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甘い渇きと恋心  作者: 月海みやび


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Episode 2

「⋯また来てる⋯」


画鋲を拾ってくれた男性は、毎週同じ曜日に図書館へ来るようになった。


気が付けば、彼を目で追っている。


「東雲さん⋯こっちの返却本、棚に戻して来てくれる?」

「っ⋯!はい⋯!」


大量の本を抱え、一冊一冊確認しながら所定の位置へと戻していく。

ふと、栞が挟まっている事に気付いた。

落とし物用の引き出しに、栞をしまう。


カウンターに座り、館内を眺める。

自然と彼に視線が行っていた。


「⋯何を読んでるんだろ⋯」


自分のこぼした言葉に驚く。


今まで他人の事を気にした事なんてなかった。

誰が何をしていようと、迷惑にならなければ自分には関係のない事だと⋯

そう、思っていた。

なのに⋯

今は、名前も知らない彼の事を気にしている。


思わず、小さく首を振る。


「⋯気のせい、だよね⋯」


感じた事のない気持ちに蓋をするように、彼から視線を外した。

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