゴは雁屋と桂川に銃口を突きつけられていた。
時は12時間前に遡る。
「珍しいな薬師寺、こんな時間に集合かけるとは」
13時、前回と同じ廃ビルの一室に、反乱軍総長のダイゴ、副総長の薬師寺八丸、それから反乱軍の各部隊の隊長が集まっていた。
「すみません、でも急を要する案件だったので」
「あぁ気にすんな。で、その要件ってのは?」
薬師寺の案件というのが気になったダイゴは、急かすように彼に問う。
「……ついに、”子どもたち”から”おもちゃ”を拝借することに成功しました」
その台詞を聞いたダイゴ以外の者は思わず声を出してしまった。
彼らの言う”子どもたち”と”おもちゃ”というのは、察しの通り隠語であり、それぞれ”軍の上層部”と、その上層部が闇に葬った”数々の非人道的な行為の証拠”を指している。
説明が遅れたが、ダイゴを総長と呼ぶ彼らは、日本軍に反感、というより憎悪を抱え、現体制をひっくり返す貯めに集まった反乱軍だ。
この組織はダイゴが設立したのではなく、薬師寺が設立したものだ。ダイゴは加入した後に実力と人望によって2代目総長を任され、初代総長だった薬師寺は副総長に席に降りたのだった。
「つまり……始めるんだな、あの作戦を」
周りのざわつきが収まると、ダイゴは閉じていた目を開き、そう口にした。
「はい。3ヵ月前、総長が立案したあの作戦をついに始められますね。この日のために各員、念入りに準備してきましたからね、いつでもできますよ」
薬師寺のその言葉に、ダイゴはフッ、と小さく息を吐く。そしていつもと同じように、息とともに自身からポジティブな感情を追い出し、軍へのと憎悪と、自分への不甲斐なさに対する怒りだけで自らを満たす。
「そうか、なら11時間後、日付変更と共に作戦を開始する。シミュレーションは何度もしてきたんだ、今さら作戦内容の確認はいらないよな」
「もちろんです。みんなその言葉を待ち望んでいましたからね、時間だけ伝えれば完璧にこなしてくれますよ」
その後、最後の事前準備を済ませると解散した。ダイゴ以外のメンバーは何やら話をしていたが、ダイゴは興味を示さずその場を立ち去った。
そして作戦開始の一時間前、23時。ダイゴの自室の扉を何者かがノックした。だが、そのノックは部下たちしかやらない特殊なリズムのノックだった。
タイミングの悪さに苛立ちを覚えたが、表には出さずに扉を空けると、そこには北野が暗い表情で立っていた。
「どうしたんだ北野?俺に用があるから来たんだろ、そんなとこに立ってないで入れよ」
怪しまれないよう、いつも通り接するダイゴだったが、北野は部屋に入ろうとはしなかった。
いつもとは違う北野にダイゴは嫌な予感を覚え、自身の警戒レベルを1段階引き上げるが、変わらず接することにした。
「……ダイゴさん、1つだけ、質問に答えてください」
「……なんだよ」
ようやく口を開いた北野の言葉に、ダイゴの嫌な予感はほとんど確信に変わった。
「ダイゴさんは、俺たちに隠し事なんてしていませんよね?」
「ねェよ、お前たちには俺の趣味から、夜の趣味まで話したじゃねェか」
詰まることなく即答しながら、ダイゴは腕に魔力を込め、いつでも貫通魔術を使用できるよう準備していた。
「……そうですか、なら良かったです!実は軍に反旗を翻そうとしている者がいるようで、彼らはどうやら日付変更と共に作戦を開始するようです。なので30分後からその反乱軍の掃討作戦を始める、とのことです。まだ誰がその反乱軍なのかは分かっていないので信頼できる者に口頭でのみ伝えるよう。以上です」
北野は一気にまくしたてると、では、とダイゴの部屋から立ち去った。
北野が去ったの確認し、扉を閉めるとダイゴは顔に手をあて思考を巡らせた。
どこから漏れた?
誰が漏らした?
いや、今はそれよりもメンバーにこれを知らせねば。
今から全員を集めるのは危険すぎる。
端末で連絡するのは?
確実に傍受されるから今まで使ってこなかったんだろう。
俺が全員の待機場所に行って伝えるしかない。
現状の最善策を導き出すと、ダイゴは窓を開け飛び出した。
だが、ダイゴは致命的なミスを1つだけ冒してしまった。
部下の能力を考慮し忘れる、というミスを。
ダイゴの部屋の前、何もないハズの場所から北野の姿がすーっと現れた。
北野が獲得した魔術は、屈折魔術。あらゆるモノを屈折させる。当然、光を屈折させれば、自分の姿を見えなくすることもできる。
「……ダイゴさん、あなただけは信じてたんですよ、さっき自首してくれれば、殺さずに済んだのに」
そして、時は現在に戻る。
「なんでですか奇崎隊長!あの日、自分が軍のトップに立って自分自身の手で改革を起こすって、言ったじゃないですか!あの言葉は嘘だったんですか!?」
雁屋は震える手て拳銃を握りながら、ダイゴに向かって叫ぶ。
ダイゴは何も応えず、静かに自身に銃口を向ける雁屋と桂川を見つめる。
「……一応、元上司なので、最後の報告をしておきます。俺たちは軍人なので、軍の命令に従います。隊長にも色々と考えがあって反乱軍の総長なんてモノをやっていたんでしょうけど、軍が隊長を殺せと命令したので、隊長を今から殺します。以上です」
桂川の報告を聞いたダイゴは、ようやく口を開く。
「そうか。でも俺はお前らに殺されるわけにはいかないんだ。だから……
是が非でもそこを通らせてもらう」
はい、宣言通り最悪の形で部下たちの能力お披露目です、まぁ今のところは北野だけなんですけどね。次の回で全員の能力お披露目&戦闘シーンです、お楽しみに!




