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甘い渇きと恋心  作者: 月海みやび


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2/17

Episode 1

カウンターに座り、返却された本を整理する。

静かな空間に、ホッと息をこぼした。


「東雲さん⋯このポスター、掲示板に貼ってくれる?」

「っ⋯はい!⋯上のスペースで良いですか?」

「⋯ええ、そこの脚立使って」


ポスターを受け取り、空いたスペースに画鋲で貼り付ける。


「あっ⋯!」


手に持っていた画鋲が床に散らばる。

慌てて脚立から降り、拾い始めた。


「⋯大丈夫ですか?」


不意に手が伸びてきて、手伝ってくれる。


「ありがとうございます⋯」

「いえ⋯っ⋯!」


血の匂いに、ハッと顔をあげる。


「大丈夫ですか!?」

「⋯少し画鋲が刺さっただけなので、大丈夫ですよ」


微笑む男性に、首を振る。


「ダメですよ、手当てしないと⋯!」


急いで消毒し、絆創膏を貼る。


「なんか、すみません⋯」

「っ⋯謝らないでください⋯!⋯手伝っていただけて、助かりました⋯」

「⋯なら、良かったです⋯余計な仕事を増やしただけかと⋯」

「っ⋯そんな、余計だなんて⋯!」


優しい笑みを残し、立ち去る男性の後ろ姿を目で追ってしまう。


何故だか、胸が締め付けられた気がした。

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