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俺だけのダンジョン  作者: 橘可憐


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「空間内転移の条件を設定する時に国の指定ってできるのかな?」


裕は聖女様に他国の謎空間も見つける事ができるのか取り合えず聞いてみた。


≪国ですか?≫


「そう国、空間内転移をする時にアメリカとかカナダとかっていう国名での場所の設定ってどうなのかと思ってさぁ」


≪私達に国と言う観念はありません≫


「じゃぁ、地球上のこの辺でって大体の感じでの設定なら出来る?」


≪そうですね、それなら可能ですが、あまりに長距離だと空間転移に時間が掛かり事故が起きる可能性も出てきます≫


「事故って例えばどんな」


裕は空間内転移の事故と聞いて、身体が捩れるとかバラバラになるとか、考えてもいない異空間に転移させられるなどあれこれと想像し途端に恐ろしくなった。


そして今までそんな可能性すら考える事無く平気で空間内転移をしてきたが、そんな危険がある事を始めに教えておいてくれよと思うのだった。


≪実例が無いので可能性としかお答えできません≫


聖女様の答えに裕はさらに身震いした。

考えてみたらこの空間内を転移しているのは今の所裕だけなので、当然成功例になっているが、初めての事故例になる可能性もあると言う事だ。


かと言って進んでどんな事故が起こりえるのか試す気にはなれないし、絶対にごめんだ。


「じゃあ、どの位の距離なら絶対に安全に転移できるのか教えてよ」


≪今の私が管理できる最大距離は50㎞程です。絶対ですとその範囲内としかお答えできません≫


裕はこの答えを聞いて、この部屋から海外の空間に転移するのは完全に断念した。


「って事は50㎞づつ転移して行けば長距離転移も一応安心って事?」


しかし他に何か方法が無いか一応は探ってみた。


≪あなたが他の管理者とも繋がれればそういう事になりますね≫


「じゃあ、じゃぁ、50㎞間隔でダンジョン認定した空間を作っておけば取り合えず安心って事だよね?」


裕はこの先も国家未詳案件調査対策室に籍を置く限り謎空間を探す事になるだろう。

そしてその為には絶対に安全で安心に空間内転移をする必要がある。

どんな事故が起こるのかは分からないが、事故を起こしてしまったら最後、きっと国家未詳案件調査対策室のアルバイトどころかダンジョン攻略もできなくなるだろう。


裕にとって空間内転移で事故を起こさない事は最重要事項となったので聖女様に慎重に確認をした。


≪そういう事になります≫


裕は聖女様と話していて何となく、何となくだが、もしかしてあの黒猫は事故が起こる事も想定していて、その実例欲しさに敢えて事故の可能性を裕に伝えなかったのかと勘繰ってしまった。


さらに勘繰ると、その為にわざわざ裕が空間内転移を望む様に仕向けたのかとさえも考える。


しかし裕はそこまで疑いたくはないと頭を振り、これからの事が大事なのだと考えを切り替えた。


「より多くの管理者と繋がる方法っていってもなぁ、そもそも俺にそんな管理能力とか無いしなぁ、かと言ってこれ以上この部屋に出入口設定はできないしなぁ」


≪管理者は消滅後新たな空間の管理者になるか、管理者不在空間の管理者になるので、あなたが望めば引き続き繋がる事も可能になります≫


「それって人間でいう所の輪廻転生みたいな感じ?管理者の記憶もそのままだったりするの?」


≪記憶と呼ぶのでしょうか、私達はこの世界をより知るために学習しているのでそうなります≫


そう言えば初めにそんな話をされた様な気もするなと、裕は漠然と思い出そうとていた。


(でもそうか、俺が望めば管理者消滅の後も引き続き繋がれるって事か、、、それって、エルフや聖女様とこの先も永遠に繋がっていられるって事なのか!!、、、そ、そ、そんな事、嬉し過ぎるだろぉ~~~)


多分だけど意思の疎通改善のために学習をしているとなると、裕との友好的で良好な意思の疎通も望めると言う事で、空間が変わるだけで同じ管理者と引き続き繋がっていられるのならその可能性もさらに大きくなると言う事だろうと裕は勝手にそう理解し心から喜んだ。


とは言っても最近の裕は、エルフにも聖女様にもそこまで入れ込んではいなかった。


そう、初めは確かに自分でも自覚する程にはしゃぎ過ぎていた。

女性に対して、ましてや現実に存在しないだろうエルフや聖女様相手に自分から話しかける事ができると言う事実に浮かれ過ぎていた。


二人っきりと言うのもかなりポイントが高く、裕を完璧に勘違いさせていた要因でもあった。


しかしこれは仕事なんだと考えたら、エルフも聖女様もただの同僚や上司の様なものなので、そこには恋愛感情の様なものなど存在しないのだとすんなりと理解出来た。

あくまでも友好的に仕事をするための付き合いなのだと今は割り切っていた。


そう割り切ってはいたが、消滅後も引き続き付き合えるとなれば喜ばしいのは確かだった。


「管理者が次にどこを管理するかは分かっているのかな?」


≪消滅後に決定されます≫


「事前には分からないって事か、でもたとえどんなに距離が離れていても繋がれるって事なんだよね?」


≪そういう事になります≫


「それって空間内転移で絶対に事故も無くその管理者の管理する空間へは転移できるって事なんだよね?」


裕にとってとても大事で重要な事なので慎重に確認をする。


≪そういう事になります≫


「じゃあ、次の願いはその能力を望む事にするよ」


裕は聖女様に初めに叶えて貰う願いとして、管理者との繋がり維持を望む事にした。


そしてこれで消滅が近いエルフのダンジョンが消滅しても悲しまなくて済むと心が少し軽く明るくなっていった。



読んでいただきありがとうございます

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