リベンジマッチ
初めて「文を寝かせる」ということをやったワ、いつもより多少はいいものになってるかも
「なぁ、何年経ったっけ?」
虚無に寝転ぶ禍言は、息を整えながら星鸞に問いかける。
「さぁね、わたしももう覚えてないや。でも普通の人間ならとっくに寿命尽きて死ぬくらいは経ったんじゃない?」
その隣に座る星鸞も、軽く肩を上下させながら禍言の質問に曖昧に答えた。
「そんなに経ったのか……まぁいいや。さ、さっさと続き始めようぜ」
「そう、っね!」
跳ねるように起き上がった禍言の上段蹴りを星鸞は片手で受け止め、2人は修行を再開した。
すでに、外では1週間が過ぎようとしていることも知らずに。
一方その頃。
「おいフミ、今日はあの小僧との約束の日だが、あやつの姿が見当たらぬ。どこへ行った?」
「えーっと、そのー、なんて言うんですかねぇ……」
「結果だけ話すと、あいつは修行から帰ってこない。それだけだ」
「それはつまり、逃げた、ということか?この我から?」
「この人めちゃくちゃ怒ってますよ!どうするんですか博士さん!」
「ワタシに言われてもどうしようもない」
「ムッキーー-ッ!!さっさと帰ってきてくださいよ禍言さーん!!!」
取り残された博士とフミの2人は、件の老仙人に詰め寄られていた。
「仙人の助けなしに、今のここから逃れることはできぬ。つまりフミよ、お主があの小僧を逃がしたな?」
「違いますよ老師!」
禍言が現れない理由を自分に当てつけられたフミは必死に無実を照明しようとするが、残念なことに、この老仙人はそれを聞く耳を持っていなかった。
「言い訳無用!」
「信じてくださいよぉ!!!」
半泣きでフミは懇願するが、老仙人は無慈悲に杖を振り下ろし--
「うぉ、ギリセーフ」
--その杖は、横からの乱入者の足先に阻まれ、フミの頭にたんこぶを作ることはなかった。
「このまま殴らせてたら姐さんに叱られるとこだったぜ」
「ようやくお出ましか。社長出勤だな、禍言」
「そのツラ見んのも随分と久しぶりだぜ、博士」
「ま、禍言さぁーん!」
乱入者、つまり禍言は会話をしながら、そのまま足先で杖を絡め取り、そのまま博士に投げつけた。
「……なるほど。その身のこなし、確かに我と戦えるだけの技量を身に着けたようだ」
「まぁな。苦労したぜ、姐さんに勝ち越せるようになんの。それよりいいのか?杖なしのまんまで」
「あろうとなかろうと、貴様程度の相手にはさして変わらぬ」
「フン、言うじゃん。じゃあ……試してみようぜ!!」
禍言は、余裕の笑みを浮かべる老仙人に挑みにかかった。
「はぁっ、はぁっ、なんだよアンタ、杖ない方が強ぇじゃねぇか」
「貴様、いや、お主こそ、よもや七曜でこのワシと戦えるまでに成長するとは大したものだ」
「いやぁ、星鸞の姐さんのおかげだな、ははっ」
禍言は床に伏しながら、楽しそうにそう言った。つい1週間前、禍言の体感的には数百年前だが、に大敗を喫した老仙人とまともにやりあえたこと。そして何より、それほどまでに成長できたことに頬を緩めていた。
そう、たった数分、されど永遠にも思える数分間の打ち合いを禍言は制し、老仙人に打ち勝ったのだ。
そして負けた老仙人も、自身が負けるという久しい経験がよほど愉快だったのか、それまでの高圧的で冷淡な態度から一変、饒舌になっていた。
「なるほど、あの女が絡んでいたか。しかし珍しいな、あやつが男に手を貸すなど」
「そこはちと裏技を、な」
禍言は一瞬フミに視線を送り、老仙人に文字通り目で伝える。
「まぁよい、これほどの技術を身に着け、そして我を打ち負かしたのだ。もう文句はあらぬ、どこへなりと自由に行くがよい」
「おう、そうさせてもらうぜ」
「いや、飛行船の修理が完了するまでもうしばらく時間が必要だ。すぐには出発できない」
早速出発しようと立ち上がる禍言を、博士はそのセリフで制止した。
老仙人は既に能力を解除し、禍言は普段の超パワーを取り戻していたが、1週間の炉心停止は、博士の発明品たちに不具合を起こさせるには十分だったようだ。
「あらそうなんですか?ならそれまでの間、あたしの家で遊んでましょうよ!」
「おっいいねぇ!じゃあ姐さん呼んでくるわ!」
「禍言さん、いつの間にそんなに星鸞さんと仲良くなったんですか……」
ここ1週間くらいはワートリを見てました、戦術ってのはおもろいもんですね。まぁ禍言くんは武術は身につけども戦術なんてやらんだろうけど。そして最近しょっちゅう思うんだけど私感動詞使いすぎな気がする。それがいいのか悪いのかは別として個人的には一辺倒になるから改善したいんですよね




