Start of End
北往生市は赤く染まっていた。地面から溢れる赤い光は、ひび割れた地面を照らす。時代を感じる廃ビルを照らす。人も、バケモノも、平等に照らす。
「あの日外から眺めることしかできなかったあの業火!あの灼熱!それをアイツはもう一度やろうと、否!それ以上のものをやってのけようと言うのだ!!最ッ高だッッ!!!」
赤い光はより一層その赤さを増し、赤黒い血のようになる。
「おい」
「……あ?」
土の上にあぐらをかいて座る禍言。声を掛けられ振り向くと、そこには大剣を肩に担いだ人類最強が立っていた。
「二年前のアレはてめぇがやったのか?」
「あれって?」
「とぼけてんなよ」
苛立ちを隠そうともしないはてなは大剣を地面に突き立てる。
「二年前の木目丘市、そこを襲ったあの大火災だ」
「あぁ、あれか。まぁ確かにオレのせいとも言えるしオレのせいじゃないとも言えるな」
「チッ、答える気がねぇってんなら別にいい。とりあえずてめぇは殺す、殺してこの光を消す。それが人類の砦たるあたしの成すべきことだから、なッ!!」
はてなは大剣を抜きながら勢いよく飛び出し、蹴られた地面が反動でめくれ上がる。禍言との間合いを一瞬にして詰め、大剣を縦に振る。禍言は体をひねり、足刀で大剣を受ける。
街全体を赤黒く染めていた光が地面に沈んでゆく。
「剣が動かねぇ、てめぇどんだけ怪力なんだよ」
「そっちこそオレの一撃で吹っ飛ばねぇとかどんな力してんだよ」
相手の力を推し量るかのように大剣を振り、時には蹴りも混ぜながら禍言に攻撃を打ち込み続ける。禍言も全身を使い、迫る攻撃を受ける、流す、そしてカウンターを挟み相手の体力の消耗を激しくさせる。
光が完全に地面の中に消え、地面のひびを拡大させる。はてなは視界から消えた赤に気づきながらも、戦闘を続行する。
「今さらヤッパナシは聞けねぇぜ!」
禍言は反応せずに攻撃を続ける。双方全く緩めることなく、戦闘は続いていく。
地面が揺れ始めていることに、はてなはまだ気づかない。
「ゥオラァッ!」
「クッ」
ガキィン!と甲高い音が響く。禍言のアッパーを大剣で受けるも、耐えきれなかった刃が宙を舞う。
「自慢の武器が壊れちまッたなァ、最強さんよォ」
「そういうてめぇこそ語気が荒くなってるぞ、お疲れか?」
「ハッ、かもな」
二人は手を止め、互いににらみ合う。
「まぁあたしはこれくら、ガハッ」
話している途中ではてなが口から血を吐く。視線を落とすと。
赤黒い槍が腹に突き刺さっていた。
「こ、れはっ……」
「くはははははははははははははっはははははははっはっはあははははは!!!」
北往生市全体から、悲鳴の声が上がる。あちこちから上がる悲鳴を聞き、禍言は大笑う。
人もバケモノも区別なく、命は槍に貫かれ、北往生市は阿鼻叫喚の地獄と化した。
シン・ヱヴァンゲリヲン見てきました、とりあえず二回。ありがとう。そして、さようなら。




