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聖火闘技場防衛戦

聖火不滅(せいかふめつ)


ナタ、聖火闘技場。


無数の栄光と栄華を見届けてきたこの古い建造物は、今、血と火の中に浸かっている。


三日が経った。


織田信忠の大軍が迫り来てから、この闘技場はナタ最後の砦となっていた。七万の民衆は闘技場の地下室に身を寄せ、外で響き渡る殺し合いの音に震えながら身を縮めている。三千のナタ戦士たちは城壁に立ち、三万の織田軍の狂攻めを血肉をもって防ぎ止めていた。


そして火神マウイカは、三日三晩眠ることができなかった。


彼女は闘技場最上層の塔に立ち、下の戦場を見下ろしていた。彼女の身の回りには炎が燃え上がっている——それは火神の力であり、ナタ最後の希望だ。だが今、その炎も幾分か色褪せて見える。


「陛下!」血まみれの戦士が塔に駆け上がる。「東の城壁がまた突破されました!織田軍が梯子を架け、登り始めています!」


マウイカは身を翻し、東方へ大股で歩いていく。その足取りは堅固で、一歩一歩火の痕跡を残している。


東の城壁では戦いが熾烈を極めていた。


数十基の梯子が城壁に立てかけられ、織田兵たちが蟻のように登り上がっていく。守備するナタ戦士たちは槍で突き、石を投げ、熱湯を浴びせるが、敵の数はあまりに多く、殺しても殺しても尽きない。


マウイカは壁際に駆け寄り、両手を押し出す——掌から火の竜が噴き出し、三基の梯子を一瞬にして飲み込む。梯子の上の織田兵たちは悲鳴を上げて墜落し、全身に火がついたまま地面で転がり、もがき、最終的に炭と化す。


「火神様!火神様!」


ナタ戦士たちの士気は一気に高まる。彼らは叫び声を上げ、最後の力を振り絞って残りの敵を城壁から追い落とす。


だがマウイカは分かっていた。これは一時的なものに過ぎない。彼女は一人だが、敵は三万もいる。どれほど彼女の炎が強大でも、これほど多くの人間を焼き尽くすことはできない。


「シノノメはどこにいる?」彼女は傍らの副将に問う。


副将は闘技場中央を指す。「あちらにいます!彼女の火炎放射器……既に二千の敵兵を焼き殺しています!」


マウイカは闘技場の中心を眺める。


そこには、ショートヘアの女が巨大な機械の傍らにしゃがみ、何かを慌てて調整している。これがシノノメ——ナタ随一の天才技師で、無数の奇妙な器械を発明してきた。三日前、織田軍が初めて攻め寄せた時、彼女はこの「火炎放射器」を持ち出した。


火炎放射器とは名ばかりで、実際は複雑な機械装置だ。巨大な金属タンクに特製の燃油が満たされ、長い噴管がタンクに繋がり、手動ポンプで圧力をかけ、点火装置で噴き出した燃油に火をつける仕組みになっている。


織田軍が初めて闘技場の門に押し寄せた時、シノノメはこの機械を起動させた。噴管から十数丈にも伸びる火の竜が噴き出し、最前線の数百の敵兵を一瞬にして飲み込む。火だるまになった織田兵たちは悲鳴を上げて転がり、後ろの者たちに恐怖を伝播させた。


その日、火炎放射器は八百人の命を奪った。


翌日は六百人。


三日目の今日、また六百人。


二千の命が、この一台の機械によって消え去った。


だが織田軍も学習した。密集して突進することをやめ、分散して四方から同時に攻め寄せるようになった。火炎放射器がどれほど強力でも、一方向しかカバーできない。


しかも彼らは、火炎放射器への対抗策を見つけ出した。




闘技場の外、織田軍の陣地。


掘秀墳と金森長近が肩を並べ、そびえ立つ闘技場を眺めている。


掘秀墳は四十代半ばの中年武士で、顔つきは陰険で眼窩は陥没し、毒蛇のような雰囲気を放っている。織田信忠配下の猛将で、残虐さで知られ、捕虜を生き焼きにすることを好んだ。


金森長近は屈強な漢で、顔一面に肉がつき、巨大な斧を手にしている。頭はあまり利かないが、戦いには決して尻込みせず、炎に向かって突進するような無鉄砲な男だ。


「あの火炎放射器……」掘秀墳は目を細める。「破壊しなければならない」


金森長近は低い声で唸る。「どうやって壊す?近づけば焼き殺される」


掘秀墳の口角に冷たい笑みが浮かぶ。「だから近づいてはならない。届かないものを使うのだ」


彼は身を翻し、後ろの兵士たちに言葉をかける。すぐに十数人の兵士が選ばれ、それぞれ油に浸した布切れを口に詰めた土壺を抱えている。


「火薬爆弾だ」掘秀墳は説明する。「布切れに火をつけて投げれば、地面に落ちて爆発する。射程は火炎放射器より長い。近づく必要はなく、これらの壺を闘技場の中に投げ入れ、あの忌々しい機械を粉々に砕けばいい」


金森長近は歯を見せて笑う。「賢い!」


掘秀墳は頷く。「攻撃の準備をせよ。今度こそ、あの女技師と彼女の機械を共に空へ昇らせてやる」




一刻後、攻撃が開始された。


今度の織田軍の攻撃方向は不思議なほど統一されていた——全員が火炎放射器のある闘技場正門に押し寄せている。


シノノメは機械の傍らに立ち、殺到する敵兵たちを眺め、不安な思いが湧き上がる。ここに火炎放射器があると分かっていながら、なぜこちらに突進してくるのか?何か陰謀があるのか?


だが考えている暇はない。敵が射程圏内に入っている。


「点火!」


助手が噴管の先のたいまつに火をつける。シノノメはポンプのレバーを力強く押し下げ、燃油が噴管から噴き出し、たいまつを通る瞬間に火がつく——十数丈の火の竜が、敵に向かって咆哮を上げながら飛んでいく。


最前線の数十人の織田兵は一瞬にして炎に包まれ、悲鳴を上げて倒れる。だが後ろの敵は退かず、むしろ加速して突進してくる。


「おかしい……」シノノメは呟く。


その瞬間、彼女は土壺を持った兵士たちを目にする。


彼らは最前線に立たず、盾兵の後ろに隠れてゆっくり進んでいる。火炎放射器から五十歩の距離になると、壺の布切れに火をつけ、一気に投げつけた!


十数個の壺が空に弧を描き、火炎放射器の射程を越えてシノノメのいる場所に落ちてくる。


「危ない!」シノノメは本能的に地面に伏せる。


「ドカン!ドカン!ドカン!」


連鎖爆発が起こる!


火薬爆弾の威力は想像以上だ。土壺が砕け、中の火薬に火がつき、瞬時に巨大な衝撃波と無数の鋭い破片が噴き出す。火炎放射器は粉々になり、金属タンクに大きな穴が開き、燃油が噴き出して火につき、さらなる大爆発を引き起こす!


シノノメは地面に伏せたまま、世界全体が揺れているように感じる。熱い気流が頭上を掠め、髪の先が焦げる。彼女は顔を上げ、三日間共に過ごし、二千の敵を焼き殺した火炎放射器が、歪んだ鉄くずの山になっているのを見る。


「違う……」彼女は呟く。


だが更なる悪事が待っていた。


火炎放射器が爆発した後、燃油があちこちに流れ出し、周囲の建造物に火がつく。炎は急速に広がり、火壁を形成し、ナタ守備兵の視界と行動を遮断してしまう。


織田軍はこの隙に、一気に闘技場の中になだれ込む。


「討て——!」


掘秀墳が真っ先に闘技場に突入し、太刀が火の光の中で冷たく輝いている。その後ろには、数万の織田兵が潮のように押し寄せてくる。


金森長近が続き、斧を振り回して立ち塞がろうとした二人のナタ戦士を斬り倒す。


闘技場の門は突破された。




マウイカは塔の上からこのすべてを見ていた。


火炎放射器の爆発、地面に倒れ生死不明のシノノメ、なだれ込む織田軍、斬り倒され踏みつけられる自らの戦士たちを見る。


彼女は身を翻し、傍らの副将に一言話す。


「民衆全員を最下層の地下室に集めよ。最後の門を守れ。私……彼らを阻みに行く」


副将の顔色が変わる。「陛下!一人では……」


「私は火神だ」マウイカは言葉を遮り、声は恐ろしく穏やかだ。「火神の役目は、ナタの民を守ることだ。たとえ私一人になろうとも」


彼女は塔から身を躍らせる。


空中で、彼女の身の回りには熊熊の火が燃え上がる。この炎はもはや攻撃の武器ではなく、彼女自身の一部となっている——燃え盛る彼女の命、最後の防壁だ。


彼女は闘技場中央に着地し、シノノメの傍らに立つ。


「シノノメ!」彼女は技師を抱き起こし、けがを確認する。幸いにも気絶しているだけで、致命傷はない。


マウイカはシノノメを駆けつけた戦士に渡す。「連れて行け。地下室に隠れろ」


「陛下、あなたは……」


「早く行け!」


戦士は涙を浮かべながらシノノメを引きずって去る。


マウイカは立ち上がり、なだれ込む織田軍に背を向ける。


彼女の背後には燃え盛る廃墟、目の前には数万の敵、足元には無数の犠牲者の血が広がっている。


だが彼女は一歩も後退しない。


「来い」彼女は小声で言い、両手を広げ、掌に燃える二振りの長剣が凝縮される。「火神の真の力を見せてやろう」


織田軍は一瞬ためらう。全身に炎をまとった女、息を呑むような威圧感が、最も勇敢な武士たちさえ畏怖の念を抱かせる。


だが掘秀墳は冷ややかに笑い、太刀を前方に突き出す。


「あいつは一人だ!何を恐れる?突進して斬り捨てろ!」


織田軍は再び押し寄せる。


マウイカは迎え撃つ。


炎と刀が激しくぶつかり合う。彼女は一人、数万の敵の中を突き進む。一撃一撃が命を奪い、一撃一撃が敵を灰にする。だが彼女の体に傷が増え、身の回りの炎は褪せ、呼吸は次第に荒くなっていく。


十人、二十人、五十人……


彼女は自分が何人を殺したか分からない。ただ目の前の敵が一向に減らないことだけが分かっていた。


彼女が力尽きようとした瞬間——


遠方から、突然天地を揺るがす戦太鼓の音が響いてくる。


それは織田軍の太鼓ではなく、別の音だ——重厚で響き渡り、山が崩れ地が裂けるような音。


全員が呆然と立ち尽くす。


マウイカも同様だ。


彼女は太鼓の音のする方を振り返る。土煙が巻き上がり、旗が空を覆う。無数の兵士が山崩れの勢いで押し寄せてくる。最前列の旗には、巨大な岩元素の紋章が刺繍されている。


璃月の旗だ。


その旗の下、金色の姿が大股で歩いてくる。


鍾離。


その後ろには十三万の璃月軍が控えている。空の初潮小隊が最前線で突進し、刻晴の雷光、申鶴の氷、甘雨の矢、夜蘭の糸……死の嵐を織り上げ、一瞬にして織田軍の陣形を引き裂く。


織田軍は大混乱に陥る。


「璃月の兵が来た!璃月の兵が来た!」


「撤退せよ!急げ撤退!」


掘秀墳と金森長近は陣形を立て直そうとするが、もう手遅れだ。璃月軍の突撃はあまりにも速く、突然だった。既に分散していた織田軍の陣形は瞬時に打ち崩される。


「討て!」


空の剣が煌めき、三人の織田兵が同時に倒れる。彼はマウイカの傍らに駆け寄り、ふらつく火神を支える。


「マウイカ!大丈夫か?」


マウイカは彼を見、戦い続ける璃月軍を見、遠方の金色の姿を見て、瞳に涙が浮かんでくる。


「あなたたち……来てくれたのね……」


空は頷く。「鍾離先生が自ら軍を率いてきました。十三万の兵、全員到着しています」


マウイカは遠方を眺める。鍾離はゆっくりと歩いてきて、一歩一歩山のように堅固だ。彼の通り過ぎた場所では織田兵たちが倒れていく——彼が手を下すのではなく、兵士たちが彼に近づいただけで、目に見えない力で弾き飛ばされている。


「よく戦われました、火神様」鍾離は彼女の前に立ち、軽く頭を下げる。「ここからは璃月に任せてください」


マウイカはついに持ちこたえられなくなり、膝が崩れて地面に跪く。


だが彼女は笑った。


それは三日間で初めての、本心からの笑みだった。




織田軍は完全に崩壊した。


森蘭丸——織田信忠配下最年少の将で、織田信長生前の側近でもある男——は自分の部隊が璃月軍に打ち崩され、先ほどまで勢いに乗っていた兵士たちが今や野良犬のように四散して逃げるのを目の当たりにする。


「殿!急ぎ撤退を!」腹心の部下が馬の手綱を引く。「璃月の兵はあまりに多い!我々では防げません!」


森蘭丸は歯を食いしばり、遠方の金色の姿を眺め、瞳に複雑な光が宿る。


「撤退せよ!」


彼は馬の向きを変え、残った部隊を率いて慌ただしく撤退する。


背後では璃月軍の追撃が続いている。だが鍾離は手を挙げ、兵士たちを止める。


「窮鼠を追うな」彼は言う。「先に火を消し、人を救え」


璃月軍は追撃をやめ、救助活動に転じる。炎を消し、負傷者を治療し、闘技場の地下室に隠れていた民衆を集める。


マウイカは廃墟の上に座り、このすべてを眺めている。彼女の炎は消え、力は使い果たされたが、瞳にはかつてない輝きが宿っている。


「鍾離先生」彼女は小声で言う。「ありがとう」


鍾離は彼女の傍らに立ち、再建が進む廃墟を眺める。


「礼には及びません」彼は言う。「テイワットの七国は元より一体のものだ。一国が危機に立てば、六国が支援に駆けつける」


マウイカはしばらく黙った後、突然問う。「織田信忠……彼は一体何を望んでいるのですか?」


鍾離は東方、浮羽の湾の方角を眺める。


「復讐を望んでいる」彼は言う。「父のための復讐だ。だが復讐が彼の目を曇らせ、この戦いに勝者など存在しないことを見落とさせている」


マウイカもその方角を眺める。


「ならば敗者がどうなるか、見せてやろう」


夕陽の下、聖火闘技場の廃墟の上に、ナタの旗が再び掲げられる。


炎は消えたが、聖火は不滅なり。


火神が、まだ生きているからだ。

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