百合が咲いています、大切にしましょう
1週間もせずに更新したの最近の私からしたら奇跡に等しいんですけど、これを奇跡から必然に変えるってのが今の私の目標です
「ふふふっ、あれだけ自信満々に突っ込んだのにこれですか!ギャグセンスの塊ですねぇ!!」
「やめて、もうやめてぇっ!!オレのHPはもゼロよ!」
老仙人にやられたズタボロの腕で顔を覆った禍言を、フミは気が済むまで笑うと、禍言を抱えたまま、少し見た目が変わった自室のドアに手をかけた。
「はぁっはぁっ、こんなに笑ったのは久しぶりですよ、博士さんにも教えてあげましょうよ」
「すみませんそれはマジで勘弁してください、あとオレ足は何ともないから降ろしてくれよ」
そう言われたフミは、珍しく、しかも敬語で謝った禍言を脇から降ろした。そして禍言は軽く足をブラブラを揺らした。
「クッソあのジジィ、ホント陰湿だったぜ。まぁいいや、戻ったぜ博士ー!」
「……フッ、お前もそれか。笑えるな」
フミが伝えるまでもなく、禍言の血だらけの顔を見た博士はそう鼻で笑った。
「んでよぉ、武術を身に着けろって言われちゃってさ、困っちゃうぜ」
「完治したのなら無視してここを出ればいいだろう。わざわざ守る理由はない」
「それが無理だから困ってんの」
博士の正論、もとい暴論に反論した禍言はその足で床をドンドンと叩いた。端から観れば下に住む人への迷惑行為でしかないが、この場合においては別の意味を持っていた。
「こういうこと」
「……なるほど、ここもあの力の範囲内になっているわけか」
「しかも博士お手製のこれも壊れるってことはアレも使えないだろ?」
「かもしれないな、確認しよう」
「何?何の話してるんです?」
2人の会話についていけないフミはクエスチョンマークを浮かべた。しかし、1人は目をつむりこめかみに手をあて、もう1人は壊れた腕甲を足ではがそうと格闘しており、総無視されたのだった。
「今確認したが、タウが応答しない。恐らくだが、ワタシの開発した作品は全て使い物にならなくなっているな」
「だろうなぁ、やっぱオレ武術ってやつ練習しないといけないわけ?」
「だがワタシも、どうせこいつも、人様に教鞭をとれるような技術はもっていないしな。そういえば、お前と無言は分裂していたが、虚言はどうした?ワタシの作品を使っていたとはいえ、それでもあいつは技術で北往生市を生き抜いていたんだ。あいつに任せればいいだろう?」
博士は、日本軍の一度目の襲撃後、禍言と無言が分裂していたことを思い出した。今まで聞くタイミングを逃していたが、博士はずっと気になっていたのだ。禍言や無言よりも付き合いの長い虚言の安否が気になるのも当然と言えよう。
「ん?あぁ、あいつか。あいつは死んだよ……多分ね」
「そうか。なら仕方あるまい、お前があいつ並の技術を身に着けるしかないな」
本当にただ気になっていただけなのか、案外さらっと流し、博士は禍言にこれまたさらっと無理難題を押し付けた。
「あのー」
「なんだよ」
「そのソラゴトさん、とやらは存じませんが、一週間であの人に認められるような技術を身に着けるなんて無理なんじゃないですか?」
2人の会話にフミは口を挟み、あえて触れてこなかった正論を平然を言い放った。
「あぁもうそれを言われちゃ何もできないだろ!だからオレも博士も知らんぷりしてたのに!」
「あたしに怒らないでくださいよ!避けては通れない事実なんですから!」
「ふむ、それもそうか。……では、少々お手を拝借」
「えっ」
フミの正論を受けた博士は、フミの手をとると、携帯していたナイフで指先を軽く切りつけた。
「いたっ、急に何するんですか!?あなたは常識人だと思ったのに!!」
「やはりな」
博士のそのセリフに、何が”やはりな”ですか!こんなことなら拾ってくるんじゃなかったです!と怒ろうとしたフミだったが、切られた指先を見てその言葉を飲み込んだ。
「やはり、仙人の術は封じられていないようだな」
「……で?それが分かったから何だってんだよ」
「つまり時間を操作するような仙人と、武術の得意な仙人を見つければこちらの勝ちという訳だ」
「天才か!よし、じゃあ仙人探しの始まりだ!案内役は富士見、お前に決めた!」
「自由奔放すぎる……。まぁ、付き合ってあげますよ」
一時間後、一行は4名の仙人の元を訪ね、
「なんなんだあの老いぼれども、人の頼みも聞いちゃくれねぇ」
「それは禍言さんの態度が悪いからでは?」
「オレ、セイロン、キライ」
そのことごとくに追い返されていた。
「時間操作の仙法を扱う人はここの人で最後ですからね、この人に断られたらおしまいなんですからね!というかあたし的にもこの人に頼るのは嫌なんですからね!その辺も踏まえてちゃんとお願いしてくださいね!いいですね!!」
「わぁってらぁ!たのもう!!たのもぉーう!!!」
禍言はインターホンを連打しながら、大声で中にいるであろう仙人を呼んだ。
「もうっ!そういうのがだめなんですって!」
「あらっ!久しぶりね、フミちゃん!元気にしてた?って不老不死のフミちゃんが元気じゃないことなんてないわね!そしていつ会っても変わらずかわいいわね!ぎゅってさせて!」
ドアを開け出迎えたその人は、気づかぬ間に禍言の後ろにいるフミを見つけると、まるで始めからそこにいたかのようにフミの目の前に出現し抱きしめた。
「だからこの人は嫌だったんですっ!!」
「イヤイヤするフミちゃんもかわいいわね!!!」
女の子がくっついてりゃ百合なのか!
ちゅっちゅしてなきゃ百合じゃないのか!
……
アホか
かわいけりゃいいんだよボソ……




