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俺だけのダンジョン  作者: 橘可憐


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あのボロアパートがあった土地は解体作業が済み綺麗な更地になった。

なので裕は約束通り契約を交わし無事土地を手に入れたが、アパートを建てるのは見送る事にした。


不動産屋の担当との話し合いの末、取り合えずあの土地は月極の貸し駐車場にして不動産屋で管理して貰う事にしたのだ。


裕が融資を受けるのにどこか難色を示した事もあるが、あの地域での需要を考えての事だった。

昔からの古い家が多いせいもあって駐車場を持つ家は少ないのに、自家用車の保有率は上がっているらしいのだ。


その他にもコインランドリーの需要もあり、今なら結構儲かると同じく薦められたが、初期費用の少なさと管理を不動産屋に丸投げできる気軽さで駐車場にする事にした。

折角手に入れた土地を融資を受けるのを躊躇してただで遊ばせておくのも勿体ないし、かと言って今の裕にコインランドリーを経営し管理している時間も無い。


問題と言えば課長との約束で、アパートを建て経過観察のために職員を入居させる話があったが、経過観察は駐車場でもできるだろうと思っていたので、裕には約束を反故にしたつもりも無かった。



「そうですよね、無理な融資を受けてアパートを持つより、地道により多くの土地を持つ事の方をお薦めします」


不動産屋は裕にそんな話をして、他にも土地の購入を検討する様にと資料を渡してきた。


この担当者に裕は大まかな資産額を知らせているが、担当者は国家未詳案件調査対策室のアルバイトとして給料を貰っている事しか知らず、ダンジョンで稼いでいるなどとは思ってもいないので、裕の年齢を考慮して助言してくれた様だった。


アパート経営って固定資産税だけでなく管理費も思っている以上に掛かり、他にも色々と問題も多く意外に大変らしい。


叔母を見て簡単に考えていたが、やはり裕には経験も知識もまだまだ足りない様で、かと言って家族達には絶対に秘密にしたかったし、資金の出所を話す事もできないので迂闊に叔母に相談する訳にもいかなかった。


なので裕はやはりそう言う関係の勉強をするために大学を目指す事にして、年2回あるという高卒認定試験の事を色々詳しく調べたが、今の裕の独学ではちょっと無理な事をつくづくと感じ、夜間定時制高校へ進学する事にした。


卒業まで4年掛かるらしいが別に時間制限も縛りも、ましてや金銭的な問題も無い今の裕には、4年という年月は何の障害でも無かった。


その決意を叔母に話すととても喜んでくれて、夕飯の準備は必要ないと言ってくれた。

まぁ、元々殆どしていなかったけど、それでも叔母が喜んでくれた事が裕にも嬉しかった。


ただボクシングジムへ通えなくなるのが残念だと思っていたら、ジムのオーナーがジムが開いている時間帯ならフリーで通って良いと言ってくれたので、曜日関係なく空いた時間に通える事になったのも本当に嬉しかった。


そして夜間定時制高校の入学試験を目指し新たに準備を始めたが、相変わらずダンジョンの攻略も毎日していた。


アメリカから帰って来てから漠然としていた裕の進路が、少しずつ確実なものになって行く様だった。



「瞬間記憶能力みたいなのを願ったっらそれって叶うのかな?」

裕はこれからの勉強の事を考えて聖女様に聞いてみた。


≪可能です≫


「見たものを瞬間に記憶できる能力だよ」


≪そうです≫


「じゃあ、この世界中の言語理解能力っていうのはどう?」


≪可能です≫


平然と答える聖女様を見詰めながら、自分の基礎ステータスまで変えられるのかと、改めてこのダンジョンでの願いの申請の凄さを感じていた。


そしてどんどん欲しい能力が増えて行く裕だった。


「空間探知能力で空間の出入り口を探している時、空間の出入り口を目視できる能力が欲しいって考えていたんだけどさぁ、それより空間の出入り口を新に作れる能力ってどうだと思う?」


≪新たにですか?≫


「そう通常の出入り口とは別に出入り口を作ったり消したりできる能力」


裕は以前女性騎士と話した空間内転移での空間探しの難点を解決する方法を考えていた。

そして出入り口の張り直しが危険なら、新たに作れれば問題ないじゃないかと思いついたのだ。


聖女様からはすぐに返事はなかったが、裕は絶対に可能だと考えていた。

そしてそうすれば世界中の謎空間探しが簡単になり、また、新たな出入口をいろんな場所にある空間へ繋ぐ事で、ど〇でもドア状態の移動も可能じゃないかとも考えていた。


そう空間と空間を出入り口で繋ぎ、世界中の何処へでも移動できるようになるのだ。

そうしたら、この空間の可能性というか裕の可能性ももっと広がる様な気がしていた。


≪問題は無いようです≫


ようやく返って来た聖女様の回答に裕は心から安堵しそして喜んだ。

裕の考えた能力が初めて完璧だった気がした事もあるが、取り敢えずは謎空間探しが楽になると本気で嬉しくなったのだった。


そしてそうと決まれば能力を手に入れるためにダンジョン攻略を進めなくてはと意気込み、裕は手に入れたい能力の優先順位を考えた。


まずはかねてからずっと考え続けていた管理者と引き続き繋がれる能力だろうと決める。

この能力は裕にとっても管理者にとっても良い事だとは理解しているし、エルフのダンジョンが消滅する時には絶対手に入れるとすでに決めていたからだ。


そして次に新たな空間の出入り口を作ったり消したり出来る能力だろう。

その能力と出入口設置能力と空間内転移が合わさればほぼ完ぺきな能力となり、きっともう怖いもの無しだ。


そしてその次は瞬間記憶能力を貰うとして、できれば瞬間記憶能力は夜間定時制高校の入試までには欲しい能力だ。


だとしたらそれまでに少なくとも3回は願いの申請を済ませなくてはならない。

そうなると今の様に悠長にダンジョン攻略をしている場合じゃない。


必死になっていたとは言え一度はやれた事なのだ、あの時の様な無理をする気は無いがやってみよう。

今の裕にもけして無理な事じゃ無いと裕は気合を入れ直していた。



読んでいただきありがとうございます。

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