お前には黄金の鎮魂歌がお似合いだ
「君は、ただの兵器として、わたしに使われるのよ」
ロリ上司さんはその言葉を言い終わる瞬間、座席の下に隠していた注射器をオレの首にーー
「なっ!?刺さらない!どうして!!」
「くはははっ!やっと本性を出したなバケモノがよォッ!!」
「そういうこと、はじめからわたしを騙していたの!」
「そういうこった不老不死の吸血鬼さん!!!手紙から吸血鬼のクッセェ臭いプンプンさせてバレねぇとでも思ってたのかァ!?そいつァ随分とおめでてぇ頭してんだなァウン百歳の吸血鬼さんよォ!!」
「なら、これで!!」
「針が通らねェんだからハサミの刃も通るワケねェだろうがダボがッ!!」
「くっ!なら」
窓を割って外に逃げようとするロリの足をつかむ。
「逃がしャあしねェよ!たしかにアンタは速いがこんな狭いところじャあそれも意味ねェしなァ!喰らいな、突風ゥ!!」
こうして、このロリ吸血鬼はオレのピンポイントパンチ、突風を喰らい、頭を失った。
「……馬鹿ね!吸血鬼の弱点は頭じゃないのよ!」
ほどなくして、頭が再生したロリが吠える。とはいえ。
「知ってら、ボケ。拘束するために頭飛ばして体動けなくさせたんだよ。んじゃ、話してもらおうか。あの注射はなんだ?」
「……あれは、ただの睡眠薬よ」
「嘘言ってんな、お前の腕に刺したら気持ちワリィバケモノの形に変わったぜ?まぁヤバそうだったからすぐ切り落としたけど」
「そう、試したの、わたしの体を使って」
車のホイールに縛られた自身の腕をロリはチラリと見る。右腕が再生している途中だった。
「……アレは君を異体に変えてわたしの意のままに操れる兵器にするための薬よ」
それからは、異対会の実態や、オレが昨日倒した新種のバケモノについてを聞き出した。
「どんなやつでも高い戦闘力を持つバケモノに変えられる薬に、そのバケモノを使ってバケモノ狩りをする異対会、そして唯一の失敗作であるあの霊体のバケモノ。なるほどなぁ、だからオレに接触してきたってワケだ」
「えぇ、あなたのような身分のハッキリとしない人なら消えても問題にならないし、あなたのその異常なまでの戦闘力は放っておくにはあまりにも危険すぎる。だから異体兵器化させて危険分子の処理と兵力の増強を図ったの。これ以上話せることはないわ」
「十分だ、お前らを推し量るのには。やっぱお前らの組織には死んでも入りたくねぇ、気持ち悪いぜお前ら」
「委員長が聞いたら喜びそうなセリ」
「必殺・突風。臭いものには蓋をしろ、蓋が出来なきゃ消しちまえ、ってな」
こうして、胸に大きな穴を開けた吸血鬼の死体が出来上がった。
実はこの物語のプロローグである序章も幕引きが近いのかもしれない




