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エンドレスエンド  作者: kaxali
発明革命/発命学名
17/88

天使降臨

「チッ、計算を間違えたのかしら。あの施設の近くに着地するつもりがこんな大門の近くで着地してしまったわ」

「博士!!」

「分かっている!」


 博士はすぐに意図を理解し、バイクに飛び乗りました。この少女は私たちの負えないので逃げるほかありません。


「飛ばすぞ、しっかり掴まっていろ」

「でも近くに人がいたのは不幸中の幸いってやつね。あら、このわたしから逃げようっての?あなたたちには聞きたいことがあるんだから逃げないでよ」


 そう言うと、一瞬で距離を詰め、真っ白な手でバイクを掴み、



「あ、れ……なんで空から壁が生えているんですか……?」

「お前が寝ているだけだ」

「え?」

「あの女にバイクごと投げ飛ばされてそのまま意識を失っていたのだよ」

「バイクごと投げる?そんな最強さんじゃあるまいし、第一この少女にそんなことができるような筋肉は……」


 って、そうでした。ここは異能も魔法も何でもござれな場所でしたね。投げ飛ばされたときに頭でも打っていたのでしょうか、そんなことすら抜けてしまうとは。

 と、そんなことは置いておいて、現状確認をしましょうか。どうやら私と博士は縛られて転がっているようです、何もできませんね。以上。


「しかしあなた、面白いもの持ってるじゃない。なんて言ったかしら、ビームサーベル、だっけ。なかなか使い勝手が良さそうな武器ね。しかも7本も」


 ……ンンン、投げ飛ばされたときに内ポケットからポロリしてしまいましたか。しかしなぜあの少女、7本とも起動しているのに素手で普通に持てているのでしょうか。そういう能力なのでしょうか。


「なぜ君はそれを素手で持てているんだ、熱くないのか?」

「熱い?何を言ってるの?金属っぽいヒンヤリ感で気持ちいいだけじゃない」


 博士の質問に、少女は変な質問をされたといった顔で返しました。つまりあの熱はあの時の4本の組み合わせの時のみ、もしくはあの4本のいずれかの特性と見るべきなのでしょう。


「そんなことより、それ返してくれませんか?それ持ってると日本政府、下手したら世界政府から狙われますよ」

「知ったこっちゃないわよ。それより、わたしの質問に答えて。答えてくれなかったら……」


 そう言って少女は浮遊しているクロスインパクトのビーム刃を蛇のような形に変化させ私たちを脅しました。なるほど、あの3本目の特性と5本目以上のどれかの特性がさっそく使いこなされているとは、起動だけしかできなかった私的にはちょっとショックですね。


「でもちゃんと答えてくれたらなんの危害も加えないわ、わたしはアイツらとは違って理性的なの」

「さっさとその質問とやらをしたらどうだ、ワタシは早く帰って研究がしたいんだ」

「そうね、そうしましょう。じゃあ聞くけど、あなたたち、果街はてなって女、知ってるかしら。わたし、ソイツを追ってここまで来たんだけど」

「最強さんですね、てっきり貴女がそうなのかと思っていたのですが」

「殺すわよ」


 おっと、目の色が怖くなりました。地雷でしたか。


「まぁいいわ、多分投げ飛ばしたとこから連想したんでしょうし、紛らわしいマネをしたわたしが悪かったわ。わたしは理性的だからすぐにカッとはならないの。それで、果街はてなについて何か知ってるの?」


 やけに"理性的"を連呼しますね。近くに直情的な人でもいるのでしょうか。


「果街という女はここでは最強さんと呼ばれている。最近では見かけなくなったが2年前までは第三大門の近くでよく見かけられたらしい。実際、そのすぐ近くに彼女の寝床とされる場所があった。ワタシの知っていることは以上だ」

「あなたは?」

「私の知っていることと言えば、あの人は石炭を握ってダイヤモンドを作れるだとか、ガードレールを片手で引っこ抜いて、ぶん回してあたり一面を平らにしたとか、そういう根も葉もないような噂ばかりですよ」


 噂どころか今思いついた嘘なんですけど。


「フン、まぁいいわ、最後に1つ、あなたに聞くわ」


 少女は私を指差しました。


「私ですか?」

「あなたよ。あなたの知っている噂のなかに"果街はてなは能力者じゃない"って噂はあるかしら」


 これは、聞いたことがあります。


「……えぇ、魔法でも超能力でもなく生まれつきの身体能力によるものではないか、というのは割とメジャーな噂ですね」

「そう、ありがとう。じゃあわたしは一旦帰るわ。せいぜい餓死する前に誰かに見つかることね」


 やっと去りますか、台風のような少女でしたね。


「あ、これはもういらないし白衣のあなたにあげるわね」


 そう言って腰のベルトにつけていた四角い箱のような物をぽいっと博士に向かって投げました。


「縁が合えば、また会いましょう」


 少女はちょっと嬉しそうな顔で浮遊させたクロスインパクトに足を乗せ、これまた一瞬でどこかへ飛んで行きました。バッチリ使いこなしていますね。


「クロスインパクト、ほとんど持って行かれましたね」

「また作ればいいさ。兵器は大量生産が基本だからな」

実は博士はここで退場してもらう予定だったんですけど彼女が理性的なおかげで死なずに済みましたね。次回はエピローグ!

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