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エンドレスエンド  作者: kaxali
魔術霧中/痲術夢中
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我ら魔術都市に推参せり

先週ぶりかな?

 ロンドン。知っての通り、そこは長たらしい正式名でお馴染みイギリスの首都である。だが、それとは別の面も持ち合わせている。

 魔術都市ロンドン、それが裏舞台でのロンドンの呼び名だ。その名の示す様に、ロンドンには多数の魔術師、そしてそれを束ねるある組織が存在する。

 腕に赤い装甲を身に着けた男に、真っ黒なスーツに白衣を羽織った男。2人の無法者が、そんな魔術師溢れる都市に降り立った。



「驚いた、まさかお前の口から隠密行動、などという言葉が出てくるとは」

「姐さんから色々と教わってんだよ。無駄にバカな行動はしねぇ」

「フッ、あの女に感謝しなければな」


 その2人は今、路地裏に隠れ何やらコソコソと作業をしていた。


「しかし、開発したシステムを使えないのは残念だな」

「ここでド派手に空飛んでたら撃ち落されるんだよ」

「は?ワタシのこの船がそんじょそこらのヤツに撃ち落されると?」

「魔術舐めんなよ、オレが前やったアレも、今作ってるコレも、全部魔術だぜ?」

「マジか」

「マジックだけに!」


 博士の言葉からダジャレを拾った禍言は笑うが、眉を寄せる博士に頭をはたかれてしまった。


「折角隠れているのに大声で笑っては意味がないだろう!」

「そんなこと言っちゃって本当はハズいだけなんじゃねぇのかぁ博士ぇ?」

「この野郎……」


 博士はもう一度禍言を殴ろうとする衝動を抑え、表の大通りを覗いた。

 見たところ普通の街のようだが、よくよく見ると、指に謎の紙を挟んでいるものが散見された。


「あれが魔術陣、というやつか」

「そうっぽいな。でもオレがキタで会ったヤツは何も使わずに炎出してたから、あの紙持ってるヤツら以外にももっといるんだろうな」

「なるほど、それほどの数が集まればワタシの船も落とされるなどということもあり得るか」

「そ。そんなわけ、で……」

「君たち、一体ここで何をやっているんだ?」


 ”こそこそやろうぜ”と言おうとした禍言の背後に、3人の青年が立っていた。服装を見るに、この辺りで活動している自警団のようだ。


「聞こえなかったのか?何をしているのか、ただそう聞いただけなんだ。まぁ見たところ落書きをしていただけなのだろうが、一応聞かせてくれ」

「あー、オレたちが生きた証をこの街に残したかったんすよ。すんませんすぐ消しますんで見なかったことに……」

「そうだったか、それならいいんだ、誰にだってそういう時期はあるからな。じゃあ俺たちが明日見に来るまでに消しとけよ?」


 禍言の嘘に納得したのか、その青年たちは背を向け帰っていった。


「……」


 かに思えた。

 禍言たちがその場を離れようと青年たちから目を離した瞬間、青年たちは動いた。

 懐から取り出した魔術陣をレンガの壁に、石畳に、自身の体に押し付け、魔術を発動させる。

 石畳が波のようにうねり、2人を宙に投げ飛ばすと、壁から発射された1mを越える大きな棘が襲う。

 間髪入れずに身体強化をした青年の1人が追い打ちをかけるように飛び出した。


「ワタシたちをこの程度で殺そうとは、随分と舐められたものだ」

「全くだぜ、こんなんじゃやる気もでねぇや」


 2人を宙に放り投げ、何が起きたのか認識するより先に棘を飛ばし、さらに追い打ちをかける。並の人間ならこれで殺せただろう。

 しかし、音速を超えるミサイルをもたやすく迎撃してしまう禍言からしてみれば、こんな攻撃、児戯にも等しかった。どうやって切り抜けたのかは、言うまでもないだろう。

 瞬く間に反撃され、青年たちはなすすべなく縛り上げられたのだった。


「一応聞いておこう、なぜワタシたちを狙った?」

「このロンドンでこんな大規模な魔術陣を描こうとし、それを隠した。つまり神前議会に許諾を得ていない、違法な大規模魔術をやろうとしていたんだろう?そういう者は見つけ次第捕縛する、全ての魔術師の義務だ」

「へへっ、お前らのことは既に通報してあるんだ。じきに72号室の人が来てお前らを捕まえてくれる、終わりだな」


 リーダーと思しき青年が質問に答えると、その後ろにいる赤メッシュの青年が吠えた。そして、その青年の言ったことは苦し紛れの脅しでもなく、真実のようだ。


「この者たちが違反者か。はははっ、お前たちが負けるとはかなりのやり手のようだ」


 どこぞの探偵のようなコートに身を包んだ大男が、いつの間にか解放されていた青年たちの眼前に立っていた。


「なっ!なんでアンタが!」

「なんでって?俺がたまたま近くにいたから来たってだけじゃねぇか」

「いやいやいやいや!アンタはこんな場所にいちゃいけないでしょ!!」


 目の前の男はよほどの大物なのか、青年たちは目が飛び出るほどに驚いていた。そう、この男は。


「あんなカビくせぇ場所に籠ってジジイどもの介護なんざやってられっかってんだ」


 ”魔法に最も近い男”と呼ばれる、ロンドン、否、全魔術師のトップに立つ男。


「エンジンフラッシュさん!!!」

ついに始まった7章の舞台はなんとロンドン!メシマズでお馴染みのこの国にこの2人は耐えられるかな?

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