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祥原の戦い

祥原の血紅楓


祥原は、平壌の南四十里、紅葉の森に囲まれた広い谷地である。


十月の朝鮮は楓の葉が真っ赤に染まる季節だ。本来なら紅葉狩りにふさわしい時期だが、今は戦雲が空を覆っていた。朝鮮守備兵五千がこの地に陣を張り、南から平壌へ迫る二つの日本軍部隊を食い止めようとしていた。ここは平壌郊外最後のまともな防衛線であり、これより先は平野が広がり、まっすぐ城壁へと続いている。


中軍の旗の下、四人の朝鮮武将が並んで馬を並べていた。


盧宛宸は五十歳を超えた老将で、斑入りの鉄の鎧には幾重もの補修痕が刻まれている。手に持つ丈八の槍の穂先は朝の光のもと冷たく輝いていた。彼は平壌守備軍の古株であり、壬辰倭乱初期の大敗も、幸州山城の苦勝も経験してきた。南から立ち上る砂煙を眺め、顔は鉄のように険しく固まっていた。


「来た」と低く呟いた。


彼の右側に立つ金費龍は三十代前半の壮年の将で、板戸のように幅広い両手大剣を扱う。南原守将・金千鎰の従弟にあたり、南原落城の際に辛うじて突破し、北へ逃れて平壌へ合流した。家と一族を失った憎しみの炎が瞳の奥に燃えている。


「両将」と左側の朴智旻が口を開く。四人のうち最も若く、二十七、八歳に過ぎない。双刀を操り身のこなしが軽やかで、開城周辺で小部隊を率いて日本軍を遊撃し、幾多の戦功を立ててきた。「斥候の報告では、敵は二路に分かれ、それぞれ約五千。率いる者は…六天大虎の二人です」


最後の李文博は文人の姿で腰に長剣を差し、軍参謀を務めている。簡素な地図を広げた。「高永康弘は南東から、長方天吉は南西から進軍しています。二軍は五里離れており、互いに援護し合える態勢です。我が軍が両方を同時に迎え撃てば兵力が足りず、一方に集中すれば、もう一方が挟撃に来ます」


盧宛宸は思い沈んだ。「兵を分けよう。金将、朴将、三千を率いて南東の高永康弘を迎え撃て。私と李参謀は二千を率い、南西の長方天吉を阻む。勝利を求めるのではない。時間を稼ぎ、平壌からの援軍を待つのだ……」


言葉は途中で途切れた。南から重く整った足音が響いてきた。


日本軍が現れた。


まず旗が見える。真っ赤な軍旗には猟奇的な虎の頭が描かれている。続いて整った陣形。歩兵の方陣は動く城壁のようで、槍の森が広がり、鎧が朝日のもと冷たい金属の光を反射する。騒ぎも乱れもなく、機械的で息苦しい圧迫感だけが漂っている。


「精鋭だ……」朴智旻は双刀を強く握り、手のひらに冷や汗が浮かんだ。


二つの日本軍は谷地の中央で合流したが、一つにまとまらず、左右に分かれてそれぞれ陣を敷いた。左軍の陣前から、一武将が馬を走らせ飛び出した。


男は四十歳前後、顔は刀で削ったように冷徹で、顎に短い髭をたくわえている。真っ黒な重装の鎧を身にまとい、腰には普通の太刀より半分近く長い、五尺近くの長大な太刀を差している。片手で柄を押さえ、朝鮮軍の陣を眺める視線は、屠り人が屠る家畜を眺めるかのようだ。


「豊臣殿下配下、六天大虎・高永康弘である」声は大きくないのに、戦場全体にはっきりと届いた。「朝鮮の将官、前に出て死を迎えよ」


ほぼ同時に、右軍からも一将が駆け出した。体格が異常に逞しく、馬の上に座る姿は鉄の塔の如し。頭が人の頭ほどの大きさで一寸鉄の棘が生えた、恐ろしい狼牙棒を手に提げている。歯並びの悪い黄色い歯を見せて笑った。


「長方天吉、ここに在り!誰が先に死にに来る!」


朝鮮軍の陣の中にざわめきが走った。この二人の気迫は、今まで戦った日本武将とはまったく違う。幾多の戦場を渡り、無数の人を殺してきた凶暴な気配だ。


盧宛宸は歯を食いしばり、低く告げた。「計画通りに動け!」


戦鼓が鳴り響いた。


金費龍が真っ先に馬を走らせ、三千の朝鮮兵を率いて高永康弘の部隊へ突撃する。朴智旻がすぐ後に続き、双刀を抜いた。


反対側では、盧宛宸と李文博が二千の兵を率い、長方天吉へ向かった。


紅葉が舞い落ちる中、戦いが始まった。


高永康弘は突撃してくる朝鮮軍を前に、微動だにしなかった。金費龍の大剣が頭上三尺まで迫った時、ようやく動いた。


抜刀。


一条のまばゆい刀光が絹の帳のように広がる。振り下ろしでも横薙ぎでもない——水平に近い弧を描いた「削り」である。


「カーン!!!」


金鉄がぶつかる大きな音が耳をつんざく。金費龍は馬ごと三歩後退し、虎口が裂け、血が手首を伝って流れ落ちた。恐ろしさに自分の大剣を見ると、刀身に深い窪みが刻まれ、ほとんど断たれかけていた。


「遅すぎる」高永康弘は刀を収め、依然片手で柄を押さえていた。「力はまあまあだが、技は粗末だ」


金費龍は怒りの咆哮を上げ、再び突撃した。今度は学び、大剣を横に薙いで敵の馬を狙った。だが高永康弘は手綱を軽く引くだけで馬を器用に半歩横へ移し、太刀が毒蛇のように突き出た——人ではなく、大剣の柄と刀身のつなぎ目を狙った。


両手剣の力が集中する要所だ。


「パチッ」と脆い音が響き、精鋼で作られた柄の鍔が刀の先で突き破られた。奇妙な力が柄から伝わり、金費龍の腕全体が一瞬でしびれた。大剣は手から飛び出し、何度も回転して十歩先の地面に突き刺さった。


三撃目、高永康弘は馬を進め、再び刀光を走らせた。


朴智旻は驚き、双刀を同時に繰り出して救援しようとする。高永康弘は振り返りすらせず、左手はいつの間にか鞘を握り、後ろへ盾のように構えた。


「カチン!カチン!」


二つの鋭い衝突音。朴智旻の双刀は鞘に正確に弾かれた。そして高永康弘の右手の太刀は、すでに金費龍の喉元をなぞっていた。


血が泉のように噴き出す。


金費龍は首を押さえ、信じられない目を見開いて馬から墜落した。南原の猛将は、三撃で命を落とした。


「金将!」朴智旻は目を血走らせ、双刀を光の幕のように舞わせ、狂ったように高永康弘へ襲いかかった。


だが実力の差は天溝の如し。高永康弘は馬の背から身を起こすことすらなく、片手で太刀を持ち、受け、逸らし、導き、朴智旻のすべての攻撃を打ち消していく。彼の剣術に華やかな技はなく、一撃一撃が極限まで簡素化され、恐ろしいほど正確だ。


七回目の攻防、太刀は朴智旻の左肩を貫いた。


九回目、刀の峰で朴智旻の右手首を砕いた。


十一回目、刀の先は朴智旻の喉の半寸前で止まった。


「降れば生かす」高永康弘は淡く言った。


朴智旻は血沫を吐き出す。「朝鮮に降る将はいない!」


刀光が走った。


もう一方の戦場でも、情勢は一方的だった。


長方天吉の狼牙棒は、人間の力で抗える武器ではなかった。真っ先に突っ込んだ朝鮮武将は、一撃で馬ごと肉塊に砕かれた。槍で突こうとした二人目は、狼牙棒の一振りで槍が折れ、人は三丈先へ吹き飛び、肋骨が砕け散った。


盧宛宸は歯を食いしばって進み出る。槍は毒竜が穴から飛び出すように突き出され、長方天吉の顔面を狙った。五十年の修行を凝縮した一突き——速く、正確で、容赦ない!


だが長方天吉はただ笑い、避けようともせず、狼牙棒を頭上から振り下ろした。


命と命の取り合い。


盧宛宸にはそれほどの狂気はなかった。槍は途中で軌道を変え、上へ持ち上げて狼牙棒を受け止めようとした。


「カーーン!!!」


大きな衝撃音の中、槍は真ん中から折れた。盧宛宸は衝撃で馬から飛ばされ、地面に重く叩きつけられ、一口の血を吐き出した。


「将軍!」李文博は剣を抜いて駆け寄る。剣さばきは巧みで、長方天吉の手首を狙う——兵器を持つ右手を廃しようとしたのだ。


長方天吉は雷のように笑い、左手が突き出た。団扇ほど大きな手、鉄の挟みのような五指が、剣の刀身そのものをひっ掴んだ。


「バキッ!」


精鋼の長剣が無理矢理折られた。李文博が反応する間もなく、狼牙棒が振り下ろされた。


赤白が飛び散った。


盧宛宸はよろめきながら起き上がり、首のない李文博の死体を見て、老涙が頬を伝った。折れた槍の半分を拾い上げ、しゃがれた叫びを上げ、再び長方天吉へ突撃した。


この時、長方天吉は狼牙棒を使う気すら起こさなかった。馬を走らせ、左の拳を突き出した。


「ドン!」


鉄拳が盧宛宸の胸にまっすぐ命中した。鎧がへこみ、胸骨が砕けた。老将は糸の切れた凧のように飛び、一本の楓の木にぶつかり、ゆっくりと幹を伝って滑り落ちた。一枚の楓の葉が舞い落ち、次第に輝きを失う瞳の上にとまった。


主将たちが次々と戦死し、朝鮮軍の士気は一瞬で崩壊した。


「逃げろ!」


「将軍たちが死んだ!走れ!」


五千の軍勢は瞬く間に崩れ去った。兵士たちは武器を捨て、四方へ散って逃げた。高永康弘と長方天吉は追撃命令すら出さず、平壌方向へ逃げる敗残兵を冷ややかに眺めていた。


戦いは始まってから終わるまで、半時間に満たなかった。四人の朝鮮武将はすべて戦死。朝鮮軍の犠牲は二千人を超え、残りは四散した。


長方天吉は狼牙棒についた血を舐め、歯を見せて笑った。「高永、何人斬った?」


高永康弘はゆっくり刀を鞘に収める。「二人。貴様は?」


「俺も二人だ」長方天吉は北、平壌の方を眺めた。「城内にはテイワットの『妖しき戦士』がいると聞く。少しは面白い相手であってほしい」


高永康弘も北へ視線を向け、視線は抜き身の刀のように鋭い。「豊臣殿下の命令だ。テイワットの者は見つけ次第斬り捨てよ。進軍を続け、日没前に平壌城下に到着せよ」


日本軍は隊列を整え直し、死体と舞い落ちる紅葉を踏み、北へ進んだ。血のように赤い楓の葉が祥原の谷地を敷き詰め、戦死者のために敷かれた緋色の絨毯のようだ。


敗れた朝鮮の残兵たちは、悪報を平壌城へ運んだ。


――――


平壌の城壁の上、申鶴、刻晴、香菱は敗報を受け取った。


「四人の将軍が……全員戦死?」刻晴は剣の柄を強く握り、指の関節が白くなった。


報告に来た敗残兵は地面にひざまずき、全身を震わせていた。「あの二人は悪魔です。人ではありません。盧将軍は一撃の拳で命を落とし、金将軍は三撃で……朴智旻は……」


香菱は崩れ落ちそうな兵士を扶け、熱い汁の椀を渡した。「ゆっくり話して。すべてをはっきりと教えて」


詳しい経緯を聞き終え、三人は黙り込んだ。


「高永康弘……剣術は境に達している」申鶴はゆっくりと言った。「三撃で一将を討ち取れるのは、並みの武者ではない」


刻晴は頷く。「長方天吉は怪力の持ち主で、死を恐れぬ悍ましさを持つ。こういう相手が最も扱いにくい」


香菱は不安そうに城外南の方を眺めた。「彼らはあとどれほどで到着するの?」


「敗残兵の報告では、日本軍はすでに進軍を再開しています」刻晴は空を見上げ、朝日が夜の名残を完全に追い払っていた。「遅くとも夕暮れ……城の下に迫るだろう」


城壁の守備兵の間に重い沈黙が広がった。祥原の大敗の知らせは疫病のように広まり、前夜の雷雨の勝利で高まったばかりの士気は、再び絶望の底へ落ち込んだ。


申鶴は突然振り返り、城壁の階段を下り始めた。


「申鶴先輩?」刻晴が呼びかけた。


「守城の準備をする」申鶴の声は氷のように冷たい。「平壌を欲するなら、死体で道を埋めさせよ」


刻晴は深く息を吸い、香菱に向き直った。「香菱、あなたの鍋は……今日は別のものを煮ることになるかもしれない」


香菱は一瞬きょとんとし、やがて意味を理解した。お玉を強く握り、力強く頷いた。「わかった。親父が言っていた。戦場の料理人は、時に戦士にならなければならないと」


彼女は南の地平線、砂煙が立ち昇る方を見つめた。


「高永康弘、長方天吉……」香菱は二人の名を低く呟く。瞳には恐怖はなく、新しい食材を前にした料理人のような集中だけが宿っている。「味わってもらいましょう……万民堂の特製料理を」


風が吹き起こる。祥原から飛んできた楓の葉が平壌の城壁に舞い落ち、生鮮な血のように紅く染まっている。


本当の試練が、間もなく訪れる。

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