Midnight・HighwayⅡ
ミラーで後ろのSUV車2台をよく確認しならがら、アクセルを更に踏み込む
エンジンの回転数が上がり、音がだんだんと高くなっていき俺のテンションも上がり、後部座席では姉と妹の悲鳴が上がっていた。
「おい、崎谷大丈夫か?悲鳴と高いエンジン音が聞こえるんだが今何キロ出して走ってる?」
メーターを見ればリミッターがかかる180キロをオーバーしていた。
「今少し落ちたけど大体180オーバー。このままだったら200までそう時間はかからないと思う」
「・・・お前GTRのリミッターって、何キロでかかるのか知ってる?」
「180キロでかかって日本の高速じゃあ100キロまでが法定速度だっけか?」
「知ってんだったら、出すなボケナスが死にたいのか?」
そんなことはもちろん知っている、だが、今はそれを気にしていたら事故で死ぬのではなく
「捕まって死ぬより、自分でミスって死んだほうがマシって思える年頃でさ」
「本当にお前だけだったら見捨ててたわ、なんでお前なんかが女の子乗せてんだよ・・・」
スピーカーの向こうからは大類のため息混じりの声が聞こえるが、ミラーで後ろも確認しながら運転する。
「神里、もしもの事用に単式グレラン炸裂弾でケツ二台落とせ、あるのは3発までだから無駄打ちするなよ」
助手席を改造した武器ケースから、炸裂弾とソードオフのM79を片手で取り出し神里に渡す。
「・・・・・私これ撃ったことない」
「それはあくまで最悪の場合の最終手段だから、向こうが攻撃なり何かアクション起こすまで、窓開けてそれで狙っちゃダメだからな」
かなりキツめのカーブに差し掛かり、ブレーキを踏込みながらハンドルをきる。
メーターを見るとそろそろ250キロになるのに、後ろの車はぴったりとついてきている。
そして、気になるのはさっきから普通に速度違反のはずなのに、パトのサイレンが全く聞こえやしない。・・・もしかして、オービスとか計測器系統ハックして対応を遅らせてるのか?
「崎谷悪い知らせだ」
「何?俺これ以上不利になりたくないんだけど」
真っ青から顔の色を蒼白に変えた姉貴と妹には、申し訳ないがこちらも俺を含めて4人分の命を預かっている身としては、手を抜いて全滅させるわけにいかないので全力を出させてもらう。
「首都高の警備・警察のサーバーがハックされた、警察は動けないし、インター強行突破も渋滞しててできねえ状況だ。」
「予想を上回ってくれてホント悲しいよ、別口応援はできそうか?」
「無理だな俺の方でも車じゃなくてヘリでも用意しようかと思ったが、最短でも1時間はかかるし他のメンバーは寝てんだか連絡つかん」
燃料メーターを見るが流石にスピードを出してるだけあって、燃料の減りがかなり早いこのままのペースで走って一時間もしたらガス欠を起こす。
「・・・・崎谷、後ろの車なんかやばい」
「悪い神里、ミラーじゃよく確認できない」
確認しようにもスモークガラスで車内の様子はよくわからない。
だが、さっきから不思議なことに俺と後ろの車以外全くと言っていいほど見当たらない。
「・・・・やばい、来る伏せて!」
神里が言った瞬間鉛玉の嵐が車を襲った。
「やりやがった、奴ら防弾ガラスぶち抜くってことは、ピアスぶちかましやがったな。」
ハンドルをきりアクセルを強く踏み込みスピードを出し車体を安定させる
「神里隙を見てぶちかませ、このまま逃げるだけじゃあ絶対潰される」
今はできて撃墜、最優先は逃げることこのままじゃあ4人とも殺られる。
車道が広いのはありがたい、直線でも蛇行運転してうまくやれば向こうに隙を作れる。
「・・・崎谷もっと丁寧に運転して、狙おうにも体を出せない」
「悪いまっすぐ進むだけだといい的だからな蛇行になるのは仕方ない。しばらくいったところにデカイカーブがあるから、そこでケツ滑らせてるときに仕留めてくれ」
このままのだといくら逃げるために蛇行しても、蜂の巣&車が大爆発のオチだろう
アクセルを強く踏み込みエンジンが高い音をあげる。メーターは更に上がる。
カーブ直前になりアクセルとブレーキを調節しながら車体をドリフトさせる。
「今だ!ぶちかませ」
軽い音の次に後ろで爆炎が上がった。
「当てたか?」
「・・・ごめん、外した。」
バックミラーで見てみれば、煙の中から2台並んで若干速度を落として出てきた。
「神里準備しろ、多分すぐに向こうは攻めてくる」
「・・・崎谷、この銃・・リロードの仕方わからない・・」
・・・・・言ってたな、確かに「この銃撃ったことない」って言ってたわ。
「・・・あと、なんか後ろやばそう」
「なにがどんな風に、どんな感じでやばい?」
危機的状況に追い込まれた上、プレッシャーで気持ちに余裕がなくなってきているため、自然と口調が荒くなってしまう
「・・・後ろの車の片方が、なんかロケットランチャー的なものを構えてて狙ってる。」
・・・・・・・・ロケラン?
予想すらしていなかった事態に
「え?ロケットランチャー、どんな感じ?」
「・・・なんか筒みたいなのを構えて、ゴーグルみたいなのがついてる」
・・・・・・・・・・・・下手しなくても、これって逃げ切れる確率って極めて低いよね。筒+ゴーグルみたいなのって、誘導ミサイルかなにかだよね。
車はボロボロで正直賭けだが、一回改造した時に付けてもらったターボかけて距離だけでも離す。
ターボのスイッチを入れ、エンジンは今にも焼き切れそうなほどの高音を発し、街灯は点ではなく全てつながり光の線のように見える。
加速中は集中しなければいけなかったので大類との回線は切っていたが、知らない番号から電話がかかってきた。
「もしもしー崎谷くん!一日ぶり。今日もうちの大将が動けないから助けに来たよ。」




