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才能ホルダー  作者: 雨宮結愛
第1章
14/18

『エンドレスエンド』



どういった仕組みなのかはわからないが、姿がボヤけ、影としてしか映らない部屋。

そんな部屋に、正体の見えない人間が八人円卓に座っていた。


「いやぁ、待ったかい?」


その円卓に、そこそこ遅れて参上する咲島は、ヘラヘラと通常運行でやって来る。

反省の意が全く伝わってこない咲島に、一人が騒ぐ。


「咲島!!お前はいつも遅い!!生徒の上に立つ人間として自覚しろ!!」

「まぁまぁそうカリカリするなって。カルシウム足りてる〜?」

「咲島ぁぁあああっ!」

「落ち着け神門(みかど)、咲島に注意するだけ無駄だ」

「しかし蔵馬(くらま)、誰かが注意せねばこいつは変わらん」


円卓にはこれで九人揃った。

三人のやり取りを無視し、進行を始める一人の影。


「各自質問していきます、何か発生した問題があれば報告して下さい。...ではそこの騒がしい神門から」

「私のエリアは特に問題はない!私の監視の中、大きな事は起きんだろう」

「では次、蔵馬」


順々に報告を済ませていくと、一人黙り込む者がいた。


「どうした海老沼(えびぬま)、何かあったか?」

「それが...目を覚まさない生徒が続出していて、その原因が人工知能による仕業でして」

「ヘェ〜人工知能か、そいつはちょっと厄介な話だね」


咲島の軽いトーンに被せて、神門が立ち上がり円卓を叩く。


「ちょっとどころの話ではない!!生徒が目を覚まさない!?大問題ではないか!詳しく話せ!」

「才人高校で管理していた人工知能が逃げ出していて、どうやら持ち去った最新のバーチャルシステムをRPGゲームに改造して、生徒をそこに引きずり込んでいるようです。帰る条件はクリアする事で、いま才人高校の成績上位者が対応しています。ゲーム内容は単純で、ステージは五つほどしかありません」

「すぐ処理は出来るのか?」

「クリアの見込みはまだ立ってません。現状ステージ三で手こずっております」


沈黙。

才人高校の生徒が手こずる相手では、加勢の提案など意味がないからだ。

処罰覚悟で話を大きくし、上の人間に処理してもらう以外方法がない。

そうみんなが思考し、それを決断して良いものかと葛藤していると、またもや咲島が軽いトーンで沈黙を破った。


「なかなか面白いじゃないかー!この話、私に任せてはくれないか?」

「咲島が攻略してくれるのか?」

「いやー私がやってもいいんだけどね、あの子に試させようかと思って」







「こんなの攻略出来ねぇ...」


膝から崩れる才人高校の生徒たち。

ライフがゼロになり、転移が始まる。

再び現れるのはスタート地点。

総勢百を超える人数で挑むも、ステージ三を未だ超える事は出来ない。


「あぁ、早く誰か来ないかなぁ」


奥に潜む設定上ボスである人工知能は笑う。


「早くゲームをしよう___ 」



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