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甘い渇きと恋心  作者: 月海みやび


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Episode 8

「お待たせしました⋯!」

「僕も今来たところだから、大丈夫だよ」


優しい微笑みはいつもと変わらないのに、場所が違うだけでより輝いて見える。


飲み物を持って、席に座る。


「⋯佐藤さんの選んでくれた席、凄く見やすいです⋯!」

「良かった⋯!映画館の席って、好み分かれるから⋯」


ホッとしたように微笑む彼に、胸を掴まれたような気持ちになる。


「っ⋯好き⋯」


無意識にこぼれた言葉に、彼が目を見開く。


「っ⋯この席、好きです!」

「⋯ああ、席だよね⋯気に入ってもらえて良かった」


慌てて紡いだ言葉に微笑む彼を見て、何故だか泣きたくなってしまった。


彼と一緒に居ると、自分でも驚くような強い衝動が押し寄せてくる。


強くなる欲を抑えるように、飲み物を口に運ぶ。


映画を見ている間も、彼が気になって仕方がなかった。


「今日はありがとうございました⋯!」

「こちらこそ、ありがとう」


優しく微笑む彼に、胸が締め付けられる。

家まで送ってくれた彼の背中を見送りながら、今日の出来事を思い返した。


映画を観た後、カフェで感想を語り合った時の彼の楽しそうな顔が浮かぶ。


思わず微笑みがこぼれ、慌てて家の中に入った。

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