メガネの少年
一般人類たちは不安よな。果街、動きます
魔術都市ロンドンにて行われた人類最大の敵と人類最奥の魔術師の喧嘩は、人類最大の敗北により幕を下ろした。
そして、人類最大とその仲間、もとい共犯者の男は現在、とある場所に幽閉されている。
しかし、今はその2人ではなく、別の者の話をしていこうと思う。
「オラオラメガネェ!そんなノロノロ走ってたんじゃ日が暮れちまうぜ!テメェの足ははいはいしかできねぇ赤ちゃんの足なのか!?」
「違います教官!!」
「ならもっと走れ!!!」
「はい!!!」
メガネをかけた少年と、その少年に罵声のような声を浴びせる長身の白髪の女性。スポ根漫画にありそうな風景が、あの臨海都市にはあった。
白髪の女性は皆さんご存じ、人類最強の砦・果街はてななのだが、ならばその人類最強を師事するメガネの少年は一体何者なのだろう。そこに住まう仙人たちは揃ってその疑問を抱きながら、2人を遠巻きに観察していた。
その少年の名は鷹宮創二。かつて、人類最大が潰した異体対策委員会、通称異対会を裏で操っていた少年であり、人類最大によって家族同然の仲間を殺された、北往生市の数少ない生き残りである。
「……今日はここまで!」
「はぁっ、はぁっ、まっ、まだ僕はやれます!」
「あたしが終わりつってんだからつべこべ言わずに休めこんガキャア!」
「……はい!」
創二とバイクで並走するはてなは臨海都市を一周したタイミングで止まる。それはもちろん創二の体力の限界が来ていたからでもあるのだが、それとは別の理由もあった。派手な着信音がはてなの着るジャケットから鳴っていたのだ。
「……あたしだ、どうしたよエンフラ?」
バイブレーションを繰り返す携帯をジャケットから取り出し、画面に表示された”エンジンフラッシュ”の文字を見ると、少し面倒そうな表情をしながら応答した。
「あ?変なヤツを捕まえた?そんなんわざわざあたしに報告してねぇでテメェが適当に処理すりゃあいいじゃねぇか。……長髪のガキに白衣のガキ?あぁー、確かにそりゃあたしが探してるヤツらだ。……そうだな、白衣のヤツは身ぐるみ剥いどきゃ問題ねぇが、長髪のガキの方はあたしが着くまで、絶対に目覚めさせるな。たまたま油断してたから今回は勝てたんだろうが、次にヤツが目を覚まし時、テメェが無事でいられる保証はねぇ。……おう、明日には着くからヘタに刺激すんなよ?んじゃな」
「……もしかして、あいつが見つかったんですか?」
はてなが通話を終えると、しびれを切らしたように創二が問いかける。だが、はてなは少し額に手を当て考えるとこう答えた。
「あぁ、あの野郎は今ロンドンにいるらしい」
「なら!」
「いや、ロンドンにはあたし1人で行く。テメェは九重たちと一緒にアラスカに行け、いいな?」
九重、と呼ばれた学生服を来た少年が頷き、その周りにいる様々な恰好をした少女たちも、それを見るとしぶしぶ首を縦に振った。しかし、坊主の少年、青みがかった白髪の少女、そして創二。この3人は納得していないようだった。
「なんでですか!あいつの居場所が分かってるなら全員で行ってさっさと終わらせた方がいいじゃないですか!」
創二は先ほどのランニングの疲れなど忘れたかのようにはてなに噛みつく。少し不快に思ったのか、はてなは舌打ちを漏らしながら答えた。
「チッ、人の話は最後まで聞けよ。ちゃんと意味もあんだからよ」
「……ふぅ、すいません。頭に血が昇ってました」
はてなに諭された創二は一度深呼吸をし謝った。
「んで、理由は2つある。あたし1人なら今から6時間でロンドンに着くからあいつが目を覚ます前に片を付けられるってのが1つ。そして、万が一あたしが野郎を逃がした場合、次の行き先と予想されるアラスカにテメェらを先んじて送っておきたいってのが1つ。つまり、あたしがヘマした時にテメェらに尻ぬぐいを任せたいって訳だ。分かったか?」
「……そういうことなら、まぁ」
「うし、ならいいな。あいつらの移動手段は飛行船だからロンドンからアラスカに着くまでにはかなりの時間がかかるだろうが、念には念を入れて最速で向こうに行ってくれ。……じゃ、解散!」
そう告げると、はてなは大空へと飛び上がり、雲の中へ消えていった。
薄々気づいてる人もいるかもしれないですけどエンジンフラッシュの名前の由来は競馬、もといウマ娘のエイシンフラッシュです。まだ名前をちゃんと覚えれていないときに「あれ?エンジンフラッシュだっけ?どうだったっけ?」となったのがエンジンフラッシュの始まりです。そして寒すぎてタイピングが上手くできぬ




