ご覧あそばせこれが奔放よ
今回落とし所がなかなか見つからなくて苦戦しました、違和感というか無理矢理感あるけど許してチョ
「んぐっ……夢、か」
「おはようございます、8億年ぶりですね禍言さん」
「なんかキモい夢見たんだけど」
「あたしに言われても」
フミの冗談に何の反応もせずに、目覚めた禍言は自身の足の状態を確認しながら、見ていた夢のことを思い出していた。
あれは紛れもなく自分自身の過去、ちょうど北往生市に住み始める時期のことだった。最後のあの名乗り、当時はかっこいいと思ってやったのだが、今思い返すとなかなかに恥ずかしい行動だった。
「おっ、足治ってんじゃん。ってことはオレ1週間も寝てたのかよ」
「いえ、まだ1日しか経っていませんよ。あたしの予想を遥かに凌ぐ再生力です。禍言さん、あなた実は人間じゃないんじゃないんですか?」
フミにそう言われると、禍言は一瞬うつむき、指をワキワキさせながらフミににじり寄った。
「バレちゃあ仕方がない、秘密を知ったものは消さないとな……」
「えっあっいやちょっと待ってくださいよ」
「なーんてな、嘘だよ〜ん!」
「こんの野郎……一瞬自分が不死身だってこと忘れてテンパったあたしがバカみたいじゃないですか!」
「全くだ、何をやってるんだバカ2人」
フミで遊ぶ禍言とその遊びに振り回されるフミを見て、玄関の向こうから飛んできたツッコミの声。聞き慣れたその声に禍言が視線を向けると、扉の向こうには、ボロボロの博士が立っていた。
「あっ博士さん!やっと帰ってきたんですね!聞いてくださいよ!この人ワンチャン本気な目であたしを殺すとか言ってきたんです!ってか昨日にましてひどい怪我ですね!」
親にすがる子供のように半泣きで駆け寄るフミを片手で制止しながら、博士は壁にもたれつつ靴を脱いだ。
「おう博士、なんか見ねぇと思ったら、んなボロボロんなって何やってたんだよ」
バカ2人のうちに自分が入っているとは露程も考えない禍言は博士に問う。バカ2人のうちに自分が入っているとは微塵も思わないフミは博士のあとに続き部屋に戻った。
「あぁ、隣人たちに挨拶回りに行っていたんだ」
「引っ越すわけでもねぇのに?」
「それはあたしから説明しましょう!」
2人の間にフミは頭を突っ込み会話を遮る。そして、目元はまだ少し腫れていたが、当人はそのことをもはや忘れたかのように解説を始めた。
「知っての通り、あたしは仙人。人の世に住まうことはできません、生きる時間が違いすぎますからね。なので、あたしたちは仙郷という住処を人里離れた地に創り、そこで暮らしていました」
過去を懐かしむように、フミは遠い目で語り始めた。禍言は年寄りみてぇだなぁという感想を飲み込み、鼻をほじっているが、構うことなくフミは続ける。
「しかし、人民たちの土地開発によりあたしたちは追いやられ、行き場をなくしました。ってそこ!寝ようとしない!起きたばっかじゃないですか!」
「話なげぇよ、オレ飽きちゃった」
「んっ……」
寝ようとしたところをフミに注意され、禍言はそう苦言を呈した。眉間にシワを寄せるが、博士にこいつには怒るだけ時間の無駄だと言われたことをフミは思い出した。
「じゃあもうまとめますよ!そんなこんなで放浪仙人になってたあたしたちにとあるゲーム開発会社がこの街を用意してあたしたちを住まわせてくれたんです!つまりここは現代の仙郷、だから他の仙人たちに挨拶しに行かないと礼儀知らずってことで追い出されるんです!以上!」
「そしてワタシの傷は1日遅れた罰として隣に住むジジイに受けた傷だ」
曲がりなりにも博士は人類最強、果街はてなと正面から戦い、無傷で生還している。そんな博士がここまでの傷を負わせられた。たったこれだけでも、禍言が警戒、というより興味を示すには十分だった。
「……オレちょっとトイレ!」
言うやいなや、禍言はドアを蹴り壊し、部屋の外へと走り去ってしまった。禍言の行動に一瞬理解が追いつかなかったフミは急いで追いかけようと立ち上がるが、博士に襟を掴まれ制止されてしまった。
「放してくださいよ!」
「隣のジジイにケンカをふっかけに行ったのだろう、気にするな」
「あの人の心配もそうですけどドア壊されたのに黙ってなんかいれませんよ!」
「ふむ……よし、行ってこい」
博士から開放されたフミも禍言同様、部屋を飛び出したのだった。
ブリーチ見てました。死神代行消失篇がアマプラにもネトフリにもなくて怒りのあまり卓上調味料を全部倒してしまいました〜!




