Midnight・HighwayⅢ
『もしもしー崎谷くん一日ぶり。今日もうちの大将が動けないから助けに来たよ。』
一瞬ぶれそうになったハンドルを握り直し運転に意識を集中させる。
「全く困ったものだよね。女の子乗せてデートしてるのにいきなりぶっぱなしてくるんだから無粋にも程があるよ」
テンション高いけどどこにいるんだ、こっちの状況は向こうはわかってるみたいだけどこっちは全然姿が見えないんだが・・・
「えっと・・・、杉本さんでしたっけ?どこにいてどこから見てました?」
『今は君達の乗ってる車の斜め後ろを飛んでいて、グレラン撃ったけど外しちゃったところで追いついたよ。あと、そんな杉本さんなんて堅苦しい言い方しないで、もっと気楽に恭ちゃんって呼んでよ。』
昨日も思ったけど、なんでこの人はこんなにも軽いノリでこっちの危機を楽しんでるんだろうか・・・ドSなのか?
「・・・・色々と疑問はあるんですけど、今何に乗ってます?」
『おぉ、よくぞ聞いてくれた。今はうちの変態技術者どもが改造に改造を重ね最高速度500キロの速度で飛べる、本汎用現軍事風ヘリのリンクスに乗ってるよ、前出るね』
そう言われ走ってると前にものすごい速度でヘリが前に出てくる。
・・・そして、スライド飛行しながらドアが開き一人銃をもった人がこちらに手を振ってる。
ターボ終了が近づきブザーが鳴り、エンジンは悲鳴のように高い音だったのがいつもの低い唸り声のような音になっていく。
「もう加速が終わるんで後ろの奴ら片付けたいんですけど、手伝ってもらってもいいですか?」
『よっしお兄さんに任せなさい」
さてと、こっちも準備しますかね。
「神里さっき渡した銃よこせ、俺が仕留める。」
190キロまで落ちたところでM79を受け取り、神里に手伝ってもらいながらリロードする。
さて・・・、映画みたいにかっこよく決めてみますか
『崎谷くん準備オッケーだよー。ケケケ昨日撃ちそびれたバレットのサビにしてやる。』
・・・・・危ない、この人限りなく危ない人間の匂いがする。俺が言えたことじゃないけど。
「3人とも何かに掴まって喋んなよ、ど派手に決めるから舌噛むぜ」
「ちょっ、待ってお兄ちゃん心の準備をくらいさせて」
「無理。死ぬよりましだっておもって」
再びアクセルを踏み込みスピードを上げていく、右手でハンドルを左手に銃を
「恭さん合わせてください、映画みたにど派手に決めるんで」
テンションはマックス。今にも叫びだしたい気分だ。
ハンドルを一気に限界まで回しブレーキを全力で踏み込み車を思いっきりスピンさせる。
窓から手を出し銃を構える。
普通だったら全部伸びたようになってまともに見えないだろう、でも今の俺には静止画のようにはっきりと見える。
集中してタイミングを合わせて引き金を引く。
軽い発射音と数拍おいてから爆音と赤い炎が後ろで上がる。
「|Bad fire flower(汚ねえ花火だ)」
炎の中からもう一台が出てくるが、そちらは恭さんにボンネットとタイヤを打ち抜かれ無力化された。
車を真っ直ぐにしてから車体の損傷状況と後ろの三人のグロッキー状況を確認する。
車自体の損傷は走れなくはない、ただかなりの危険を伴うという状況で修理しなければ仕事にかなり支障をきたしそうだ。
後ろの三人は神里以外は全滅で気を失ってしまった。
「神里大丈夫か?顔かなり青くなってるけど」
「・・・全然大丈夫じゃない・・死ぬかと思った。」
「それもそうか、家まで送ってくよ、それくらいならこいつももつだろうし。」
「・・・・・お願い・・」
神里も意識はあるが激しすぎる運転で酔ってしまったようで顔が真っ青になっていた。
『崎谷くん大丈夫、車動きそう?』
「後ろどうにか動くことは動くと思いますけど、流石にかっこ悪いし車がかわいそうだから、後で修理してもらいたいんで取りに来てください。」
わざわざ防弾ガラスにしたのにそれもぶち破られ、車体にも蜂の巣のように穴があき、見るも無残な姿になってしまった愛車を見ながら涙が出そうになる。
『オッケーオッケー、後で轟っち派遣してもらえるように大将にお願いしとく』
唯一救いなのが前から撃たれていないので、エンジンルームが無事なことだ。
「うぅぅ・・・お兄ちゃん・・運転激しすぎ・・・・・」
「悪いな、次回からはもっと安全な状況になってからドライブ連れてってやるから。」
「至ぅ・・・・、お姉ちゃん・・・もうだめ・・・・・」
「寝心地あんま良くないだろうけど、寝てて神里送るから家にまっすぐ帰らないし。」
オイル漏れがないかを確認してから、車に乗り込み復旧したインターから降りて神里に案内してもらいながら、神里の自宅へ向かう。
「・・・・・・・」
普段あんな物を振り回してるから一般家庭ではないと思っていたが、なんだろう・・・・簡単に言えば納得した。
神里の家はまるで下手なことをすれば巣をつつかれた蜂のように強面のあんちゃんが出てくるような・・・一言で言えば8のつく家柄のかなり偉い人が住んでそうな家だった。
「・・・・・家がでかいのはすごいと思うけど、入口分かりづらくない?」
そして、さっきから白い塀のせいでおんなじところをずっと回っている気がする。
「・・・慣れれば平気、ただ大きいから不便な時もある。」
神里に案内してもらいながら車を走らせること大体5分、やっと入口らしき門が見えてきた。
どうやら事前に連絡を入れていたらしく、門の前に人影が見えた。
門の前に車を停めてから、遅くなった事情を説明しようと迎えの人に近づいた時とても強烈な違和感を感じた。
「よう崎谷、久しぶりじゃねえか。」
そこにはさっきまで車に乗っていたはずの神里がいた。
かなり投稿のペースが落ちてきてしまいすいませんm(__)m
話はまだまだ続ける予定です。
次の日の朝のお風呂のお湯のような温度の目でゆっくりお待ちください。




