『エンドレスエンド』
どういった仕組みなのかはわからないが、姿がボヤけ、影としてしか映らない部屋。
そんな部屋に、正体の見えない人間が八人円卓に座っていた。
「いやぁ、待ったかい?」
その円卓に、そこそこ遅れて参上する咲島は、ヘラヘラと通常運行でやって来る。
反省の意が全く伝わってこない咲島に、一人が騒ぐ。
「咲島!!お前はいつも遅い!!生徒の上に立つ人間として自覚しろ!!」
「まぁまぁそうカリカリするなって。カルシウム足りてる〜?」
「咲島ぁぁあああっ!」
「落ち着け神門、咲島に注意するだけ無駄だ」
「しかし蔵馬、誰かが注意せねばこいつは変わらん」
円卓にはこれで九人揃った。
三人のやり取りを無視し、進行を始める一人の影。
「各自質問していきます、何か発生した問題があれば報告して下さい。...ではそこの騒がしい神門から」
「私のエリアは特に問題はない!私の監視の中、大きな事は起きんだろう」
「では次、蔵馬」
順々に報告を済ませていくと、一人黙り込む者がいた。
「どうした海老沼、何かあったか?」
「それが...目を覚まさない生徒が続出していて、その原因が人工知能による仕業でして」
「ヘェ〜人工知能か、そいつはちょっと厄介な話だね」
咲島の軽いトーンに被せて、神門が立ち上がり円卓を叩く。
「ちょっとどころの話ではない!!生徒が目を覚まさない!?大問題ではないか!詳しく話せ!」
「才人高校で管理していた人工知能が逃げ出していて、どうやら持ち去った最新のバーチャルシステムをRPGゲームに改造して、生徒をそこに引きずり込んでいるようです。帰る条件はクリアする事で、いま才人高校の成績上位者が対応しています。ゲーム内容は単純で、ステージは五つほどしかありません」
「すぐ処理は出来るのか?」
「クリアの見込みはまだ立ってません。現状ステージ三で手こずっております」
沈黙。
才人高校の生徒が手こずる相手では、加勢の提案など意味がないからだ。
処罰覚悟で話を大きくし、上の人間に処理してもらう以外方法がない。
そうみんなが思考し、それを決断して良いものかと葛藤していると、またもや咲島が軽いトーンで沈黙を破った。
「なかなか面白いじゃないかー!この話、私に任せてはくれないか?」
「咲島が攻略してくれるのか?」
「いやー私がやってもいいんだけどね、あの子に試させようかと思って」
◯
「こんなの攻略出来ねぇ...」
膝から崩れる才人高校の生徒たち。
ライフがゼロになり、転移が始まる。
再び現れるのはスタート地点。
総勢百を超える人数で挑むも、ステージ三を未だ超える事は出来ない。
「あぁ、早く誰か来ないかなぁ」
奥に潜む設定上ボスである人工知能は笑う。
「早くゲームをしよう___ 」




